終末時計が進んでいく
気づかぬふりして笑ってる
灰を運ぶ雲が
もうすぐやって来る
神などいない
権力があるだけ
知らないうちに
飼い慣らされてる
目を覚ませ
何に金を注ぎ込ん ....
人は一人では生きられないと誰かが私に言った。全ての悩みは人間関係にあると昔に偉い人が言っていた。確かにそうなんだろう。でも私は分からない。理解できる筈なのに、それでも分からない。私は一人で居たい。冷た ....
花の時期を過ぎれば
気にも止めないでいた
児童公園の隅にある大きな藤棚
敷かれた石畳に
風雨で煤けたコンクリートの
ベンチが三脚
赤茶けて錆びた鉄の藤棚の下で
ち ....
おばあちゃんの亡骸
白布団に横たえられて
足裏滲み淀むオレンジ色の
ゆうらゆら 、ゆうらゆら
揺れ動くのを見入りながら
漆黒艷やかな毛並みの
金の眼をした愛猫、
いつの間にか居なくなるを ....
夏もようやく終わる
朝、玄関を出たときの風が
あきらかに変化している
とても爽やかな悲しさをまとっている
お昼ご飯にカレーを食べる回数も減り
昨夜家のまえでやった線香花火が
....
十日ぶりに髭を剃ろうと思う
再び、のっぺりとした顔が現れるのだが
秋のイネ科の、メヒシバが生い茂ったような
このむしゃくしゃ感が鬱陶しくなった
そもそも髭を剃る習慣はなく
部屋が散らかると片 ....
―――― 寝床にもぐりこんでくる寒さに
猫たちの寝息は、
安堵のぬくもり
朝霧の涼に
季節が書き留める
秋をあつめる
忘れ去られていた 彩を
想いだし
少しも変わらないは ....
吹きあげる風の中に
桐の梢は ざわめいて
生暖かい涙をこぼす
その下に立つと
はるかなるものへの憧憬と裏返り
抑えかねる寂しさ
赤い血汐をもっている
私が夜を恐れて
....
ネガティブに生きてみよ
自分は欠点だらけと思う
自分でそう言うならそうなのだろう
でももしかしたら
その欠点は他の人にはないものかも
自分だけの欠点だとしたら
....
神が本当にいるなら
私の病気を治してください
そう祈って何年か経った
神に甘えてはいけないのは分かるよ
ただ
形振り構わず
神に祈るほど
追い詰められた人も
この世界にはいる事 ....
灰が降る空
終末の鐘が鳴り響く
血飛沫みたいな
赤い虹
生き残ることの残酷さ
滅んだものに感情はない
虹の麓を探す
そこにきっと埋まっている
あなた
生きる苦悩
噛みし ....
自らの思考の外縁を廻り巡り
すっと入り込みつ中核へ至れば
自らの思考の力動そのものと化し
その勢いの正に鼓動打ち脈打ち
意識の明るみ耀き増して
私の脳髄後部に刻印される
思考力動そのも ....
君達は 残念ながら
その夜 落ちてきた星のことを 知らない
その星が 焼き落した
街に どんな花屋があって どんなパン屋があって
朝みたいに 明るく輝いた
影のことも 子供部屋 ....
初秋だ。
寒さに目を醒まされる朝が来る。裏戸を押して足下を見ると、枯れ草色の蝗が犬走に一疋かたまっている。ぼくも、一時、じっとなる。あ、ども——と言いたくなるほど、ちいさな沈黙が胚を抱いている。
....
夜、ベッドに入って
まぶたを閉じる
色をイメージする
漆黒では眠れないし
純白にはなれないし
暑くて寝苦しい夜は
涼し気な薄水色
悲しい ....
その笑い、
落ち込みも、熱い鉄のようにねじ曲げて、
生命力へと変容させる、
その奇天烈で、きわめて強力な磁場、
その者の内側から湧き出させる、その確かな認識と自信、
本当にこのままどこか遠く ....
詩の実力というのがそもそもよくわからないけど仮に詩の実力
というのがあれば年齢なんて関係ないのにジェネレーション間
の亀裂をいうやつは、たぶん実力もたいしてないのに承認欲求
だけはあって、創 ....
今の生き方を否定したら
死ぬしかないかもしれない
それでも今の生き方が嫌なら
自分が変わるしかない
どうやって
今までについた癖
消すのはムズい
取り柄が見つからない
良いところを ....
利き手で「好き」を
書いてるうちは
まだ憧れの時
利き手を使えず
左手に持ち替えた頃合い
恋はその辺りにいる
恋を隠してること知ってほしくって
まばたきを忘れてる
....
暮景の湖で音もなく
どこまでも拡がる雨の輪が
いく重にも折り重なった所に
游いでいく女の亡骸
小舟を出して眺めていると
辺りは何も見えず
静かすぎる
奇妙に笑いを ....
入り江にて
大阪から車を走らせ、片道三時間。途中のサービスエリアでスマホを確認すると、通知に追われる日常がそこにあった。
やがて夜が明け、寂れた港町を抜けると、道は雑木林と露出した山肌に ....
朝の妄想
もしかしたら
私は前世を忘れた
死に戻りを
繰り返しているのか
なんたって
『そしたら帰るわ』と云って
部屋を出て行って
車に乗って1分ほど走って気がついた
iPadを置き忘れていることに
部屋まで取りに帰り
寝てる彼女の顔をみて
寝てるんだろう ....
{引用=○備忘のことⅰ(倫理)
許すことのできる人は
許される熱をもつ人
それはまるで
書く術を知る人が
熟読を心得ているかのよう
○備忘のことⅱ(微熱にて)
上顎が痛痒 ....
飽きるまで 今日こそパパは お客さん
小窓に微笑う テラコッタ鉢
日めくりを 一枚飛ばしで 破りけり
呆れ顔する 秋の袖口
道草の すすきを「お米」と 呼びながら
花瓶に挿し ....
情けは人の為ならず
と
自分に言い聞かせる
夏の終り
秋の始まり
・
情け無い私は
自分なりに
がんばっているのですが、
今日は深く
青空は沈黙している
・
空 ....
斜光が懐かしく街並みに射し込む頃
橙の色彩のビルの白壁に拡がり
黒い影と対照をなしながら
柔らか燃える果実の如く
濃くなる空の青から浮き上がる
街並み今や濃紺と燃え立つ橙に染め抜かれ
....
空がゆっくりと落ちてきて夜になると闇が呼びか
けるように地の底から光の洪水が押し寄せる。そ
の光の海と、路上のダンボールハウスの浸透圧が
重なる時刻、一艘の小舟が歌舞伎町のJRガード
下を流れ ....
苦しい、こころが
苦しい時もある
でもその一方で、
こころが喜びで満たされて
幸せな時もある 私は
幸運だ と。
体が健康なところが
恵まれているのだと自分のこころを
なぐさめる時があ ....
短気は損気
急がば回れ
と
自戒する私の
空はどこまでも深い
・
苦しい
こころ
を
よく味わう
生(せい)
・
※ 五行歌とは、五行で書く 詩歌のことです。
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