傘を忘れて墓参り
傘のありがたみが身に染みる

動物で傘を作ったのは人間だけだ
傘は家となり槍となり宇宙船になった
問題を克服したのは傘なのだ

傘を忘れて墓参り
ずぶ濡れが祈りに気合 ....
干潮のなかに私は立ち
潮のなかに流されてしまったものを
ひとつひとつ視ようと眼を凝らすが
衰えた視力で捉える事はできず
曖昧な記憶に縋って其れらを視ようとする

突然 消えて逝ってしまった ....
シュコン!

プルトップを引き上げた瞬間

白い泡が怒涛のように吹き出す

カンの冷たさが手に伝わる

急がば回れ!

急いては事を仕損じる!

善は急げ!

クールに ....
この時期は駐輪場が混む
夏休みだからかもしれない

見回して全部埋まっていて
別の駐輪場に行こうとしたら

人がやってきて
自転車を抜いていく

そんなちょっとした嬉しさに
よしと ....
海の上だけが居場所
心があるのは網が続くどこか
魚たちが網目をくぐって去っても
くぐる様子を波音に伝えて
それが繰り返し鳴っている
確かなこと
いなくなった魚たち
駄目ではない
そ ....
夏風の朝にチューニング
渦巻く想いを宙に散らし
サマーキャンプファイアー
波打ち際で燃やし尽くして

愛という名の灰に燻る滑床の夢

鮮烈な手触り残し宿るプネウマ 、

自らを諦める ....
蟻の行進またゐで歩く炎天

木に成りながら腐る実の形相

空中でキャッチ出来たかバッタを雀

今日も今日とてアラートな一日始まる
信号機の青 と、
群青色の空が重なって
眩暈に吊られてしまいそうになる

一日の仕事が終われば
世界の一日が始まる あさぎりの夏

また朝刊二軒分ほど残ってしまった
むろんわたしの ....
仕事場の
可愛いねえちゃんが
必ず
昼飯食べたあと
ハミガキをしていた

その
美しい
品のある横顔は
なんとも忘れがたくて
なんだか鮮明に覚えてる

僕は男だけど
ある日、 ....
蔓草の{ルビ畑=はた}の花木を絞めに絞め

夏受診診察までの四時間待ち

塀越しの貸家に白き{ルビ百日紅=さるすべり}

西瓜に塩かけるなといふ眼鏡女医
きびしい、
現実の靴底に、容赦なく踏みつぶされた、
その蝶の夢の、ぐちょぐちょが、
きみの蛹をかたちづくった、
ごくありふれた、
きわめて地味で地道な蛾が、
ごくありふれた、
日常の風景 ....
肉身の腐敗し
土にどろろ溶け
地に合一し果てる末
初めて宙に
噴き上がる血飛沫

祝福と反感の矢を浴び
見えないもの観え
引き延ばされた瞬間 、
感謝と恥辱の渦に巻き込まれ

こ ....
はだの色はいろいろ

かみの色はいろいろ

めの色はいろいろ

ふくの色もいろいろ

くつの色もいろいろ

ちの色は赤で皆同じ

仲良くできるよね
真夜中、夜の公衆便所
  消毒済の白磁の便器のなかで
    妊婦がひとり、溺れかけていた
      壁面の塗料は、鱗片状に浮き剥がれ
       そのひと剥がれ、ひと剥がれのもろ ....
髑髏山の蟻塚は
罪人たちの腐りかけた屍体である。

巣穴に手を入れると
蟻どもがずわずわと這い上がってきた。

たっぷりと味わうがいい。
わたしの肉体は余すところなく美味 ....
扉から漏れる光

次の扉を開けるのは怖い

本当に変化を望んでいるのだろうか
その変化は嬉しいものとは限らない

光はいいものだと思い込んでいる
生まれてからの日々しか知らない

 ....
やなことがいくつか続いた
なんだか逃げ出したくなる
逃げる勇気もないけど

今日が終われば違う明日が来る
それも違う気がする

今日は少しいいことがあった
なんだかやり切れた気がす ....
忘れる
悪いことも
いいことも忘れる
千年前のことも
忘れた

ああ 忘れた
けれど
忘れ去らないで
思い出すこともある
いのち

今は亡き美千代さんが生前
私の笑顔を
「 ....
○「昭和歌謡」
「私の愛する旦那様」
「骨まで愛して」
昭和は遠くになりけり

○「ああ!結婚」
今や小学生までが
「結婚は人生の墓場である」
と言っている

○「死の意識」
死 ....
燻んだ空の下
おもむろにしゃがみ込むオレンジ色の頭巾の少女
雨粒は少女の頭にあたっては弾け
そのまますべり落ちて地面へと砕ける

少女はうつむいたままなにもしゃべらず
ただ顔をくしゃくしゃ ....
人、一人
死んでも生きていても
響き続け在り続ける
終わることなき
宙の想い 只
この世でのその展開を
それぞれの個性に依って
普き光の大洋から
掴み取り追創造する
唯一の媒介項、僕 ....
 
 黒ずんだのこぎり屋根の原野を
 仲間からはぐれたネズミが
 逃げ走る

 ところどころ噴き上がる蒸気を
 蹴散らす西風
 ちぎれ雲がコーラルに染まって
 解体されないままの太い煙 ....
いつかは手に入れるだろうか
そこでほぼ一生過ごすって
どんな感じだろうか
帰っていく場所

My Home

未来はわからないのに
ローンで縛られること
どうして家ってこんなにも高い ....
娘はちゃっかり盗撮をする
後から送ってくるので
文句の言いようがない

でも今回は良いこともあった
仕舞っていたアルバムから
昔の家族写真をAIの動画にしていた

写真なら驚かないが、 ....
零は零れる
存在と存在のすきまから
消滅と生成のすきまから
音も立てず零れる

零という名で囲われた
自らの内の虚無へと
絶え間なく零れる

0    0   0
  0    0 ....
○「日めくりカレンダー」
僕は「今日は何日」ということが
わからないなってきている
やっぱり
日めくりカレンダーが必要かもしれない

○「学力低下」
昔の子どもたちは
寝るのを惜しんで ....
山本山、下から読んでも山本山。九歳年下の友人、山本君はとてもとても大食漢で、今日はそんな彼との映画鑑賞(映画を見る前、きっとヤツはコーラとポップコーンを絶対に注文するだろうなって思っていたら、案の定、 .... カーテンが朝の光を
すこし遮れないので
うす青い薄氷が部屋に入って

初めてのあの日を想い出す
なんだかその清らかさに
笑えて来たりして

夏の朝はそれでも
なに蝉か知らないけど
 ....
パパと手をつなぎ

道を歩く

私の小さな手が

パパの大きな手に

吸い込まれそう

パパのあたたかさが

パパの大きな愛が

私の中に吸い込まれる

あーあ、し ....
「あなたの物質の闇を吹き飛ばしなさい。そうすれば霊に出会うから。
あなたの霊の闇を吹き飛ばしなさい。そうすれば神に出会うから」。

                   ──サン・マルタン

 ....
花野誉さんのおすすめリスト(876)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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Your_Silent_Face(改訂)- ひだかた ...自由詩525-7-28
いろいろないろいろ- 多賀良ヒ ...自由詩325-7-28
蛞蝓。- 田中宏輔自由詩15*25-7-28
蟻。- 田中宏輔自由詩11*25-7-28
次の扉- 自由詩625-7-28
出口- 自画自計自由詩425-7-28
千年前のことも_忘れたけれど- こしごえ自由詩7*25-7-28
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果ての夏、夏の涯て- ひだかた ...自由詩925-7-27
冬鼠- リリー自由詩8*25-7-27
My_Home- 自由詩6*25-7-27
AIでタイムスリップ- けいこ自由詩5*25-7-27
零は零れる- 塔野夏子自由詩5*25-7-27
独り言7.27- zenyama太 ...自由詩2*25-7-27
山本山- 本田憲嵩自由詩925-7-27
夏の扉の香り- 秋葉竹自由詩225-7-26
パパの手- 多賀良ヒ ...自由詩325-7-26
休日の想い- ひだかた ...自由詩7*25-7-26

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