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ポケットの中の
小さな祭壇に
頭を垂れる人々
画面の光が
夜の神となる
瓦礫の上に立ち
再び家を崩しながら
誰も泣かず
誰も問わず
崩れる音に拍手を送る
腐臭を嗅ぎながら
....
耳障りのいい詩が嫌いだ
愛を唄った詩が嫌いだ
弱者のための詩が嫌いだ
流行りの詩が嫌いだ
公共の電波に乗る詩が
街中で耳に飛び込んでくる詩が
有象無象が口ずさむ ....
人と人が争う
愚かな存在
人と人が助けある
尊き存在
棘のある言葉で
刺し合う悲しき存在
思いありある言葉で
励まし合うやさしき存在
悲しい時に涙しか流せない
哀れな ....
もぐらだったのです
そんな僕は暗中模索の中で
鶏になろうと頑張ってました
でもやっぱなかなかなれない
鶏への道は長かったのです
ところが
鶏になるつもり ....
窮屈な螺旋階段でぽつり
勘違いなバナナ
だけどそれで良かった
回り回り
ここに花の種
だって彼はそれで天国に逝ったから
君にできるかね
花開く日の ....
残るのはからっぽの部屋と、開かれた扉だけが、正しい それでもいま、ここに 破水したのは 空のほうだった みっつ折りのまま 寝返りを打つ 網のあいだで、骨が増え うしろむきにあったような 子宮の ....
うす紅のキンギョソウ一輪 その
散る音に目を覚まし、沈黙は山の見つめるとき
神宿る七月の森は、こな雪
里の稲穂は葉の鋭さを増し、生きる 道しるべ
石の鳥居をくぐれば 我をわ ....
物語りはエンドレスのように
季節は音もなく日々を刻んでいた
地表には取り憑かれたように草たちは伸び
虫はそれに寄り添うように紡いでいる
夏は蝉の音と虫の音が混錬し
熱波が地表を包んでいた ....
○「和」
和という精神が
日本人には
遺伝子のように
組み込まれているようだ
これがややもすると
「みんなに好かれたい」
「誰からも嫌われたくない」
という夢願望に変わるときがある
....
東の窓辺で目を覚ます
ゼラニューム
もどり梅雨の雨声が
耳にしたしく寄ってくる
麦芽のような珈琲の香りと
かるくトーストしたクロワッサン
昨日の埃とまざりあった
私自 ....
見えていないものがあると
判断が狂う
実に、何も見えていないのである
天才と狂人は紙一重という
今は、天才とバカは紙一重という
僕にモザイクが入ったのだ
そういうわけで
....
茶色いカモが泳いでいる
滑るように
鳥は水面を羽で打つ
愛の鳥は優しくて
惚れてしまいそう
半分に千切ったみみずを
ヒナに与える
鳥はせっせと子育てだ
ここでも永遠愛が
始まったんだ ....
レコードにハッカ油を垂らす
聴いたこともない政治の季節がやってくる
夏はここから始まって
そこかしこに収束する
香るハッカは
それを中和させる
一つの方法に過ぎない
そして
そして ....
わたしについて
詩における一人称
または一人称に対しての考察
人類最初の一人称は
叫びだったように思うのです
誰に対して
わたしを放ったのでしょう
それは夜であり
的であり
であるな ....
川の下流の
濁った溜まりに
ひとりの男が浮かんでいた
藻の髪をひろげ
陽の光をまだらに浴び
子どもらは棒でつつき
逃げて
また近づく
「またや またや……」
老婆が畦道で呟く ....
ジリジリジリジリ
おにきす
ヒリヒリヒリヒリ
涙
白波の果ての
ギリギリ
息が出来る
愛しい
青と透明のチューブ
青と透明の割合は
43:57
それでも
透明が
それ ....
ずっと考えてしまうなんて
まるで好きな人みたいじゃないか
思いの重さは一緒
やめよう
好きじゃない人のことを
あれこれ考えるのは
そう思っても
気づけばまた考えている
考えるな
....
○「勝てない」
天気には勝てない
人間が合わせるしかない
年には勝てない
これも人間が合わせるしかない
恐妻には勝てない
弱夫が合わせるしかない
○「矛盾」
矛盾には
言葉の矛盾 ....
涙だけ
こらえていれば
心など
無視していてもいい
あまりにも
深い
深い深いこころの奥にある剣を
ぎゅっ!
と握ってみたくなる
夕闇の家路
そしてあしたも朝になれ ....
華が人知れず馨る夜
星と風が生まれて、通り過ぎる。
星がいつも見つめているのは、
長く続いてる一本の道で
風がまだ心に抱いているのは、
雨の降りやんだばかりの道だ。
風の声と、 ....
昔の偉い人たちがあるべき姿
幸福について伝えてきたけど
見てごらん今の世の中を
戦争や犯罪
野心や欲望にいまだ満ちてる
知ってて知らないふりばかり
正しさってそんなに辛くて ....
玉を磨き続けた
さとりを得るために
心の中では信じ切れてはいなかった
いつかさとれると
しかし修業は嫌でも厳しい
かなりの難関の
障害を
クリアしてきた
いま目の前は晴れ
杞憂もなく ....
昨日思わなかったっけ?
あの人が好きだと
何千回も思った
涙があふれてくる
好きな気持ちで大人になれる
好きな仕事で大人になれる
時の流れがゆっくりになってきている
心に余裕が生まれ ....
○「愛すること」
愛することも
学ばないと
愛することが
できない
憎むことも
学ばないと
憎むことが
できないように
自殺なんてね、する必要ないと思うよと医者の笑う
する必要があった人を考えるのが貴様の仕事だろう
実は動機も割れているのである、えぇ、君が殴った
医者当人もご存知なのである、えぇ、僕が ....
トゲトゲが無くなるまで
話しかけよう
生きているから
いつか通じると信じて
サボテン
そばにいると癒される
トゲトゲだらけなのに
少しも嫌じゃない
サボテン
少しくらいサボろ ....
透けていくからだの
根っこのどこかで
何かが心を穿つ
目の前はかすむのです
小さな水槽の水草をちぎって
置き石の陰で横たわり
フロートガラスの壁に立ち上る
気泡をゆっ ....
お釈迦様
あなたの苦行の闘いは
必要でありました
瞑想巡らし
般若波羅蜜多を身につけられ
阿耨多羅三藐三菩提に至られた
すべての頂点に立つ人よ
あなたの入滅後
千年を過ぎ
末法の世に ....
○「生きている」
生きている
生きている
みんなみな
生きている
父母も祖父母も
恩師も友達も
叔父叔母も
近所の人たちも
みんなみな
生きている
僕の心の中で
思い出とともに ....
彼は、思う。
「俺は、生まれるべきではなかった」
と。
彼は、思う。
「俺は、被害者だ。大人になれないままの、未成熟者だ」
と。
俺は、思う。
「この男を責められる男が、どこにいよう」
....
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