ほうらご覧よ
あんなに見事な

ゆるりゆるりと
銀の鱗を光らせて
水面に映る魚のよう

ゆるりゆるりと
眺めていたら
水の底から
見上げてるのは
こちらのほう

銀の鱗の魚に ....
あなたのもとに
つながっているだろうかと
また海に来てしまった
彼方の水平に
上昇気流の痕跡が偏西風に流れて
波間に姿も映さず高く飛ぶ
渡る鳥、それよりもずっと星のそばで
焼かれる今 ....
眠れない夜に羊を数えてみても
ウール100%のheavenly dreamが訪れる事もなく
二万一千頭位まで行った所で
東の方角に朝焼けの予感が貼り付きはじめる
一日中数えても十万頭にも満 ....
夜の長い季節がめぐって
今年もまた
潤んだ果実の薄皮が
あなたの細い指先ではじけて

  枯色の穂の律動

その春のようなくちびるに
すべり込むのです


かわききった大地で
 ....
あなたとおそろの夫婦箸
いまはもう使う気にもなれない
あの頃は愛の姿を信じていた
同じ季節の同じ日々
それでも、素肌に感じる感触は
あの頃とは確かに違っていて
ひとり台所に立てば
化学の ....
気がつくとその{ルビ女=ひと}は 
明け方の無人列車に乗り 
車窓に広がる桃色の朝焼けを 
眠りゆく瞳で見ていた 

列車がトンネルに入ると 
全ての車窓は真黒の墨に塗られ 
闇の空間を ....
お前の髪
蚕の繭だったらなあ

白くて細くてふわんとしてて
綺麗だろうなあ

俺はお前を紡ぐんだ
糸車を
カラカラ言わせて

それから織って
お前は美しいすべらかな生地になり
 ....
まだしっかり帽子をかぶった黄緑の
君の大切なたからもの
やわらかい手が両方ふくらんで
哀しそうに助けを求める
ひとつも手放したくないんだね

小さなポッケを教えると
手の隙間から零れない ....
東京行きの列車が
一番線のホームに到着する
 あれに乗ればトーキョーまで行けるのね
娘は言った
 うん、行けるよ
 行きたいな、トーキョー
 この間の日曜日みんなで行ったじゃないか
 ....
彼岸の頃になると
その場所は
真赤に燃えるようでありました

急な勾配の細い畦を上れば
今来た道を遠くまで
見渡すことのできる墓所
形を成さない朽ちた石版と
名も読めぬほど苔むした石碑 ....
秋がわたしをとおり越す
わたしはわたしを置いてゆく
いつのまにかわたしは
残されたものをふりかえっている

ずいぶんと昔が重なりつづけている
重なったところどころのすき間から
青いものが ....
地上へ向かう木の葉が見せる
一瞬の華やかさ


揺らぎ


心の根幹は
頑丈にできているけれど
心の枝先は
いつも何かにあおられている

言葉が
木の葉のように舞い落 ....
何もできなかった
昨日の自分が悔しくて
今日も努力はしたけれど
結局は昨日と同じまま

何もできなかった
昨日の自分が悲しくて
今日も必死になったけれど
結局は昨日と変わらない

 ....
ほほを桜色に染めた
小町娘が夜道をすっすーと横切って

午前零時の散歩
{ルビ映日果=いちじく}の葉に反射する
コウモリの声
超音波時計に刻まれた
わたしは悲しみに冷静でいたつもりだった ....
夏の夜に
いくつもの太陽を揺らすひまわり達 
仕事帰りの疲れた男に 

 わさ わさ わさ わさ 

大きい緑の手のひらを振る 

日々の職場では 
密かな善意を誤解され 

  ....
君と
君の子供と
動物園へ遊びに行く

動物園のない町に住んでいるので
キリンもカバも見たことがないからと
地下鉄に乗っている間も
図鑑で予習に余念のない二人を
窓鏡に映る姿で見つめる ....
?.

あなたを
あなたのすてきなところを

一日
大切にする

あなたを
あなたの汚れたところを

裏返して
日に透かしてみると
おかしな影ができるから
その影に指で ....
渋茶と一緒に供する三時のおやつ

羊羹が出てくるとなんとなく胸が痛んだ

歯の裏に引っ付いてくる粘着性
苦みを感じてしまう程の甘さ
綿々と続く伝統の重さ
洋菓子が醸し出す空気たっぷり ....
タイトルだけ見たら、危ないですが、

記憶喪失の話ではなく、
酒乱事件の話でもなく。

さて、本題。

「わたしは詩を書きます。」

ここでいう「詩」という言葉の定義につい ....
結び目を
ほどこうとする指先は
きみの吐息の熱さのなかで
やわらかに
能動のつもり、の
受動となる

名を呼ぶほどに
ひとみはひとみの鏡となって
きみは時折
ひとりで勝手に向こうへ ....
{引用=
元素の記号に音を託して、

ひとつの譜をここに。

それぞれの元素たちの姿を探しつつ、

あそびに流れてみませんか。}



●Fe(鉄)  

   フェンス越し ....
家族


焼け跡から一枚の写真
楽しかったあの頃
親を殺した顔が笑っていた
子を殴り続けた顔が笑っていた






ひとのこころ


クルマに顔があるように
ひとの ....
逢うことは必ずしも救いとならない

つかめない泡のなかで
幾百の約束は
いさぎよく果てるためだけに
咲き誇る

散りゆく夜の
風たちは
雨に満たずに群れをなす
寄る辺をしずかに願い ....
便利なものが満ち溢れ
心満ちると思えども
便利さのみが溢れ出て
欲求のみが加速する

高価なものも尊とまれ
何であるかもわからずに
高価がゆえに追い求め
評価のみがそこにある

名 ....
{ルビ埃=ほこり}がかったランプの下 
赤{ルビ煉瓦=れんが}の壁に{ルビ凭=もた}れ
紙切れに一篇の詩を綴る 

クリスマスの夜 
遠い昔の異国の街で 
一人の少女が売れないマッチに火を ....
手は届かない
だから
わたしは指をくわえる

手は届かない
だから
わたしは素直にのぞむ

手は届かない
だから
わたしは
ポトリと落ちた果実をよろこぶ

非力な諸手で果実を ....
ただいま
と、呼べる場所をいつもこの手の中に持っている
気付かないほどに当たり前の鼓動の中にいる
夜更けへ向けて風速は加速し続けている


明日を見渡したいから、と
君は潜望鏡を買ってき ....
遊ぶために生まれてきたんだ
それだけだ
それが人間だ
仲良くみんなで遊べばいい

それなのに俺はここ最近
とらわれてる
檻の中に
自分の模様に

なあ月が 
見え ....
のら犬がいた

そいつは
安全な距離を保ちながら
一生懸命に
オレを吠えた

かるく
しっぽが揺れていた
もとは白かっただろうに
よごれた茶色が寂しかった


砂利道にし ....
指先で爪
らしい
爪 らしく
きちり

、血のうずく)。不安定な水晶時計(、
の公転にはなじまないけれど
今日のような雨天では
暗雲にさらされて
爪を)紅くぬる

さっと泳ぐのは ....
銀猫さんのおすすめリスト(3217)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
銀の鱗の…_、_空を行く- LEO携帯写真+ ...21*06-9-25
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春の葡萄- たりぽん ...自由詩18*06-9-23
夫婦箸- 恋月 ぴ ...自由詩15*06-9-23
朝焼けの声_- 服部 剛自由詩12*06-9-23
紡ぐ- ふるる自由詩33*06-9-23
ドングリ拾い- 佐野権太自由詩28*06-9-22
- たもつ自由詩1306-9-22
彼岸花の咲く丘- LEO自由詩18*06-9-22
伝言- tonpekep自由詩13*06-9-21
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明日を生き抜くための魔法- ぽえむ君自由詩10*06-9-20
刹那の星- こしごえ自由詩17*06-9-20
ひまわり仏_- 服部 剛自由詩17*06-9-19
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あなた- 水在らあ ...自由詩76+*06-9-19
*羊羹の裏*- かおる自由詩8*06-9-17
■わたしは誰だろう。- 千波 一 ...散文(批評 ...12*06-9-16
ももいろ玩具- 千波 一 ...自由詩12*06-9-15
◆元素の譜- 千波 一 ...短歌15*06-9-15
顔_その2- 恋月 ぴ ...自由詩16*06-9-14
川霧- 千波 一 ...自由詩12*06-9-14
秋にものを想う- ぽえむ君自由詩6*06-9-14
詩ノ灯- 服部 剛未詩・独白10*06-9-13
手は届かない- 千波 一 ...自由詩12*06-9-13
潜望鏡- 霜天自由詩806-9-13
ゼブラ- 水在らあ ...自由詩37*06-9-13
久しぶりに微笑んだ- 千波 一 ...自由詩15*06-9-12
再生- こしごえ自由詩16*06-9-10

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