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誰も
さよならを言わない
誰も、何も、言わない





ジ、


ただ
重々しい青へ、空の、青へ
弾け散るように飛び立った蝉の
既にこげ ....
真夏に日車は、咲いている


雷鳴の空を裂く。
轟音で目を覚ます
一輪車に稲光りが青白く反射する
一瞬で葉陰の殻は黒焦げになり
焼けた臭いに鼻をひる
傘の骨はしろがね色で
{ルビ死灰 ....
*

切り傷から咲いた花が

たちあがる

*

地下鉄で
音が 途切れた

窓は
暗い地下室を

映す為にある。

イヤホンで振動するのは
微かな
電車の心音
 ....
藍色を少し混ぜる
空の端の盛り上がった場所に置く
それだけで一日は暮れていけるし
僕らもゆっくりと、眠ることが出来る

あの日、あの壁の落書き
木に刻んだあなたの名前
遠くへ行けるようで ....
幕をおろして 劇をはじめる
中枢神経に 花がさくとき
ほんのわずか きみの頬をそめる
熱量が欲しくて まいばん
星の軌道を めぐってくる
わたしたちの目の前で
落ちるブルー、ブルー、ブルー、





ブルー、ブルー、ブルー、
いちにちの、落ちる、朽ちる、空はやがて
静かに液化して海となり、闇となり
ざ…、 ....
ひとつの 荒野のおわりに
名前もしらない 月の花が
ほそながい 清潔な
首を さしだしていた
火を消して ねむった
遠方で
黄金の光に透ける
青い羽が
凝視されて
宙に静止している

円らな瞳は
充足感で独り笑み
素手で沈黙を刻みつつ

視界の底から
硬く冷たい足音が
つま先を
いつまでも ....
いつか 見たことのある
風景ばかりだ ひとは謙虚に歴史を
学ばなければならぬ はじめから
螺旋をたどるのは いくつ 
いのちが あっても足りぬ
らうあ らうあ
翳りの帆
道を泳ぐ道を読む


悲しさになると
消える悲しさ
空と水をつなぐ坂


そばだてた耳が唱になり
影を踏まない影の足もと
ほころびをひとつ ....
夕立は 末期の水
炎暑の臨終を見届け
遺された雲はようやくめいめいの空へと
散ってゆく

蒼ざめた弔問客に
もらわれてゆく
月のない暗い夜
目印にはシリウス
手を伸ばしたら
ねえ、誰か繋いでくれるかな


ひとりでね
生きていくんだって強がって
スカイライン 何処までだって行けるのに
水 ....
髪を 切った 襟足の ひみつ から

娘たちは 飛んで ゆくと いう

純朴な 神話が 解かれて いる

風祭を 孕んだ {ルビ帆用飛行艇=はんようひこうてい}の 陶酔は

 ....
ラストオーダーは君に。
と言いながら僕らに。
手の届かないあれやこれや、
ただ内に抱えながら歩く姿は美しいのかどうか。
僕の中で耳鳴るしかない言葉が、君には大声で聞こえているらしい。
それが ....
受信器をゆさぶる


星の名残
罅割れて
物言う石


ひどく間違えて
あなたの中に探した
有意信号


嘆き
ではないよ
轟き
深い軸

の息吹
 ....
蝕まれる日のいろをぼんやりと眺めてた
次の宇宙がうまれるまで
ぼくらはここに立たなくちゃならなかった

一度でもきみがさみしいを言っていたら
ぼくだってその腕をつかんで  ....
     ある日、
     (傘を忘れてしまった

     朝焼けに焦れた視線が
     日影の後ろ姿を おいかけていった
     風光は二度と再び帰ってこなかった

 ....
眠って育つ
オパールの空を割らないように

何で 出来ている

褐色の寝台で考えるこども達
指を燃やすキリトリ線の内は

何で 出来て いる

目を背けたい言葉の並びも
深層の海 ....
適度な勢いで放たれた ミニチュアのダンプカーが 長い走行の果ての夕方 陸の終わりを越える 一万年にもひけをとらない 長い長い減速がもたらされた きわめて水平な 乾燥地帯の終わりに 高い崖があり 崖下に .... 埃を拭いて
窓を開ける
三日月が夜を飛んでいる

夜についてる窓を開ける
少し欠けた宇宙が
ずっと故郷を目指している

その故郷の窓を開ける
木の下で誰かが
手を振っている

 ....
ナイフを立てると
進化がしたたる
造花の遺伝子は
傾斜した机の上を走りまわり
壁紙へと転写
バグありて
しばし悩む
第13惑星皇帝円舞曲
異端審判
アンモナイトの狂った曲線

ル ....
風に流れた手の残像に
小さな思い出が掴まれている
ちぐはぐなパズルを合わせるように
もがくそれを見送る
振り返ることすら出来ない
ここから手を伸ばす事も出来ない
届かない
飛び出した後は ....
京都には
たくさんの色がある
錦の糸、その数だけの

雨が降れば、石畳の
風が吹けば、竹林の
雪が降れば、杉山の
星が舞えば、祭囃子の

さらりと、するりと、
あたりまえの顔をして ....
 
 
水底に
動物園はあった
かつての
檻や
岩山を
そのままにして
いくつかの動物の名は
まだ読めたけれど
散り散りの記憶のように
意味を残してなかった
あなたは月に一度の ....
声は枯れ
いつだって月日は流れ

最大の星最小の闇
横顔はプラズマへと昇華し

いつまで石でいようか
いつまで渡りきったつもり

跡形もなくまるく研磨された石
するする滑って

 ....
グスターフは 静かに 時を 待って いた

湾口の 砂州は 彼の ふるさと で

きょうは どうしてか

鼓笛隊が 空を 横断 して ゆくよう だった





お ....
遠い山の向こうへと繋がる
七色の虹を
その人は背負っていた
重くないですか
と尋ねると
その人はすこし微笑んでから
紺色を私に手渡し
故郷の虹は六色でした
と寂しそうに呟いた

空 ....
なにかが しきりに
こぼれる
鈴のように
銀のように
ふるえる 天窓
映画を観た後
外は黒で暗く固められていて
妙に丸い機械の部品ばかり転がっていた

映画を観た後
キラキラとしたフィルムは頭を離れることなく
そのまま走馬灯に加えられた

映画を観た後
 ....
あなたが夕刻を告げると
わたしのお遊戯が
奇妙な形で切り落とされて
真っ暗になって
ぽた、ぽた、落下する
わたし
という無数の子供たち
の見上げる、灯り
に群が ....
塔野夏子さんの自由詩おすすめリスト(1057)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
滴る耳- A道化自由詩2507-8-22
天球へ- こしごえ自由詩20*07-8-15
地下鉄- 佐藤伊織自由詩2*07-8-15
ホーム- 霜天自由詩507-8-15
そろもん(恋煩いの話)- みつべえ自由詩707-8-13
落ちるブルー- A道化自由詩907-8-11
そろもん(テントの話)- みつべえ自由詩607-8-10
白夜を_(はくやを)- こしごえ自由詩8*07-8-9
そろもん(個体の話)_- みつべえ自由詩507-8-8
ノート(昼)- 木立 悟自由詩807-8-5
灰より蒼く- 吉岡孝次自由詩507-8-4
水銀- 有邑空玖自由詩3*07-8-4
ライトニン- モーヌ。自由詩22*07-8-3
耳鳴る- 霜天自由詩407-8-2
創書日和「星」_空電- 大村 浩 ...自由詩6*07-7-31
いつか世界の終わりで- アオゾラ ...自由詩12*07-7-28
(零雨の予感)- こしごえ自由詩9*07-7-28
- ICE自由詩407-7-21
衛星- 砧 和日自由詩4*07-7-15
- ロカニク ...自由詩907-7-13
造花- 大井圭自由詩307-7-13
記憶の残像_風の黎明- プル式自由詩3*07-7-13
くろのかたろぐ- たりぽん ...自由詩1307-7-12
動物園- たもつ自由詩2907-7-9
天の川- ロカニク ...自由詩5*07-7-7
空中の_地上の_ものたち- モーヌ。自由詩19*07-7-6
考察_〈野原にて〉- Tsu-Yo自由詩907-7-4
そろもん(啓示の話)- みつべえ自由詩607-7-1
映画- ロカニク ...自由詩607-6-30
ぽた、ぽた、する- A道化自由詩1407-6-26

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