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暗い夜の底に閉じこめられているみたい
そう云えば夢を見ていた
金色の光なんて何処にもなかった
君の名前は悪夢と云うの
爪先から秋になろうとしていた
金木犀が散る紫の夕暮れ
手を伸ば ....
月のない暗い夜
目印にはシリウス
手を伸ばしたら
ねえ、誰か繋いでくれるかな
ひとりでね
生きていくんだって強がって
スカイライン 何処までだって行けるのに
水 ....
「明日の時の長さは?」
風を切って走る
スカイラインの窓越しに見えた
雲の名前が思い出せない
春の終わり
もしくは
夏の始まり
駆け足で過ぎていく短い季節に
朝 ....
二月、
薄明るい空の向こうに
何があるのか、あたしは知らない。
人さし指に触れた白い骨は
堅くてさらさらと乾いていて
同じものがこの体の中に潜んでいるのだ、
と思うと、酷く ....
赤い花、咲いた。
燃え盛る炎のように
大切なものを消し去る、理不尽なその花。
思い出すのは真夜中
暗い海を見つめていた夏の終わり
灯台みたいに
僕たちを導く光なんて何処にもなか ....
青い硝子
浮かぶ絶望
夏の
向日葵
白い
白い光
僕が仰ぐ
黄色い花弁
風 揺れて
遠い記憶
鳥の
白い
骨
千切れた
白い
雲
....
あめ、いつからふってるの?
めをとじてあなたのこえをきいてると
じかんのかんかくがくるってく
すきなしょぱんのあのきょくが
とおくからきこえてくる
ぱぱがむかしおしえてくれた
いどのおは ....
あ の 夏 に
侵 食 さ れ て ゆ く 記 憶
風 化 出 来 な い
君 の 亡 霊
空を
携帯の画面で切り取る。
目蓋の裏に
きみの姿を思い描く。
会いたい、と
簡単な一言が云えなくて
切り取った空を送る。
デジタルな言葉は
正確に届くとは限ら ....
日々は
音に紛れてゆく
静寂さは救いにならない
蕾の綻ぶ音さえも
きみは哀しいと云うのだろう
指先からは空の遺伝子
過去は遠く、未来は果てしないのならば
揺らぎの ....
空が青いよ。
哀しいことも辛いことも
そんなのはきみのせいじゃない。
そんな小さいてのひらで、
護れるものなんて少ないでしょう?
傲慢じゃないかな。
誰かを救えるなんて、
本当に思ってい ....
寂しがり
嘘つきで
夕暮れにも泣いたりしない
強がって
爪先で
ねえ、
迷いくらい蹴飛ばしてよ
君の笑っているところが見たい
赤信号
一番星
黄昏の寂しさ
....
甘い水なら
枯れるまで美しく咲けるはず
僕の目や耳や口は
君のために存在して居る
沢山の嘘や誤解や疑惑が世界を蝕んだとしても
躊躇わずにまっすぐ歩いて居て
変わらぬ空が無い ....
もう何も視たくは無いのだ。
赭い花を手折りたいと思い、庭へ降りたは良いが
一面の花の群れにふと恐ろしく成ってしまう。
どれを選んでも
触れた途端に枯れてしまいそうだ。
其れを嗤って見 ....
蒼空と云う檻に閉じこめられて居る
手に触れるのは薔薇の棘や蔓草の葉
足下の土はひやりと冷たく
……いつから此処にこうして居るのだろう?
一切の物音がしない透明な檻の中で
....
夏の空は不必要に青過ぎて
まるで現実感がない。
蝉の不協和音も陽炎も
在り来たりの遠さでしかない。
立ち止まって振り向いても
君が居ないのと同じように
希薄。
印画紙に切り取 ....
あたしの町のあたしの川の向こうにはあたしだけの工場が在る。
其処は終日稼働式で、何時でも好きな時に好きなだけ眺める事が出来る。
くすんだ灰色の煙突は大した高さでも無いのに
チ カ チ ....
ちょうど何処まで行っても追いつけない陽炎のように
安寧の地はますます遠ざかるだけだ。
コノママデハイケナイ
でもあたしはまだ貴方を憶えて居る。
買い物籠の中にはチョコレート
とコ ....
いつだって、
手の届かないものを欲しがる、悪い癖。
あの光に過去を思い出そうとしても、
それは凡て幻です。
夏になれば、
夏になれば、
夏になれば、
夏に、ねえ、
....
「下らない、下らない」って 毎日を過ごしてる
26時 救急車が国道を行くよ
赤いシグナルは絶え間なく僕たちを{ルビ急=せ}かして
「真夜中へ、真夜中へ」って 止まらない速度で
土砂 ....
彼 の 夏 に
溺 れ ぬ や う に と 閉 ぢ た 空
無 人 で 回 る
廃 観 覧 車
時折、T字路に立った時に感じる小さな不安
右へ行きたいのか
左へ行きたいのか
そんな些細なことにまで戸惑ってしまう
臆病な自分
雨が
降り続いているので
踏み出すことの出来ないこ ....
白く光る雲が流れていく冬空。
夕暮れの橙色が水色と混じり合って、それは綺麗。
烏の群れが西の空へ向かって飛んでいきます。
帰る場所があるの、良いね。
冬の短い日が暮れるのは、何よりも寂しい ....