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女を抱きたいと思う
白いからだに潜む
うるんだ瞳にすける
哀しみを抱きたいと思う
街の隠れ家で
互いの{ルビ凹凸=おうとつ}をくみあわせ
闇に吐息の漏れる時
寂しい ....
日曜日の昼さがり ブラブラ散歩
少し歩きすぎたか 見覚えのないところまで来てしまった
萬屋を見つけた
よろずや?
マンガでは見たことあるけれど 実在するとは
"品行方正 ....
だから君は裂けた無花果の散乱した道を
歩いていった
もう少しで笑ってくれるのだろうか
それとも僕に気づかずに去っていくのだろうか
(いつも見ないふりをして)
だから僕は君を見ないふりをし ....
あ から を までの過程をたどる
日本語というのは あ から を までの流れのなかで
ことばが組みあわされ、いろんなおもいを伝えるわけで
さいごに ん で輪を閉じる
ん。っていったらしりとりで ....
たのしそうに語る
あなたの足跡を
みつけた
わたしの庭には
しばらく無い、
かげ
不本意ならば
どうぞ消し去りなさい
あなたの好きな場所を
汚すつもりなど無い
....
おとうさん
ぼくが生まれたとき
祖父母が ぼくを溺愛し過ぎるから
「このままでは息子がダメになってしまう!」
と
滋賀県移住を本気で考えたそうやなぁ
もし ホンマに滋賀県に引っ越し ....
ファーストフードのレジに並ぶと
厨房に立つ店員は
{ルビ神業=かみわざ}の手つきで
ハンバーガーを さっ と包み
すい〜っと横にすべらせる
「あれじゃあまるで、モノじゃあないか・ ....
昨日の仕事帰り、バスに乗る時に慌ててポケ
ットから財布を出した僕は、片方の手袋を落
としてしまったらしい。僕を乗せて発車した
バスを、冷えた歩道に取り残された片方の手
袋は、寂しいこころを声に ....
目覚めると
駅のホームの端に立つ街灯の下で
粉雪はさらさら吹雪いておりました
次の駅の街灯の下で
雪は舞い踊っているようでした
その次の駅の街灯の下で
雪はまばらに降っ ....
抱き合うことは
難しくなかった
ただ服を
脱ぐだけだった
あとは
なるようになるだけだ
自分が
気持ちいいことは
相手もそうだと
信じ込むこと
そこから
始まる何かの方が ....
旅の終わりに訪れた
夕暮れの善光寺
{ルビ巨=おお}きい本堂脇の砂利道に音をたて
紫のマフラーを垂らした
小さい背中の君が歩いてた
「 あの・・・○○さん・・・? 」
....
憎しみの中に愛があると
都合のいい性格占いのような
内在する、という{ルビ幻想法=パラダイム}で
あなたの半身を
私は求めてしまった
こうして高原に陣取り
遠めがね ....
ビジネスホテルの一階の
回転寿司屋で黒人さんの握った
トロのしゃりがあまりにも真っ白くて
私は奥歯で笑いながら
虎を溶かして作ったバターを思い出す
たしか、色素の抜けた太めのコックが
伝統 ....
目をきつく閉じて
何度も何度も反芻する
あなたの姿
暗闇でも兵士が
銃の整備をするための
あの訓練だ
分解は簡単だ
合理的にできたあなたは
いくつかのホックをはずすだけで
そのす ....
ガラス瓶のなかの
北風に乗って
飛んでいく一羽の鳩
おまえは
空に引かれた
ひとすじの水脈
かぼそき涙の痕跡
花のようにふるえる声
おまえは
幼年時代
滴りこぼれゆくはずだ ....
わたしのなかにも
ちいさな子どもがいて、
大人になってしまったわたしを
おおらかに抱きしめているのだろう。
それに気づかせてくれたのが
あなただった。
小学校の先生をしていたという ....
死にたいと言う気持ちは病気
治すべき病です
人は生きる義務を背負って生まれてきたはず
それを途中放棄する権利は選択肢としてあっても
絶対引いてはいけないカードです
死は時々冬の朝の寝 ....
狂おしいまでに
自分が自分が自分が自分が自分が自分が自分が自分が自分が
自分は自分は自分は自分は自分は自分は自分は自分は自分は
と言い続ければいつか
じぶんはいくつにも名づけられ瓶 ....
(純な大阪弁でお読み下さい)
君が 知らん奴としゃべってっと
めっちゃムカツクし イライラすんねんけど
これが
恋なんやろか?
息子(小3)が「学校行きたくない」と言ったのが今年の7月始め。話を聞くと、「死ね」「この世からいなくなって」「うざい」等の言葉の暴力、身体の方はあざなどないけど、しょっちゅう蹴られたりこずかれたりする ....
{ルビ埃=ほこり}がかったランプの下
赤{ルビ煉瓦=れんが}の壁に{ルビ凭=もた}れ
紙切れに一篇の詩を綴る
クリスマスの夜
遠い昔の異国の街で
一人の少女が売れないマッチに火を ....
さみしく囁く
そっと静かに
夜は
流れる
川面には
風
さよなら言葉
これから二度と
言わない
好きだとか
嫌いだとか
忘れてしまえ
昨日も今日も
明日も未来も
全 ....
午前一時二十分
列車の連結部近くの狭い一角
床に腰を下ろした青年は
震えるドアに凭れて眠る
( 手すりに{ルビ柄=え}を引っ掛けて
( 吊り下がるビニール傘の振り子
真夜 ....
U字型磁石を持ち出して
道ばたの茶色の石を検査した
少しでも吸い付けば
磁鉄鉱のはずだから
沢山拾い集め
溶かせば鉄になるのだと
幼い経験と想像力が生み出した
手の中の黒い鉄の塊は小 ....
落選の知らせに
落ち込んだ
やっぱりねぇーと
落ち込んだ瞬間
うーむ腹が立つ
なぜ落としたのだ
抽選なのか
実績なのか
見当が付かない
腹が立つ
この怒りを誰にぶつければよいのか
....
生まれながらにして入れられた
透明な箱
透明なので見えない
けれど箱
外には出られない
不思議なことに
透明な箱は手の中にあると錯覚される
錯覚されたまま
自在に扱っていると思われ ....
――Sに
ばらばらにされる
(君のせいで)
俺が歩く その先々で
俺は自らの破片をばら撒いてゆく
路上に
天井に
....
――Sに
家に帰ると
君のために心をばらばらにする時間がほしくなる
俺は怪物になれるかもしれぬ
あるいはなれないかもしれぬ
そんなことを思うのもすべては
君のためで ....
――Sに
すべての結果に原因があり
物事は (心の中の事象でさえも)
そのまっすぐな道を歩いているだけであった
だが
垂直に落ちる滝のようにひとつの感情が
....
「糸」
イト
「糸でできたおうち」
イト
「問うたばかりにへこんだおうち」
トイ
「問い」
トイ
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