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夕立は 末期の水
炎暑の臨終を見届け
遺された雲はようやくめいめいの空へと
散ってゆく
蒼ざめた弔問客に
もらわれてゆく
一度話してみるよ
僕にとっても
大事なことだし
彼にとっても
きっとそうだから
みんな
一人に戻ってしまうんだね
使い方も覚えた
ようやく
夏が乾き
昨日へと遡ってゆける余裕が生まれる
抱えたことのない問題によって
ひとは計られるとするならば
誰も 誰一人として
濃い青空や
水に濡れた感熱紙に
....
きみに
僕の、人生で最後の遅刻をプレゼントしたかったんだ。
いつも最前列で受講していた、その
小さなレンズ越しにきらめく冴えきった野心に。
その、危うい透度に。