君は大丈夫かと聞かれて
頷いたとたんに
胸のどこかがとくんと疼く

いつもそう
小さな嘘をつくたびに
私の中の私はそれを見逃さない

ねぇ ほんとうに独りでも
生きてゆける女 ....
底のない鏡に向かい、
自戒を込めて。




近しい人に、
わかる言葉だけで、
書きはじめると。

あなたは途端に、
「うた」を喪います。

声 ....
るぅ、




りる、
りらぁ。

ふるりらぁ。


小さく、
目を開けて。


鍵盤の上、
踊ってるよ。

こびとさんたち。



 ....
plain damageをなんて訳そうかと思い悩みながら師走の
群衆のなか歩いていた
とおもっていたとき

からっかぜが吹きすぎたプルトニウムのからっかぜが
あそこから60キロ半径にあるすべ ....
図書館は人もまばらでコツコツと靴音の方が気になる程の静けさだった。
特に目当ての本を探しに来たわけではなかったが気が付けば一時間もそこにいた。

腰のあたりの高さの棚に顔を近づけしゃがみ込んだま ....
ある冬の日の午後に
人通りの少ない道を選んで
散歩をした

それは確か 手が
かじかむほど寒い日だった


一時間ほど歩いて
そろそろ家に戻ろうとした時

前方にある ....
わたしは蠍
孤独な蠍
心に浮かぶあなたの姿
思い出は心の痛み
耐える事しか
わたしは知らない



わたしは蠍
虚しい蠍
流れる砂はあなたの幻
ひとり見つめて
逢いたさ募る
 ....
冬の天井が落ちてきて

降り積もった断絶が

錆びたハサミを行使したのです

あなたとわたしの相似形は

いとも簡単に失われるから

失ったとたんに永遠で


何も持たない子 ....
「虫」に「文」と書いて「蚊」

と、言われても
今ひとつ得心のいかないわたしは
たとえば
ぶーん、と飛んでいるから
「蚊」と書くのだろうか?とか
飛んでいる奴をつかまえようとする様が
 ....
時速80kmの車窓
次から次へと景色は流れる

ホームの階段をひたむきに駆け上がる
パリッ!とスーツの新人サラリーマン
けっつまずき 宙に浮く {ルビ縮=ちぢ}んだ4本の手足
車窓から消え ....
私はあんなに憎い人を知らない
穏やかに過ごしていた日々を
圧倒的な力で根こそぎ運びさり
最もうとんだ葛藤と労苦の
深くにごった河へ流し込んでしまった

こんなところで生きてゆけない

 ....
入りそこねたり
行ったり来たり、いろいろな角度で
定まらない覚悟で溶けていきそうになる
落書きをする、つまらなそうな顔と筆先
踏み込むための一歩と、スタートラインの石灰
舞い上がればこびりつ ....
お日様が真っ赤になりながら

羊も鰯ものみこんでいくと

とっぷりとした夕闇がやってくる

cosmosは忍びやかに地球(テラ)に寄り添い

たっぷりとした夜のマントを拡げる
 ....
日曜の正午
レストランの店内には二人の若いウェイトレスが
できたての料理や空の器を運んで
客のにぎわうテーブルの間をひっきりなしに動いてる

20分前に頼んだ和風{ルビ手捏=てご}ねハンバー ....
石榴は血の味 密の味

月の無い夜に
女を食べた、あの木製の詩人は
熟れた石榴を 銜えさせて
美味いだろうと、夜風に訊いた
共犯だぁね 、
硬花の指先はわたしの唇に触れ
睦言のように
 ....
「あなたはね。
 卵から生まれたの。
 それはそれは痛くって、
 とっても大変だったのよ。」

それが母の口癖だった。

嬉しいことがあったときも、
悲しいこと ....
空は啼いているのだろう
風は狂いはじめている

雪の華はその美形を
とどめることも叶わずに
ただ白い塊と成り果てる

清き水の流れさえも
怒涛に変えて


白鳥は真白の吹雪に ....
うちの親父。


親父のまくらは、マイルドセブンの薫りがする
最近は、薄くなってきた

俺とおなじで、数学ができない。
ただひとつ違う点は、意欲があるかないかってこと

洗剤会社 ....
うちのクラスの山田くんは いつも
弁当をもってこない。

昨日は
ホームレスのおじちゃんが ひもじそうだったので
あげてきた、と
寂しい目で 語ってた

一昨日は
おなかがいっぱいだ ....
   甘くない珈琲を
   手の中で
   大事そうにしていた
   猫舌だと言って
   大事そうにずっと
   両手の中で



   十二月に降る雪のように
   ま ....
傷ついた
というより
どうしようもなかった
話がある

洗濯物をたたんでいく
パンツ
シャツ
ヨーロッパ


僕の無器用さは消えない
どうしても嫌なことは嫌といってしまう
言 ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように


蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
君からもらった
たった一通の封筒は
古びて黄色く灼けてしまいました

その中に大切に抱かれた
数枚の便箋も
古びて黄色く灼けてしまいました

今にも崩れそうな酸性紙の上
ボールペンの ....
目を閉じ
緑はほとばしる
陽の音が 陽の熱が
やわらかな迷路に落ちてゆく


川に沿って光は曲がり
風は遅れてあとを追う
土のかけらは水のなか
異なる火となり揺れている
 ....
口と口合わせて起こる反応を知りたくてした初めてのキス

草むらの匂いと鼓動それのみを残すファーストキスの実験


放課後に答えあわせをしたが為クラスメイトが恋人になる

抱くことも抱かれ ....
便利さと言う名目で
色んな物が切り落とされていく
夢の島に住んでいたい
と思うのは女々しさなのか

金額や思惑で秤にかけられて
計算高く世の中は動いているようで
取り残されるのは ....
夢から紡いだ淡い期待を束ね
双の棒針で器用に操る
操る毎に淡い期待は確かな予兆に変わり
なまめかしく揺らめいて
蠢いて
少女は艶やかな女人となる


月の満ち欠けを赤い細布で数え
確 ....
かわいいね おはだ つやつやして いつにもまして きれいだよ かわらぬ
そのわかさ はんそくだぜ なんだか ぼくだけが としを とったみたいで
ずるいなあ で どうだい しばらく ごぶさた だった ....
雪ばかり融けずにいる
針が突き刺したような
星夜の暗闇が恐ろしいのです

あまたを溶かすはずの暗闇が
かすかな影のいいわけを
裏切るのです

ひどく凍らせる結晶に
張り付いた切り絵を ....
食卓にいて良い顔じゃない。
明らかに二、三人?ヤってる"顔だ。
僕は気づかれないようにそっとテーブルから離れて母に言った!!

「お母さん、し、醤油を!!!」





 ....
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