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ひとりぼっち、の人は
ひとりぼっちの景色を

知っていて

遠くを静かにみつめている
たまに夜半の丘に立っては
叫んだり泣いたりしている

眠れば星雲の渦にまかれて
わからない ば ....
ゆうらりゆらら
舟はゆく
生死の境をさ迷いながら
白波立てて
舟はゆく

ゆうらりゆらら
舟はゆく
無限の時に慄きなから
さざ波立てて
舟はゆく

ゆうらりゆらら
舟はゆく
 ....
きりん座の長い首が見える
北回りの夜間飛行が点滅してる
月明かりに見える飛行機雲

夜を一つ下さいな
眠れないのです
本物の夜を売って下さいな

夜を一つ下さいな
夢の入場券を一 ....
青い夜は低温火傷をしたよ
星の光と瞳を撃ち合い
気持ちがほつれたら糸になって
永遠という文字をなぞりたい
内側に誰もいないとしても
輪っかを投げて電車を走らせる
無数の名前と言葉を乗せて
 ....
凍りながらかけてゆく
つま先の音が
まぶたの裏でひかっている
薄むらさきの血液が花を
さかせていた
降ってはかえる雪の
野は
斑にはるをくちずさみ
ついになった色から透けてゆく
した ....
ひらかれたまま
あつめていく
私に似たものを
私に似ていないものを
あつめて
もやして
ふたたび解き放つ
それらはすべて
私ではないもの
それでいて
私をかたちづくるもの
すでに ....
青空のリトマス紙は今日も赤く夕焼けてゆく。
実験結果をノートに記し、少年たちは帰路につく。
惑星は遊覧する
遊ぶ湖は波紋を広げる
目の星が言葉少なくなる
星の磁場が狂う
森の前に立ち尽くす
十階であると下を覗き込む
君の名前を読むことはない
石碑に歌の跡が残る
写真を撮る
 ....
 
 
木立ちを抜けていくのが
私たちの木立ち
だからすっかり抜けてしまうと
教室がある
先生は、と先生が言うと
先生は、と復唱する私たち
やがて始業のチャイムが鳴り
つまりそれは
 ....
 
 
とてもとても遠いところから
君の訃報が届いた
時刻表を確認することもなく
僕は一番最初にやってきた列車に乗る

いったいどれだけ乗り継げば
君の場所に行けるんだろう
君の生き ....
はじまりの海は遠浅で
かなしむことをまだ知らない透明なさかなたち
約束したはずの場所を
ゆききする微熱の波
遠い遠い夢の話

記憶をいくつも交差させて
分かれ道をまどう
ひとりあそび
 ....
書き損じた天気図の余白に
僕らは昨夜見た偽物の夢を書き続ける
筆圧があまりに強いものだから
明日見る予定の夢まで記してしまう

つけ放したラジオから聞こえる
ネジが酸化していく音
そ ....
ありふれたあなたの指先が
遅れてきた春先に触れている
今日も
曖昧な言葉で
あやふやな言葉で
愛は語られ続け
朽ち果てるのを待っている
同じものを見ていたはずなのに
あの時、あっ、 ....
心の湖に硝子瓶が一つ沈んでる。
もし本当にそうなら、なぜだか僕は幸せだ。
少女の頭の中に象が住んでいる。作文をしている時、句読点をどこに打ったらいいか、背後からそっと教えてくれる白い象だった。ある日、少女は工作の授業で作った押し花を、象にプレゼントすることにした。少女の差し .... 待ちわびた黎明だ
太陽でも月光でもなく
果てない夜を終わらせようと
吹き荒れた嵐の向こうに
生まれ落ちた黎明だ

君が
ふるえる玻璃の瞳に閉じ込めた
青い一迅のそよ風に
ひとつの嵐が ....
世界で一番
小さな空港からは
一番遠くまで飛ぶ
飛行機が出るという

帰りの便はない
行ったきりそれでおしまい

だから飛行機も
使い古されて廃棄するだけの
年老いた機体ばかり集め ....
ぜんぶ、紙吹雪になったらいいのに。
そう呟いた人から順に紙吹雪になっていく。
街は君の涙を無感動に見つめていた。
僕達の毎日は、いつまでたっても世界に届かなくて、
幸福な朝にだって白い孤独がち ....
指先から春になった、わたしは大好きな歌を口ずさみながら、
誰もいなくなった地球を歩いている。
夜なんてものが本当にあるとしたら、きっとこんな表情をしているんだろう。
つま先まで春になった、だけど ....
くらい 翼をひろげて
古い調べから とほく紡がれ
凍てついた 水を恋ふ
しづかな もの

ひとの姿を 失つた日
ひとの心を おそれた日
雪を待つ 地へと降り立ち
ひそや ....
宵の切りくち、触れて、きっとベルベット。本当の黒なんてどこにもなかった。なでた場所から裂けていく夜をかがり縫う。濃紺であり、薄墨の、暗いからよく見えない、黒ではない黒色。ひと刺しごとに指先へと重くのし .... ゆったり周りながら 土星が帰ってきて

きらきら揺れる 環が合図のように

ほら、そろそろ生まれ変わらなきゃと

僕の靴紐を 流れ星が引っ掛けて

解いていった

踏み外した先で
 ....
林檎くらいしかない
君に渡せるものといったら
それは詩でできていて
内側を列車が走っている
よく見れば車窓には
いつかの君と
いつかの誰か
そしてみんながカムパネルラだ
一人の夜に光を ....
午前二時 水溶星の アルタイル ガラスの海に
沈んでいく それを追いかけて 閉じていく私



教科書が雨降りの学校が 影が黒板に差して
私は鉄棒の下 花を胸に挿して
先生が絶望を黒板 ....
静けさという音が
降ってきて
{引用=それは
大人に盛られた
眠り薬}
影という影が
今という現実の
いたづらな写し絵になる


いつまでも暮れてゆかない夜があった
小さな公 ....
透明な何かがかすめた
それで十分
脳は甘く縺れる痛みの追い付けない衝撃に
砕かれ 失われ
死に物狂いで光を掴もうと
欠片たちは
凍結されることを望みながら
永久に解読不能
時間の延滞の ....
透明な羽が浮かんでいた

透きとおっているけれど
それは無いということではなくて

小さなシャボン玉は
虹を載せてゆくのりもの
パチンとはじければ
虹はふるさとへ還る

ふいに風
 ....
夜明けにだけ
列車の着く駅があるという
そこでは誰も降りないが
そこから誰か乗りこむという
言葉は置いてゆくという
言葉にはできないものを
探しにでかけるところだという
あたらしいものは ....
東の 海辺の桟橋からは見えない 孤島の白い砂浜
そこに蹲って少しだけ 泣いてみたことがある
二月の 私がまだ 一人のあたしだった頃
夢みるように

泣いてみたことがあるよ
という実話を念入 ....
意味のない涙が
また頬に道を作った

定点カメラで観測する貴方の庭は
わたしに季節を教えてくれる唯一のもので
若葉が鮮やかに揺れている
太陽に向かって咲く花は
目に沁みるほどに黄色い
 ....
塔野夏子さんの自由詩おすすめリスト(1057)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとりきり- 帆場蔵人自由詩17*20-3-7
孤舟(改訂)- ひだかた ...自由詩320-3-5
きりん座- 丘白月自由詩220-2-23
プラネタリウム- ミナト ...自由詩2*20-2-23
pinhole__fish- むぎのよ ...自由詩9*20-2-16
詞華集- 岡部淳太 ...自由詩8*20-2-9
リトマス紙- クーヘン自由詩3*20-2-8
惑星スイング・バイ- 這 いず ...自由詩520-1-25
教室- たもつ自由詩920-1-21
せかい- たもつ自由詩7*19-12-8
バースデイ- 橘あまね自由詩7+19-11-16
余白- たもつ自由詩1319-11-7
春先- たもつ自由詩619-10-24
硝子瓶- クーヘン自由詩8*19-8-13
別種- ねむのき自由詩519-8-12
黎明- 両性具有自由詩219-6-30
空港ピアノ- やまうち ...自由詩11*19-1-7
卒業式- 水宮うみ自由詩5*18-12-27
春の星- 水宮うみ自由詩5*18-12-14
初冬小曲- 石村自由詩21*18-12-13
夜をかがる- 青花みち自由詩4*18-10-24
土星回帰- 赤椿自由詩218-10-22
林檎売り- やまうち ...自由詩418-2-16
夏の夜の底- 由比良 ...自由詩317-9-1
きつねつき- そらの珊 ...自由詩18*17-6-12
スティグマティクス- ただのみ ...自由詩11*17-5-31
夏へ向かう羽- そらの珊 ...自由詩16*17-5-29
夜明駅- やまうち ...自由詩6*17-5-19
きっとキット- もっぷ自由詩417-5-16
箱庭- 卯月とわ ...自由詩317-5-5

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