すべてのおすすめ
日陰のパズルピース拾いながら歩く
最期まで指差し確認しながら人は逝くのだろうか
熟柿盛大に道の真ん中で潰れてゐる
夏蝶の残像ちらちらす
空き地点点としてゐていつまでも空き地
枯葉が駆けてゐるだけの炎天
夏に取り残されてゐる擂り鉢の中
まめな母の日記帳残される
猛暑日と云えども吹き抜ける風に微かな秋の冷
同じ木になる二つの実仲良く腐ってをり
この袋離れてどこかへ行きたし、こう暑いと
格好の良い松の木青空に映えている、空き家の
通帳の印 ....
ラジオからの平和宣言蝉と聞き入る
蟻の行進またゐで歩く炎天
木に成りながら腐る実の形相
空中でキャッチ出来たかバッタを雀
今日も今日とてアラートな一日始まる
最後の贈り物 扇子の意味をかみしめる
夜の窓口に並ぶ漆黒
手にした切符にかちかちと空が開く
駅前のロータリーで星を齧った
もう飽きたな