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それは、静かな石だから、(青い)のです。
きっと美しかったであろう、
きみの石。
一億年の沈黙が(きみ)を呼んでいたから、
石は、ゆっくりまわれ右をして、
きみのもとをはなれていった。
....
旧い友だちが訪ねてきた気がして
俺はうっかり夜の扉に手をかけた
友だちは俺を素通りして
何食わぬ顔をしてこう言った
やあ、初めまして気分はどうだい?
お前のおかげで、最悪さ
夜に意味を求め ....
くろい函に
颱風がつまっている
ガラス製の 記憶より小さな、
そのよるがふるえるのをわかると
これは宝ものなのかもしれないとおもう
血液の、くろい川の
....
沈黙する空の下で私は
光る
そよ風になぜられて
目をつむり
こころを見つめる
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
夜の 静けさを
味わうと
キリキリとしてくる
こころの芯の
悲しみよおやすみなさい
白と黒の雪景色の、
灰色の空の、
深く解けてゆく
一日一日の光静かに
春は近づく
....
私の
冴え返る
闇を
聴くと
光る魂
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
さよなら またね と
猫は言った
さよならから何年経ったろうか
光る風は吹いて
また会えた
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
白く切り取られた窓枠を
鋭角の冷たさで打ちつける
無数の横顔が
冬の静脈に溶け込んでゆく
*
血の色をした道標を
ひとつ、ひとつ
指で辿りながら
埋葬した言葉を
ひとつ、ひと ....
思う
思うことの
光と影が
この胸に添う
ひぐらしも歌う
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
永遠に一緒だよ
みんな
永遠にありがとうだよ
みんな
けれど さよならを言う
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
言葉の葬列は
言葉の魂を愛に返す
私は
葬列
の最後尾
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
夏の小径の
林の陰へ
鬼やんまが
すぅと消えていった
エメラルド色の目をして
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
時には
空っぽの 胸
ひとつたたずむ
けれど思い出せば
宙に星々が光り始める
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
どこに転んでもいい
生と死を思い
絶望を失ったから
涙の夜に
ほほ笑む
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
この大切な
悲しみ
無言に
ほどける
ほほ笑みの結晶
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
白と黒が交差する
その様子をただ眺めている
なにをするでもなく
なにを思うでもなく
ただここで眺めている
もうあと何日こうしていられるだろうか
このままでいい
そう思っているわけではない ....
銀河の岸で
小鬼の私
星の亡骸に
歌を歌う
「さようなら ありがとう」と
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
月光へ
進む
私の闇は闇か
闇に聞く私
答は闇のなか
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
雪の
結晶
ほほに解けて
太古の
涙
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
わたしの
いない
夏に
ひぐらしの
鳴く
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
いいも悪いも
これも運命
青空の青
森の深緑
欠けては満ちる月と私
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
さようなら
得たと思うと同時に失うのだから
幽霊の
腕時計の
針の音
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
忘れたら
新たに思う
生と死を
つなぐたましい
雨のしずけさ
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
どこへ行くの
ここ以外に
私のいない
未来で
おはよう
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
がじゅまるの
青々とした
葉の光
あらゆることが
こころの糧だ
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
わたしは ただ待つだけの時を
星に探し 森に尋ねた
ことばにも 求めたけれど
たましいが 足りない
精白された なぐさめとは違う
鈴玉や絵筆 ひと粒の宝石
形ある願いや 祈りとも違う
....
これは墓まで持って行く。
そういうひみつがひとつくらいあるのではなかろうか
わたしにはそれがある。
これは墓まで持って行く、と
目をつむり見つめる
ひみつを見つめたあとに
見あげた空は ....
水の惑星の縁に群れる雲は
答のない問いをささやき
そよ風といっしょに耳をなぜる
私は私の影なので
生き身は自然からのかりもの
魂は何とは言い切れない何かへとつながっている
雪国の
....
光に貫かれ
すべてが踊り出す
この八月、
白い波しぶきを浴びながら
旅人は麗らかな海辺の街をいく
静かに客人を待つ庭先には
石と薔薇、石と薔薇
石に刻み込まれた眼は
鬱屈を宿しなが ....
風は帰っていく
見えない世界へ
この世の熱を帯び
(孤独の歓喜に覚醒し)
極北の地に、極北の地に
すべてを担い
帰っていく
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