私は大きな蝶の仮面で 
                  あなたは骸骨                                      
        ....
腐ったリンゴを上手に切り分けても
誰にも食べてもらえない

手の中の熊蜂
うるさいわ。

黄色い布張りの
銀色の装丁の本
ある文字だけ黒く塗りつぶされている

「エチカ」
そうい ....
蔦の絡まる瀟酒な鉄骨のアパルトマンの朝は姦しい

おくにことばが行き交って
美味しいゆげが湧いてくる

毎日どこかのお部屋から
喜びのうたがあふれ出し
ある部屋のかた隅からは
 ....
体じゅう
寒気が
激しい朝
詩がとどく
さむいのに
雨なのに
書いたひとの気持ちが
きれいな色が
入り混じって
ここまで
とどく

チョコレートを
私はスペインの
よく冷え ....
ねむのきとんとん、
とびらのむこう。

こだまのひびく、
あのむこう。

さやささやく、
えだのおと。

よんでいるのは、
きみのこえ。

とんと ....
猛禽となり、風を信じることだ
わがもの貌で空を行く獰猛な鳥も
{ルビ不確か=きまぐれ}な風を信じるから
自由だ

タンポポとなり、風を信じることだ
着地する場所は選べなくても
{ルビ不確 ....
君を書き終えて、結構な時間が経った。
君は今も、元気に笑っているだろうか?
それとも「なんでこんなにはやく終わらせたんだ」と、怒っているだろうか?

複数の方に言われた「短すぎる」の一言。
 ....
まだ見たことのない

果実に境界線を張り

流漂する異国の砂漠

三日月が蒼く涙する

空で暗雲が轟き裂けて

光速でかおるレモン
夜のネオンきらびやかな街の一画
あまりはやってなさそうなその店の
客引のにいちゃんに騙されたふりをした

「うちは見せるだけじゃないからさ」って

一番前に座って待った
クリスタルライト ....
あなたが大人買いした
その食玩達は
誰もが寝静まる真夜中
遠い国の鳴き砂に耳を澄ます


肺の奥まで吸い込んだ
着色顔料の青色は
どこまでも鮮やかで
いつまでも少女の心と身体を蝕む
 ....
(みえる?)
みえるよ
(きこえる?)
きこえるよ


空の色も 土の声も
自分の魂の熱いゆらぎも


氷の蕾だった五感が
白い星になって咲いた
「私」という宇宙は はじまった ....
風のための門を
行き来する影がみえる

波を越えて続く
その道を

懐かしさではなく
今日の温度で
息を 
わたしたちは潜めて 
東の空の彼方から 
春がやって来るのを 
待ち侘びていた 

夜明けに 
うすい紫の風が
わたしたちの 
頭の上を撫でながら 
通り抜けてゆくとき ....
珊瑚の咲く
あの海にも

揺らめく海藻の
森にも

ボクはいないよ

ボクは

暖かい
ここに
落ちてる。
{ルビ濁=にご}った泡水が浅く流れるどぶ川に
汚れたぼろぞうきんが一枚 
くしゃっと丸まったまま{ルビ棄=す}てられていた 

ある時は
春の日が射す暖かい路上を 
恋人に会いにゆく青年の ....
イタズラッコの春っぽの風っこが

ぴゅうと口笛を吹くように渡ると

空のほっぺたをっぽっと染めずに

かた物の茶色の樹々のさきっぽを

ほんのりももいろぴんくに大変身


 ....
あじみをさせて
みどりの小道
生れたばかりの若草のあじ
かなしくないあじ
やさしくないあじ
みずのあじ


あじみをさせて
ももいろ並木
やくめの終わった花びらのあじ
こわくない ....
わぁーといって駆けだした
川柳みたいなあめんぼう
鯨の巻き尺、眼鏡の噂
耳が無いから聞き逃す
踏んだり蹴ったり
ぼろぼろの
影絵を映して畏まる
いろはにほへとと
畏まる
三月三日のひ ....
戒律

日曜の教会の君の白い指若い和尚の無駄なき仕草



口移しそうっとくれたマシュマロは口に出してはいけない祈り



まっすぐな背中や胸を這い回る無意味な戒律汝犯せよ

 ....
ずっと前は黒電話

人指し指をひっかけて
ダイアルがもどる間に
会いたい人の
番号を呟いていた


プッシュフォン

短縮登録ができてから
電話番号を覚えなくなって
今は

 ....
私は、何処へ行くのだろう
やらなきゃならないならない
お墓に入ったからって終りゃしない
だからってその後は知らない
失礼だわねぇ
カラスの伝導師
あっちむいてほい
眼鏡をかけなおす
夕 ....
こけこっこーで、
お目覚めっぽ。
お天気晴れたら、
お散歩っぽ。

窓の向こうを、
ちょっこり覗けば、
お外はとっても、
ご機嫌っぽ。

おべんとおむ ....
ゆうらりと
ゆれてしまえばかげひとつ
かげとかげとがかさなって
もっとおおきなかげひとつ
もっとおおきく
もっとかぼそく
うたってしまえば 月 むざん
うたってしまえば 夜 むざん

 ....
夕暮れにはまだ早い

君は窓辺にもたれながら
溶けてゆく陽射しに
目を細めている

僕はこたつに入ったまま
足元でまるくなる
猫とつま先で会話をする

「オリンピックも終わった ....
逢いたやあなたと浜千鳥
緋と思しき爪折れは
叶わぬ侭の夢吹雪
いつかなりたや恋女房


待てど暮らせど来ぬ文を
遠い都と香り立ち
揺れる簪 手の鳴る方へ
棗に忍ぶ 恋は霞と


 ....
春は
思いがけない記憶を呼び覚ます

 フリージアの花びらが揺れていた
 恋に幼い心も揺れていた
 サヨナラの理由を
 頬伝った涙をさらう風のせいにして
 強がる笑顔で背中を見送った
 ....
いつまでも、それを手に入れたいと
弱々しい手で、僕らは汲む

井戸の底に微かに照らし出される
月の光の輪郭のようなものを

  楽しいといっては  ひとつ汲み
  愛しいといっては  ひ ....
川沿いの道を歩きながら 
澄んだせせらぎを聞いていると
傍らを
自動3輪車に乗ったお{ルビ爺=じい}さんが
口を開いたまま
骨と皮の手でハンドルを握り
いすに背を{ルビ凭=もた}れて傾きな ....
目の前に桜の老木が立っていた

土の下深くへと 
無数の根を張り巡らせ 

空へと伸びる
無数の枝を広げ 

( {ルビ薄曇=うすぐもり}の雲間から 白く光る日輪が覗いた

太い幹 ....
宿命でも運命でもなく
それはタンポポ

土手に降りそそぐ
季節の日差しに
僕は目覚める
旅立ちにはもってこいの日だ

風は南南東
ロウソク工場の煙から推測するに
風速は2メートル
 ....
銀猫さんのおすすめリスト(3217)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
______________________ロンド- ふるる自由詩9*06-3-6
エチカ- ふるる自由詩8*06-3-6
*ワールドアパート*- かおる自由詩10*06-3-6
自由な朝- 阿麻自由詩23*06-3-6
「_ねむのゆめ。_」- PULL.自由詩13*06-3-6
旅立つ日、君の背に投げる- たりぽん ...自由詩12*06-3-5
【やまだくんへ〜今もまだ笑っているのかい〜】- 仲本いす ...散文(批評 ...3*06-3-5
レモン青書- こしごえ自由詩16*06-3-5
ストリッパー- ベンジャ ...自由詩8*06-3-5
五つの星と少女の鳴き砂- 恋月 ぴ ...自由詩16*06-3-4
星ヒトツ咲ク- まほし自由詩11*06-3-4
かよいみち- たりぽん ...携帯写真+ ...1606-3-4
春はあけぼの- 落合朱美自由詩4006-3-3
ポケモン(タッツーにて)- 仲本いす ...自由詩206-3-3
ぼろぞうきんの春- 服部 剛自由詩18*06-3-3
*っぽ*- かおる自由詩13*06-3-3
あじみをさせて- ヤギ自由詩9*06-3-3
ひな祭り- あおば自由詩5*06-3-3
【短歌祭参加作品】キッチンではだめ・・・- ふるる短歌16+*06-3-3
会いたい人に電話する- ベンジャ ...自由詩6*06-3-3
鮮明喪失- こしごえ自由詩13*06-3-2
「_っぽ。_」- PULL.自由詩19*06-3-2
霊能者が書き留めた幽霊の聴こえない歌- 岡部淳太 ...自由詩8*06-3-1
まどろみ- ベンジャ ...自由詩3*06-3-1
新宿区「神楽坂」- 恋月 ぴ ...自由詩21*06-3-1
青い春- LEO自由詩9*06-2-28
僕らは海にまぎれて- たりぽん ...自由詩1306-2-28
玉手箱の中身- 服部 剛自由詩7*06-2-27
木の幹に浮かぶ人影- 服部 剛自由詩10*06-2-27
タンポポ、旅立つ日- たりぽん ...自由詩1306-2-26

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108