僕はゆくだろう
鍾乳石の先で抗う
水滴の
夜のために

待つものも
さだかではない
暗闇のもっと底
染みこむ
朝のために

屈折がつくる道
灯台が照らす
霧の先に

ゆく ....
汚れた雨が蹂躙する街角で
傷をかばいあうために手を繋ぐ
傘を持たない日だけ、どうしようもなく
君の手があたたかくて
切れた指先が痛みを増した

僕の手は
どんな温度で君に ....
耳に雨音
瞳に滴
触れるたび
肌はやわくなってゆく
身じろぎもしないで
硝子一枚に隔てられて
雨に囚われているのだろう

雨を除ける力など
もってはいないから
ここでじっとしている ....
 
横たわれライオン
お前は長く走りすぎた
渇ききれないお前が
瞳に写すのは
限りない緑と
求めていたはずの
青だろうなあ
 
次第に灰色になるお前を
私は少しだけ強く覆うよ
まだ腐らないお前を、
  ....
大好きな君の笑顔が眩しくて
目を細めた夏の午後
そんな大切な一瞬は本当は
ささやかで儚いと知っているのに
どうして永続するなんて
夢を見てしまったのだろう

愛しくて愛しくて ....
大型台風は 
太平洋沿岸を次第に逸れて 
中心の(目)を閉じていった 

数年ぶりに
{ルビ小動=こゆるぎ}岬に立てば 
鉛色の海に
幾重も立ち昇る 
龍の白波 

腰越港へと続く ....
こちらにいらしたあをの過程さん、がいなくなって、
私にはどうしてもどうしても、彼を、とか彼に、とかの詩や散文は書けない。
ただ、これから私が書いていく詩の中に、少しでも良いものがあったら、
そこ ....
あおい月がしずかに沈むのを防ぐために、どれだけの灯
りが必要だろうか。どんな空の下でも、繰り返される息
があり、その色は見えないが、あかでもなく、みどりで
もなく、あお。それに限りなく近い色だろ ....
放出された 夏の、
取り扱いをあやまった空から
束ねられた雨が落下する
世界はまだ、はっきりとした輪郭を持っていて
ぼくも きみも それを知らない 


ウィリー、ウィリー、
なぎ倒さ ....
よのなかは

ブラックに

ライトアップされて

結構姦しい

煌煌とライトアップされた日本の形が地球上から消えるには
未曾有のブラックアウトでも起こらないと考えられない

 ....
一度しか逢えないなら
失くしてしまったって一緒だ


視線を外すと
こんなにもぼやけてしまう世界で

二人で夜を歩くとき
星屑の欠片を拾い集めては
ブリキの缶詰にしまっておいた

 ....
つきを
見上げるための、その装置を
湖底にそっと、
眠らせて

ノスタルジアが、いま、
宝石に
なる、



 王冠は
 燃え盛ろうとする、あの
 いつわりの技巧
 ....
「カワイイ」って言っても えぇやん!

「カワイイ」ぐらい!


「愛してる」は おまえにしかって言ってないんだぞ!

 
 妬くな!
うちわをあおぐ
私は
縁側で
入道雲を{ルビ見遣=みや}る

庭では生垣が
真っ青な息をしている
深い静けさに みちて
遠くで ひもす鳥が ないている

山の ふもとを流れ ....
あたしは河だった。
両岸の、
親族と参列者を満たす河だった。
あたしは、
泣いて、
泣いて泣いて泣いた。
やがて涙は両岸に溢れ、
氾濫し、
洗い流した。 ....
そして火は燃えさかり
すべてを焼きつくすだろう
それぞれの
人の生を
それらがあつまったこの
人の世でさえも
焼きつくして
火は遠い天上でわらうだろう
限られた空
その見えない境界で ....
ぬばたまの髪をほどいて君の手に瞳あずけてビトウィーン・ザ・シーツ


うつせみの命のかぎりを惜しむべく両の乳房を愛されている


ひさかたの月夜を飽かず眺めてるブランケットにふたり ....
いつつゆびさきがきみをみる

やわらかい皮膜の中は
どうしたってみずだから

つたってしまって

一本の
跳ねた
よわい針の先までが

とおくゆびさきの
たてるかぜにも
ふる ....
こんな世界に眠れる夜なんかあらへん
目ぇ覚めんのか、覚めてへんのか、それとも冷めたんか
そんなこともわからへん
お前がおらんとあかんのや


山しかないようなとこやった
山の向こうに何あ ....
だから君は裂けた無花果の散乱した道を
歩いていった

もう少しで笑ってくれるのだろうか
それとも僕に気づかずに去っていくのだろうか
(いつも見ないふりをして)
だから僕は君を見ないふりをし ....
ほたるがりしたら

おりひめとひこぼしをつかまえちゃった

うちではかえません

とママの怖い顔

しかたがないから

どうぶつえんにあげた

来園者数はうなぎのぼりで
 ....
あの夏はもう過ぎてしまった
まだ子どもの頃
特に待ち合わせをしなくても
いつもの公園に集まって
そこから林に探検へ
入ってはいけないような場所に
金網をよじ登る
そうすることが夏だった
 ....
通り雨を
息継ぎしながら
ぼくたちは急いでいた

離れることを
急いでいた


 手のなかの熱は
 次から次へ
 一秒後

 つよくなろう、と
 {ルビ翳=かげ}りをひそ ....
あ から を までの過程をたどる
日本語というのは あ から を までの流れのなかで
ことばが組みあわされ、いろんなおもいを伝えるわけで
さいごに ん で輪を閉じる
ん。っていったらしりとりで ....
好きなところを数えるのは
大天井岳のてっぺんで星を
数えるようなものだから
その暗闇まで含めて
全部が好きなんだ

そしたらあなたは私を
うそつき、と言った

ほんとうには
遠かっ ....
夜が、二足歩行で
足早に通り過ぎていく音を
淡い錯覚にくるまりながら、聴いていた
抱きしめあう行為は どこか
呼吸と似ていて、ときどき
わたしたちは声を漏らす
ともすれば ....
桜花を散らせ
次の季節が吹かせる
湿った風に
なびく美しさを隠したまま
洗い髪みたいに
君は濡れている

よこぎる鳥を数えるように
ひとつひとつ忘れていく
透明な霧の向こう、輪郭
 ....
短冊の白まぶしくて愛の字を書けないままに無地で結んだ


黄色がいい君が選んだ一枚は願いじゃなくて歌をつづろう


霧雨に耐える紙縒(こより)が話さない青の祈りは「海にあいたい」
 ....
だからたとえば犬のように
白黒でしかものが見えていなかったとしても
濃淡の薄れゆくところ
色彩の変わるところが
あたらしく欲求がなりかわるところで
ぼくが輪郭と呼んでいた ....
 かがやいてしまう星の名を、
 つなぎ留めたかった
 防波堤



かなえたものは

夜を、
彩ることの、
つづけざまの果て、

失うはずなど無いというのに
のが ....
銀猫さんのおすすめリスト(3217)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
疾中(微熱)- たりぽん ...自由詩1007-7-17
雨やみを待っている、僕ら- Rin K自由詩37*07-7-16
紅い魚- LEO自由詩34*07-7-15
雷雨- 仲本いす ...自由詩807-7-15
愛犬、チャーリー- あずみの自由詩307-7-15
腰越- 服部 剛自由詩6*07-7-15
あをの過程さん- ふるる散文(批評 ...12*07-7-14
The_Blues_Are_Still_Blue- 岡部淳太 ...自由詩11*07-7-14
ウィリー、ウィリー、きみの名は、- 望月 ゆ ...自由詩44*07-7-14
*ブラックライトアップ*- かおる自由詩10*07-7-14
創書日和「星」__万華鏡- 士狼(銀)自由詩1107-7-13
シークレットブルー- 千波 一 ...自由詩18*07-7-13
限定- 北大路京 ...自由詩11*07-7-13
終日_(ひねもす)- こしごえ自由詩21*07-7-13
「_泣いて、泣いていない。_」- PULL.自由詩18*07-7-13
夏のアニミズム- 岡部淳太 ...自由詩13*07-7-12
ピロートーク- 落合朱美短歌1107-7-12
_- 水町綜助自由詩1007-7-12
あかん- アマル・ ...自由詩21*07-7-12
無感情の花たち- 結城 森 ...未詩・独白2*07-7-12
*げっくゎん「どうぶつえん」*- かおる自由詩16*07-7-11
あの夏はもう過ぎてしまった- ぽえむ君自由詩15*07-7-11
飴細工- 千波 一 ...自由詩21*07-7-11
あをの過程- mizu K未詩・独白21+*07-7-10
コマクサ- たりぽん ...自由詩12*07-7-10
リスク、- 望月 ゆ ...自由詩61*07-7-9
烙月- たりぽん ...自由詩907-7-8
ごしきの短冊- Rin K短歌31*07-7-8
八月の輪郭- 水町綜助自由詩2807-7-7
涙腺- 千波 一 ...自由詩16*07-7-5

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108