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赤い花、咲いた。
燃え盛る炎のように
大切なものを消し去る、理不尽なその花。


思い出すのは真夜中
暗い海を見つめていた夏の終わり
灯台みたいに
僕たちを導く光なんて何処にもなか ....
青い硝子
浮かぶ絶望
夏の
向日葵
白い
白い光



僕が仰ぐ
黄色い花弁
風 揺れて
遠い記憶



鳥の
白い

千切れた
白い



 ....
白紙のような夜には

目を瞑れば金色の旋律が細い糸をゆったりと垂らして
      時を止めたようにさらさらと揺れているので(・・・落ちていく)虹色の部屋に
  ハンモックを掛けよう
天井を ....
コロイドを写し撮った

君は
クリアトーンが歪む世界で
情景美ばかりを歌う

コロイドを写し撮った
咲くコロイド、還っていく、コロイド

幾つも落ちていく{ルビ双子=そうし}の星
 ....
夜寝る前に読書していると 
開いた本のなかから 
うっすらと光を帯びた手があらわれ 
わたしに差し出されていた 

その手を握ると 
不思議な想いが心に流れ 
明日に怯えるわたしの影は  ....
ふりしきる雨
雨してしまう
雨の
冷たい
季節
星夜

さく{ルビ夜=や}




影もなく
灯る
灯台の夜が
流体にひそみ
その吐息にふれれば
はち切れて ....
少年ピエロがステージ終えて
一人夜道を歩いているよ
今日も上手く演じきった
問題なんて何もないのさ

商店街の裏道を抜ける
街灯の明かりさえ
闇に飲み込まれそうだ
道連れになってしまい ....
夜の雨の
斜線、斜線、斜線、





秋の真昼の真下
やわらかい一続きのわたしの輪郭は
ある一続きの輪郭の生きていることを
やわらかく深く知ってしまった、そして ....
郵便受けの中に
蝶々の形をした手紙が
ぎっしり
留められている

わたしは
ピンセットを遣って
ていねいに剥がし
掌に落としていったのだが

手紙は未だ
生きていたらしい
あと ....
あたたかな深い世界と
冷たく閉ざされた陸地の
あいだにおかれたからそれは
あなたに触れたときの私の肌
のように、あしもとでざわめく
むねのどこかで
小さなちいさな六分儀が
あやふやに極星 ....
              ―刺青


そこには船があって
ずっとずっと遠くで
何かを引きずりながら
航海を 続けている

そこには涙があって
ずっとずっと近くで ....
*
遠くでぼくらが病んでいる


十一月の夕暮れに
落とした財布は
世界の意味にすっかり濡れて
もう使い物にならない
ちょうど
開かれることのない
窓の高さで生きる
ぼくらのよう ....
わたしの中を
夜の明ける方へと飛ぶ
一羽の鳥がいる
同じころ
一羽の鳥の中を
どこまでも墜落する
わたしがいるのだ
その日最初の列車が
古い踏切を通過していく
建物の窓はひとつ
ま ....
月を落せると信じていたから、いつか触れようと誓い合う。


ゆっくりと近づいてくる景色を、
遠ざけようと、するために眠る。
いつからか儀式となった風景を、懐かしいと君が言った。
首をかしげ ....
くぐり抜けていく
いつも裸足だ
闇のそばでは

どうして自分だけは
かわらなくていい、などと
つぶやいていたのだろう

   ああ、それはちがうよ
   タングステン
   熱で溶 ....
明るい夜も、暗い夜も、それぞれに色々な夜があったけれど。


遠く回り道をするように。言葉が言葉からそれからを選んでいくように、一瞬だったものを、ふと、足を止めて拾い上げてみれば。もう、「それか ....
「最初で最後の、黙礼を交す」



いまはむかし
(この{ルビ宇宙=そら}もなかったころ)
それは無としかいいようのない、事象でした
そんな折に私は、
星占いをゆめゆめ零さぬようにと、 ....
識閾下の原罪の内部で成長を続けた粘性の原始海である
午後六時の迷路の中をひたすらに彷徨う球体の少女である
オリーヴの地平線の際で揺れている乾いた人のかたちである
ついさっき僕の目の前に現れた金属 ....
僕らは縄跳びをします
回数はとっくに僕らの歳を超えて
縄の外、日が暮れていきます
僕らは縄をなくし
それでも縄跳びは終わることなく
気がつけば僕らは形をなくしています
誰もが僕らのこと ....
アドリアの真珠
烏羽玉
饒舌な罪

無限階段
閉鎖
欺かれた空間

尾を咥えた蛇

厳かな闇
畏怖された光
美しい入り江

消し去られた物語


テ ....
街灯
夜が膨張する
単に1つの影

それ
(それは終了(停止)

この人は私のために到着する
そして静かになる

そして1つの/影―発生
私は行く
わたしたちの
夜の


「わたしたちは
 夜のアスファルトに
 アルコールの溜息から順に
 音も立てずに
 わたしたちを、落としている」



体中で受け取って故意に ....
渡し場で舟を待つ。
遠くから響く風に耳を遣ると
今しがた現れた
言葉がみんな消えてしまった。

残念なことだ、
水面の紋でさえ
こんなに早くは消えない。

渡し場に佇む。
風に運ば ....
しらないものが多すぎて
わたしたちはいつも
上手におぼれる

陽射しとは
なにを探し出すための
あかりだろう
こたえなどわかる筈もなく
求めるわけもなく
わたしたちはいつも
上 ....
わたしの眼は旅をする
わたしの心は部屋にとどまる
都市から原野までのあいだで
眼はあらゆるものを見て記憶し
それだけで帰ってくる
心は記憶を平面に読み
何ひとつ解釈しない
過去から未来ま ....
頭の上に
鳥が卵を落としていった
やがて卵は孵り
駅が産まれた
列車が到着しても
人のざわめきもない
さびしい駅だった
かすかに潮の香りのする
海沿いの駅だった
その重さで首 ....
月が消失点のようだ
描かれた風景は
オルゴール、オルゴォル
ピンの抜けたドラムの内側で
漏れる光を、星だと
僕たちはささやきあったね

モルモットの遊具のように
夜空をまわし
時計の ....
また会いましょう)


その黒髪の薫りは
つげの櫛に波立つ海原であった
その深海にひそむつめたさのかたちに
ささえられている波が
{ルビ風色=ふうしょく}の移行を生んでいた
静まったか ....
 いつの日も 青空は明るい
 紅茶に溶けた 角砂糖
 スプーンの渦が 止まる
 こんなに悲しいのは なぜだろう




 テーブルの光に カレンダーを描く
 ....
前頭葉の破損した
黄緑色の花
その雫に映る機械都市
無音で作動する化学工場
時計仕掛けの月明かりと点滅する電燈に
反射し黒光りしているコンクリートの河
立ち並ぶ病的に白い蛍光の列
点々と ....
塔野夏子さんの自由詩おすすめリスト(1057)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
彼岸花- 有邑空玖自由詩7*06-11-21
夏の遺書- 有邑空玖自由詩7*06-11-21
眠れない夜、虹色の小鳥- 結城 森 ...自由詩6*06-11-21
コロイドの花(imageといふもの)- かのこ自由詩306-11-21
「__手__」_- 服部 剛自由詩21*06-11-20
鮏_(さけ)- こしごえ自由詩19*06-11-20
少年ピエロⅡ- 青山スイ自由詩1806-11-18
斜線時間- A道化自由詩1206-11-18
未収- 吉田ぐん ...自由詩1006-11-17
波、とはもう呼ばない- たりぽん ...自由詩18*06-11-12
船と涙- 水在らあ ...自由詩30*06-11-7
木々の雨_他- 青色銀河 ...自由詩10*06-11-5
夜明け- たもつ自由詩2906-11-5
空が悲しくなると僕らはいつも- 霜天自由詩1006-11-4
でたらめな星の水族館- たりぽん ...自由詩17*06-11-4
高い空を泳ぐように飛んでいく鮎の夢を見る- 霜天自由詩506-11-2
星と礼- こしごえ自由詩20*06-11-2
目の前にあるものは- Utakata自由詩206-10-31
産声- たもつ自由詩1306-10-29
「認識」- 月焦狼自由詩5*06-10-27
- 言語破壊 ...自由詩306-10-27
ゆらゆらするなら- A道化自由詩706-10-23
渡し場- 下門鮎子自由詩10*06-10-22
八月のさかな- 千波 一 ...自由詩21*06-10-12
Non-sentimental_journey- 安部行人自由詩406-10-11
たそがれ駅十七時五分発- たもつ自由詩16*06-10-9
いちばん_遠い夜- たりぽん ...自由詩13*06-10-5
(変転する、)黒髪- こしごえ自由詩17*06-10-5
白いシャツの切れ端- カンチェ ...自由詩406-10-2
夜とレモン- 結城 森 ...自由詩5*06-9-30

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