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花の時期を過ぎれば
気にも止めないでいた
児童公園の隅にある大きな藤棚
敷かれた石畳に
風雨で煤けたコンクリートの
ベンチが三脚
赤茶けて錆びた鉄の藤棚の下で
ち ....
灰が降る空
終末の鐘が鳴り響く
血飛沫みたいな
赤い虹
生き残ることの残酷さ
滅んだものに感情はない
虹の麓を探す
そこにきっと埋まっている
あなた
生きる苦悩
噛みし ....
君達は 残念ながら
その夜 落ちてきた星のことを 知らない
その星が 焼き落した
街に どんな花屋があって どんなパン屋があって
朝みたいに 明るく輝いた
影のことも 子供部屋 ....
街を歩いていたら
「外国人いらね、外国人出てけ」
と言われたというのだ
マジ出島
僕、そんなこと言わない
チャカが出てきてしまう
かもしれないからだ
チャイニーズマフィアは
....
病院に行って思う
病人ばかりだと
そうでしょう、そうでしょう
そういうところだから
いうて十代からですよ
こんなことがあろうか
ここは天国なんだからと
外国人の言う
え ....
その笑い、
落ち込みも、熱い鉄のようにねじ曲げて、
生命力へと変容させる、
その奇天烈で、きわめて強力な磁場、
その者の内側から湧き出させる、その確かな認識と自信、
本当にこのままどこか遠く ....
今の生き方を否定したら
死ぬしかないかもしれない
それでも今の生き方が嫌なら
自分が変わるしかない
どうやって
今までについた癖
消すのはムズい
取り柄が見つからない
良いところを ....
利き手で「好き」を
書いてるうちは
まだ憧れの時
利き手を使えず
左手に持ち替えた頃合い
恋はその辺りにいる
恋を隠してること知ってほしくって
まばたきを忘れてる
....
{引用=○備忘のことⅰ(倫理)
許すことのできる人は
許される熱をもつ人
それはまるで
書く術を知る人が
熟読を心得ているかのよう
○備忘のことⅱ(微熱にて)
上顎が痛痒 ....
落葉樹が曲がる先に
交番の波形
あなたがわたしの内緒を見た時
らっきょうみたいだ、と言ったので
その口の形から
漏れてくる一粒の光があった
すみそにあん
聞こえますか
敷き詰め ....
情けは人の為ならず
と
自分に言い聞かせる
夏の終り
秋の始まり
・
情け無い私は
自分なりに
がんばっているのですが、
今日は深く
青空は沈黙している
・
空 ....
ようやく神様がやって来た
この星に
この手に
だから僕はまず
もう出勤をしなくてもいいんだと
本当に安堵した
カーテンを開けると
街のビルのど真ん中に大きな
神様が立っていて
おはよ ....
最初から あなたも 同じだったのに
思い違いをした 私が悪いんです
申し訳ございません 余計な期待をして
きっと 分かってくれると 勝手に
あなたの脳内に 誰がいても
私には 関係ござい ....
空がゆっくりと落ちてきて夜になると闇が呼びか
けるように地の底から光の洪水が押し寄せる。そ
の光の海と、路上のダンボールハウスの浸透圧が
重なる時刻、一艘の小舟が歌舞伎町のJRガード
下を流れ ....
紅い花のトーチライト
レイたちが泪を見失わないように
導くような毅然さと
燃え上がる儚さと
叶わなかった夢のレクイエム
薫りはあらずして
ひたむきに一斉に咲く
あれは冥府の王が憐れに想 ....
前世では一つの魂が現世で二つに分かれた「魂の片割れ」のスピリチュアルな
この世にたった一人しかいない運命の人、出会うと磁石のように強烈に惹かれ合い
お互いを深く理解しあえる怪しい詩だよとツインレイ ....
環境保護とか
ヴィーガンとか
トランスジェンダーとか
みんな
行場を失った
スターリニスト
でなきゃ
精神病患者だ
精神病患者の考えを
尊重しなくてはならない
なんて世 ....
ため息の一つもこぼす
残暑が根を張る
帰り道
会社の敷地の植込みで
目を和ませてくれる
萩の花風
たくさんの
紅紫の小さな蝶たちが
(おつかれさまね) と
や ....
救急車が先を急いでいる
どこかで誰かが死んだ
それは自分には無関係
そうかも知れないけれど
自分が救急車で運ばれても
どこかで野垂れ死んでも
他人には無関係
関係ないから笑ってる ....
わたしのこころ
たったひとつ
わたしのものだ
映る外界に
真理を見よ
わたしのこころ
置きものではない
わたしを離れない
言葉と行動は
こころに
眺められる
蛇のように脱 ....
自販機の前に立ち 今日を終える合図を押す
逃げ切った気分で喉の奥へ流し込む
心の行き場を探して終電車に揺られていく
斜めな夢に落ちる人
今夜を終えれずはしゃぐ声
帰る場所はあるの ....
詩人が死を司る死神の恩寵を受けた人たちならば、
詩のサイトのみんなには申し訳ないけど、裏切り者と
罵られても私は詩人にはなれないのだろう。
詩人ではなくありきたりの毎日を生きている成人は
....
ほおづえをついたら
消えるくらい細い 月だね
知らないあいだに
こおろぎが まぎれ込んでたから
窓をあけて 夜に帰したよ
りーん あちらから
りーん こちらから
遠くても 呼びあ ....
それにしても
いい詩がたくさん
こさえられては
わすれられていくなあ
いい詩っていうのは
よんだらなんだからふわっとして
金木犀みたいな香りがする
知ってる
知ってるよ俺にはそ ....
空には羊雲
空の底には私
私のほほにそよ風
そよ風に
無限の光
思い出して
あのまなざし
まなざし深く静か
遠く
遠くて近い
魂
あのまなざしの魂
まなざしの魂と
近くて遠い ....
夕風に舞ってくる
モンシロチョウの薄黄色
一雨ぬれた秋草に
もう 雲間から
淡いの光が差している
こおろぎたちの戯れる
エクスタシーにポツンと一人
置き去られ
三 ....
厳しい、
木枯らしに容赦なく吹きつけられて、
まるでうす汚れたページのように捲れあがる、
そのひとつひとつの、
とても白かった羽毛、
無残にもちぎれてしまった、
白い夢のつばさが、
その ....
{引用=「少年のころ」
少年のころ道草をよく くって帰ったものだ
冷凍食品工場があった
友達のおかあさんが勤めていた
意味もなくいやで まわり道した
子供らしい体温で
大人のに ....
いつから家は家だったのだろう?
(チャイナ・ミエヴィル『クラーケン』下巻・第五部・59、日暮雅通訳)
ドアってやつはいつドアでなくなる?
(ジョン・スラデック『時空とびゲーム』越智道雄訳)
....
道路工事で
職場前の道は渋滞
ブラインド越し見える作業員の人たち
若い人が一人もいない
砂塵と高湿度の靄の中
上下するヘルメット
ドア一枚隔てたこちら側は
....
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