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誰かのせいであればよかったのにと
雨雲は思ったりするのだろうか
ちぎり捨ててしまったカレンダーのすきまに
見える青空は私ではないけれど
月が反射するものを遮るもの
もしくは雨粒が激しく歪 ....
夏を忘れたように
川面は揺れています
秋柿色に灼ける西のほうこうに
知っているそらはありません
路面電車を染める透明や
季節を渡っていく雲も
映す川面を揺らす風
みんな、私の知らない後ろ ....
夜汽車に揺られているということだ
どこかから離れて
どこかへ近づいていく
珈琲を飲み干しただけの私は
すでにさっきまでの場所にも居ない
どこにも居ないのに、ここにいる
誰かの居なくなったそ ....
そのひとが指した
暗闇に
また星座ができる
夜空の不確かさに
うなずきながら
長い髪が揺れると
それは五等星ぐらい
小さく笑うと
三等星ぐらい
月影を手に入れるために
なにもか ....
僕は切符を買うよ
いつもと同じ場所にむかう
日めくりをちぎるときに
忘れてしまうだろう、今日だから
僕は切符を買うよ
四十九枚の十円玉を投げ入れて
光るボタンで行ける場所
誰もが辿れ ....
そらを切り取る限界線
雲のはじまりとおわり
みえていることだけが
ほんとうのように
ほんとうのような青空
バックライトで透過され
綺麗なレースがひかれ
いくつもの鍵で守られ
夜に自 ....
鏡で色を盗むと
空は気圏のように薄らいでいく
ひかりだけで染められたセロファン
退色した虹がいろどる夜
沈黙ではない静かな
月光の耳鳴り
声は聞こえるものだろうか
それとも伝えるもの ....
海岸線のガードレールでもなく
尾根を越えていく高圧線でもない
届こうとするものは
いつも不完全で ただ
どこか、まで続いていく
アルシオネの円周でも
火星が結ぶ軌道でもない
繰り返す ....
真昼の星座のように
記憶の中で物語を紡ぐ
思い出せるだけの登場人物が
いつも同じ台詞
終幕はいつも引かれないまま
あきらめきったような時報で
私の視線は花壇に戻る
鬱金香、まっすぐだ ....
僕の暗がりに
三十四回目の月が生まれ変わる
前世も月だ、その前世も
それを証明するために
この手は螢石をみがく
やがて銀河の形の指輪を飾るために
暗がりの天蓋がひと巡りする
シリ ....
裸のまま
まぶしそうな仕草で
月明かりに浮かぶ
広場の青銅像の影が
焦点を化石の姿に結ぶとき
恐竜の骨、それが
今日のあなたの言葉
騙し絵は嘘もつかずにごまかしてきた
勘違 ....
浅い春だから
吐く息はわずかに白く
見上げてため息をつけば
ひとり六分の月
面影というにはまぶしすぎて
思い出というには遠すぎて
もう歌わないと決めたうたをつい口ずさむ
もう ....
弧を描く波打ち際で
世界の縫い目をたどる短い旅路
遠ざかる、境界を引き寄せ
空と海を縫う指先が左右に揺れる
「こっちだよ」または「バイバイ」
その境目のメトロノームが
いつかのあなた
....
誰か、などとごまかすのはよそう
あなたを、思うときの空だ
湿った雪雲が切れていく
灰色の向こうに広がる薄い青
きっと強く、遠くのあなたを想っている
灰色と青色が近いのは空のせいだ
....
知らない言葉を使っても
ちがうパズルのピースのようで
僕は完成しない
知っている言葉の羅列は
なくしたピースの裏側のようで
僕は完成しない
崩れかけた木製遊具のある
....
季節だけにではなく別れを告げるということ
窓のない部屋では聞こえないということ
言葉で削った窓のむこうは万華鏡じゃないということ
中途半端な闇の中
(匂いのしない風がテレ ....
北風が公園の遊具を
カラカラと転経するかのようで
あわてて耳をふさぐと
もう名前も忘れたあのひとが
私を呼んでいるのに
声は私を忘れて
名前はだれにも届かない
やっとちぎり取った ....
京都には
たくさんの色がある
錦の糸、その数だけの
雨が降れば、石畳の
風が吹けば、竹林の
雪が降れば、杉山の
星が舞えば、祭囃子の
さらりと、するりと、
あたりまえの顔をして ....
夜が季節の名前ならば
今夜は惜春
雷雨が迫る黒雲
まだらに明るい空を映して
海が水銀のように揺れる
指先の温度が融点の
あなたという液体
わたしという液体
いつまでも
満たさ ....
{注GEKKO=白黒写真印画紙「月光」}に浮かび上がる
曖昧な輝度信号
ほしおり はすぐそこに迫っていた
切り取られた夜空を
暗室の赤い光に積もらせ
あまりにも遠すぎて
おぼえきれない思い ....
走ることは
ほんのすこし
歩くより早いだけで
大地に触れる回数は
結局少なくなってしまう
走るということは
触れないということか
月はやっぱり見えなくなる
世界から消えようとす ....
旅程、 それは
気体としての体の呼び名
約束は山嶺のむこうで
鼓動が、 「遠く」と嘆く
あなたの住む町に
なごりを凍らせて
肌の温度で流れ出す
液体としての心
はるか、 はるか ....
眠りに落ちると
いつもそこは凍夜
誰にもじゃまされず
暗闇を独り占めする
外ではひどく激しい気流
雲で空に恨み言を描き付けて
あのころって、いつだ?
わたしたちって、 ....
私が眠っている 界の隙間で
空がどんなあくびをしているか
そんなことが知りたくて
目を覚ますと、忘れてしまう
後頭部に焼き付くような
落日のあの色を
惰眠のみやげにしようと
まぶたに ....
ゆうひは、みひつのこい
じゅんすいなものは、ざんこく
てらされる、すべて
まぶしいかげに、かくして
あたたかな深い世界と
冷たく閉ざされた陸地の
あいだにおかれたからそれは
あなたに触れたときの私の肌
のように、あしもとでざわめく
むねのどこかで
小さなちいさな六分儀が
あやふやに極星 ....
くぐり抜けていく
いつも裸足だ
闇のそばでは
どうして自分だけは
かわらなくていい、などと
つぶやいていたのだろう
ああ、それはちがうよ
タングステン
熱で溶 ....
月が消失点のようだ
描かれた風景は
オルゴール、オルゴォル
ピンの抜けたドラムの内側で
漏れる光を、星だと
僕たちはささやきあったね
モルモットの遊具のように
夜空をまわし
時計の ....
魚の名前や花の名前に似ているけど
それとは違う言葉
直線ではなく曲線にも似ていない
それでも閉じている言葉
数え切れないそれらを
生み出しては忘れ去り
墓標をたてては
思い出と気取っ ....
夏を飛び越えてゆく
あの雲を焼く
それは炎ではなく
蝉の声だったりするのだ
蝉よ焼き尽せ
雲を鳴き尽せ
塔野夏子さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト
(52)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
雲の隙間を再び照らしている
-
たりぽん ...
自由詩
1
15-6-11
鈴月はしらない
-
たりぽん ...
自由詩
6*
11-11-20
夜汽車
-
たりぽん ...
自由詩
4
09-5-7
なもなきほしと
-
たりぽん ...
自由詩
10
09-4-29
僕は切符を買うよ
-
たりぽん ...
自由詩
16*
09-2-26
ヨルノマドニ
-
たりぽん ...
自由詩
6+
09-1-7
ろうそくのための
-
たりぽん ...
自由詩
8
08-8-24
ツォルキン・ステップ
-
たりぽん ...
自由詩
20+*
08-5-6
あしたへの、かえりみち
-
たりぽん ...
自由詩
7
08-4-22
アポロ・シンドローム
-
たりぽん ...
自由詩
7
08-4-15
夜の散歩道
-
たりぽん ...
自由詩
6*
08-3-23
浅春、深呼吸
-
たりぽん ...
自由詩
9*
08-3-19
いつも波よせて、僕は
-
たりぽん ...
自由詩
8
08-2-23
もくれんのくも
-
たりぽん ...
自由詩
10*
08-2-12
パズル
-
たりぽん ...
自由詩
6*
08-1-5
僕に雨が降るということ
-
たりぽん ...
自由詩
16*
07-12-2
夏の望遠鏡
-
たりぽん ...
自由詩
11*
07-9-26
くろのかたろぐ
-
たりぽん ...
自由詩
13
07-7-12
メルティング・ポイント
-
たりぽん ...
自由詩
14*
07-5-19
ほしおりの、そのときに
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-2-28
それとも指輪の刻印で
-
たりぽん ...
自由詩
17*
07-2-21
旅程、もしくは別の呼び名で
-
たりぽん ...
自由詩
15*
06-12-10
凍夜
-
たりぽん ...
自由詩
15*
06-12-8
目覚まし時計を止めたまま
-
たりぽん ...
自由詩
16*
06-12-4
ぎゃく・こう
-
たりぽん ...
携帯写真+ ...
11*
06-11-17
波、とはもう呼ばない
-
たりぽん ...
自由詩
18*
06-11-12
でたらめな星の水族館
-
たりぽん ...
自由詩
17*
06-11-4
いちばん_遠い夜
-
たりぽん ...
自由詩
13*
06-10-5
大人になって、僕は
-
たりぽん ...
自由詩
18*
06-9-12
くもをやくなら
-
たりぽん ...
携帯写真+ ...
16
06-8-25
1
2
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