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海沿いに並ぶ発電風車をくぐり抜けて
海風が膝を抱えている
吹かれて揺れる磯の花が
太陽の傾きを数えている
ぼろ布のように絡みつく
影の正体をゴム底に貼り付けたまま
そらを見上げ ....
猛禽の切り取る曲線を雲に重ねてみると
南風の通り道がみえるだろ?
無粋な飛行機雲が一直線に
線香の燃えかすみたいに消えていく
なんべんもね、手をかざしたんだ
日差しが眩しかったからね
ふい ....
僕が本を閉じたときに
誰かが新しい頁をめくるでしょう
僕がまぶたを伏せるときに
目覚める朝もあるでしょう
僕がこぶしを握るときに
手のひらを開いて母を求める
新しい命がきっとあるの ....
さようならと言うことが
お別れではないように
決められた夜明けは
訪れないのです、私の朝に
どんな明日が来るのか
誰も知らないから
眠れない夜も
夢見る眠りも
明けてしまえばまぶし ....
そのひとが指した
暗闇に
また星座ができる
夜空の不確かさに
うなずきながら
長い髪が揺れると
それは五等星ぐらい
小さく笑うと
三等星ぐらい
月影を手に入れるために
なにもか ....
半世紀も祈り続けて
鳩が太っていく
公園の木は
故郷から引き離された子供のように
ぽつん、ぽつんと育って
生きていこうとする力に
種類なんか無くて
他人の生き様を非難できない
太っ ....
この季節に居たくない夜
どこか、向こうがわを見ようとする
すべり台の天文台に寝そべって
どんな温もりでも
消えていくときはいつも赤い星
経験の記憶が
証ではないのに
あい ....
{引用=桜の咲く春が嫌いとつぶやいたひとの
手鏡に映したそら、霞のようにたなびく
僕は戦うだろうあなたのために
僕は祈るだろうみんなのために}
満開の花は汚れたあおを覆いつくして
春とい ....
僕は切符を買うよ
いつもと同じ場所にむかう
日めくりをちぎるときに
忘れてしまうだろう、今日だから
僕は切符を買うよ
四十九枚の十円玉を投げ入れて
光るボタンで行ける場所
誰もが辿れ ....
二人の時間をはかるために
砂時計がほしい
と、君がいうので
硝子の器に閉じ込める砂を探し
砂丘に鳴き砂を求めてみたけど
どの砂もしょっぱく湿っていて
完成しないのです、砂時計は
....
雪が私の小さな夜に降りしきます
冷たいものを無限に受け入れて
静かなまま染まるのです
記号という名前だけをもらった
小さな星雲たちみたいな
街灯が青白く照らす夜です
星を頼りに渡る鳥は ....
鳥取の冬雲が北風に迷っています
今日は大潮だというのに月が
複雑にからまっているのです
私の言葉は上手でしょうか
そんなことよりも伝えたいことの、
たとえば月の輪郭を
なぞる指 ....
押し入れの奥からスパイセット
何十年も忘れていた宝物
指先から煙を出したり
会員バッチがあったり
どこがスパイなんだか
水に消える紙に
鉛筆で名前が書かれていた
小学校2年で引っ越す ....
さかなの星空はいつも
境界線でゆらめくのです
星空を落ち葉がよこぎり
岸辺のすすきも
月明かりに
にじみながら手を振って
失ってしまったときに
ひとはさかなになる
月だってゆら ....
空を殺した鉛色が
凍える水面を
錆びた銅鏡に
そんな遅い朝
鳥たちは巡礼に訪れ
しきりに頭を下げる
もう幾度も焦がれては
言い出せずのどを鳴らし
奥歯をかみしめる
本当に辛い ....
(暗い、くらいと
ペットボトルを噛みつぶす響き)
クリック感の強い部分を
組み合わせて伝えようとする
瞬く、赤い
待機電灯の暗がりで
水槽のような
窓に浮かび上がるのは
存在 ....
蝉のように
最後の一週間で
羽化してみたい
飛べるだろうか
そんなことより
左手と右手の違いについて
考えている
ついでに右目と左目について
も、ちょこっと
やはり
....
今夜の月は
半分しかないのに
風力発電の三枚羽根に
砕かれている
居場所がなくて
ぐるぐると、さまようものも
照らし出されれば美しいのだろう
今日も祈っている
風車越しに月を掴もう ....
雨の温度が秋であれば
降りしきる時が吹かせる
あの風が好きだ
小雨であれば
プリントアウトした君からのメールを
焚き火にくべよう。
消去するときは軽々しい一瞬だったけど
剥がして ....
理性・抑制・常識とか教義とか正義とか悪とかという枠は社会にとっては必要なものだが個人の感性の拡大にとっては邪魔以外の何者でもない。それも仕方のないことだろうとは思う。個人の感性の無制限な拡大は ....
砂に埋もれ
沈みそうに生きて
手の届く範囲の幸せを
ただただ全うする
あたりまえに生きることが
どうして
美しくないと
思っていたのだろう
みんなの中に居るか
「だれ ....
公園で蝉の骸を踏む乾いた音に
夏の日差しが醒めていきます
夏は生まれゆく季節ではなくて
燃え尽きていく黄昏だから
皮膚の下を流れるもののような色で
手の届かない場所へ
沈んでいくのです ....
行き先も知らない船から
紙テープを投げて
わたしは今日、生まれよう
別れを告げるために投げるのではなく
離れるために切れるのでもない
風に大きなループを描き
旅立つために
....
枕木の間に蒔かれた砕石
それぞれの名前は知らない
久しぶりに訪れた東京のそれ
が、今日の、そしていつもの。
「思い出せない」ということを「忘れてしまう」と言うらしい
だから「知らないまま ....
楽器を操る人から
音楽が聞こえてくる
ジャンルを語る人から
うたが聞こえない
欲しいものはなにかの名前
なんかじゃない
百科事典が世界を壊していく
たとえば民族
....
知らないことが多すぎるけど
それは知りたい事じゃない
空が青いときは
夜の暗さを忘れるように
星空を見上げるときは
雲の形を忘れるように
二人はずれていく、す ....
ひどく深い山奥に
その百貨店は建っていた
百貨店といっても実際にはよろずやで
それでも、食料品から最新のテレビまで
なんでも売っているのだ
ダムが出来ると
集落のすぐしたまで水面になる ....
シャッターを切るよう
指で切り抜く仕草
ゆっくりと人差し指で
黄金比率を探してみる
無数の頂点を結んでいくと
地球の作り方がわかる
とどめられないものだから
測ろうとするけど ....
(カワセミ!カワセミ!)
木々の重なりの一番深く
真っ暗な沢の灌木で小さな光を見つける
ポストの底に忘れ去られた手紙のように
思い出せないのに忘れられない
ちいさな鳥の形を
手 ....
猛禽がやたら低く飛んでるな
なのはなにしずかなあめ
なのはなにしずかなかぜ
桜の花びらに埋もれた
側溝のたんぽぽ
散って舞う風流よりも
舞って発つ、汚れても ....
銀猫さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト
(281)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
断章(海を見つめている)
-
たりぽん ...
自由詩
5
09-8-30
かげのけいれい
-
たりぽん ...
自由詩
7*
09-8-5
僕が本を閉じたときに
-
たりぽん ...
自由詩
10
09-6-22
わくらば
-
たりぽん ...
自由詩
6
09-6-4
なもなきほしと
-
たりぽん ...
自由詩
10
09-4-29
駅・紙屋町
-
たりぽん ...
自由詩
12*
09-4-26
虹が染み、
-
たりぽん ...
自由詩
8*
09-3-22
あなたは満開の桜が嫌いだと
-
たりぽん ...
自由詩
5*
09-3-1
僕は切符を買うよ
-
たりぽん ...
自由詩
16*
09-2-26
はかれない、すなどけいでは
-
たりぽん ...
自由詩
18*
09-1-31
君の朝につながって
-
たりぽん ...
自由詩
14*
09-1-25
月の輪郭、風の影
-
たりぽん ...
自由詩
19*
08-12-22
スパイ
-
たりぽん ...
自由詩
15*
08-11-28
さかなのよる
-
たりぽん ...
自由詩
32*
08-11-15
巡礼、訊ねることもなく
-
たりぽん ...
自由詩
2
08-11-6
いらだつ祝日の、
-
たりぽん ...
自由詩
6
08-11-4
うつしみ
-
たりぽん ...
自由詩
8
08-10-3
胸の前で祈るように携帯を
-
たりぽん ...
自由詩
22*
08-9-27
眠りたい、雨の日は
-
たりぽん ...
自由詩
17*
08-9-21
詩を書く人のすべてが詩人じゃなくていい
-
たりぽん ...
散文(批評 ...
12*
08-9-13
よわき星雲への
-
たりぽん ...
自由詩
18*
08-9-7
季節は生まれたりしないのに
-
たりぽん ...
自由詩
9*
08-8-17
冬の港で生まれた
-
たりぽん ...
自由詩
24*
08-7-18
駅・品川にて
-
たりぽん ...
自由詩
6*
08-6-15
あなたは分類、されてしまった
-
たりぽん ...
自由詩
16*
08-6-8
ある断層について
-
たりぽん ...
自由詩
12*
08-6-1
あのポスト_(_2008_)
-
たりぽん ...
自由詩
18*
08-5-24
ぼくのつくりかた
-
たりぽん ...
自由詩
7
08-5-21
夜想曲(_reverse_)
-
たりぽん ...
自由詩
10*
08-5-11
かえりみちで空をみたんだ
-
たりぽん ...
自由詩
7
08-4-16
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
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