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いつまでも
想い出にならない夏

痛くもなく
ただ痺れていただけの夏


ぽとり


昨日の端から
呆気なく零れ落ちたわたしは
黒い服を着せられ

どこかが
痛いような顔 ....
角度に実直に
ながれる水
起伏に忠実に
うねる水
感情に従順に
あふれる水
代謝に一途に
したたる水

速さを競って
にごる水
優しさに慣れて
とどこおる水
正しさを嫌っ ....
ときどき船になる

ただ流されるだけの
木の葉ではなくて

川を下る船になる

くぐった橋を数えるだけの
泡ぶくではなくて

時を忘れた船になる

舳先にとまったユリカモメ ....
お花畑が好きな
あなたに出会うまでは

あちら側なんて
存在しないと思っていた

お花畑が好きな
あなたに出会ってからは

あちら側を
薄っすら信じるのも悪くないと思っている
 ....
わだかまりを引き摺ったまま
辿り着いた朝

とびっきり苦いコーヒーで
昨日を飲み下す

垣間見る液晶は
物価高とゴシップと
ヒトやモノが傷ついた話ばかり

息が詰まるような気が ....
句読点のように
あなたは
暮らしの中に
花を飾る

音符のように
あなたは
暮らしの中に
言葉を並べる

本の頁を捲るように
あなたは
暮らしの中に
楽しみを見つける

 ....
なにやら
胸の奥が粟立って
仕方がないから
五月を
描こうと思った

ところが
緑の絵具を切らしていて
仕方がないから
青と黄の
絵具を混ぜてみたが

五月にはほど遠い

 ....
咲いて
散る

それしか
人は見ていない

散って
生きる

そのことを
人は見ていない

愛でて
酔って
呆けて
憐れんだら

人は春を忘れて

葉桜の下を ....
昨日は近く
今日は遠い
明日はその中間くらい

夏は遠く
秋は近い
春はよく分からなくて
冬は一周回って背中に
張りついている

夕は近く
朝は遠い
昼はいつも手探りで
 ....
今の風は何色だった?

耳のうしろで
あなたの声が聞こえた気がして
振り返ると
早咲きの桜が咲っていた

雲って風の言葉なんだっけ?

そんな気障を
言ったつもりはないと笑いな ....
お知らせします

本日開催予定の
「自分を憐れむ会」は
中止となりました

皆様におかれましては
各々の憂鬱を隠し持ちつつ
しなだれた目線を上げて
花の下で存分に呆けましょう
 ....
冬の窓辺に立つ

枯木立の間から
キラキラ笑いながら
転がり出てくる子供達

寒そうな雲間を
名前も知らない鳥が
矢印になって渡っていく

冬の窓辺に立つ

だぶだぶの
 ....
洗貝新さんの夏井椋也さんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
想い出にならない夏- 夏井椋也自由詩15*25-7-5
- 夏井椋也自由詩13*25-6-7
船になる- 夏井椋也自由詩15*25-5-31
あちら側- 夏井椋也自由詩16*25-5-24
スランプ- 夏井椋也自由詩15*25-5-17
あなた- 夏井椋也自由詩14*25-5-10
五月- 夏井椋也自由詩15*25-5-3
サクラチル- 夏井椋也自由詩9*25-4-11
距離- 夏井椋也自由詩11*25-4-2
風について- 夏井椋也自由詩8*25-3-9
お知らせ- 夏井椋也自由詩11*25-3-5
冬の窓辺- 夏井椋也自由詩11*25-1-31

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