散花
むくげ



彼女は彼を語るたび、
彼女は彼を見つめるたび、
その白い頬に桜色を映す。
艶やかで儚い恋する微笑みを目の前に、
私は彼女に勝てないと思う。
そして何かと言葉を呑んで
彼女の話に相槌を打つのだ。
密かな好意を、わずかにでも匂わせることのないように
そのことだけに気を張り詰めながら。
ちるはな は美しくなどない。
惨めさだけが後に残る。


携帯写真+詩 散花 Copyright むくげ 2006-04-13 23:41:01
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