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小学生時、
休み時間の校庭で
クラスメート達と遊んでいる最中
ふと空を見上げ
僕は目撃した、
覆い尽くしていた黒雲が割れ
垣間見えた空の青が裂け
一条の燃え響く光の帯
校庭で遊ぶ生 ....
僕らは否定される
友人に 隣人に 名も知らぬ誰かに
僕らは否定される
親に 師に 君に 貴方に
「うつくしくなれないおまえは所詮蛾なのだ」と
僕は一度たりとも蝶になりたいと云っただろうか ....
だまされても
裏切られても
失恋しても
泣けないのに
同情されると
泣けてしまう
私は来年の初夏の青空の下
この身体を保ち続けているだろうか
貴方と買い物をしたり 食事をしたり
笑いあったり ふざけあったり
本当は野良猫も 飼い猫も 動物はみな嫌いなのだ
アレルギー ....
長坂の
途を巻いて
舞い降りた天使は、
寄せ波引き波に気を合わせ
光の響きを七色の虹に変えて
足早に石灰岩の舞台に水を打ち
消え逝く人々の祈りを聴き取る。
独り独りの限界と可能性、 ....
冷たい灌木の素足を芝草が覆う
うぶ毛のようなスギナの森
露に閉じ込められて朝の光が震えていた
「友よ お飲みなさい
こっちは先に頂いています もうすっかり
辺り一面へ溶けだして ほら太陽 ....
街道をふらふら歩き進み歩道沿い、
赤い赤い花の群れ渦
の中に
黒い革靴一つ、落ちている
右片方だけ 色褪せ 皺の寄り
黒い革靴、落ちて在る。
存在の大海原に
今日も冷雨は降り続け
....
寂しいなんてもんじゃない
悲しい苦しいってそれは嘘だ
横断歩道の歩行者信号がいつまで経っても赤いままみたいなやつ
突っ切るどころかまわり道もできないみたいなやつ
酒の良さはわからないし、わ ....
心は無防備な壁のように
何も言わずに建っているけれど
音も立てぬまま剥がれてゆくのは
真っ直ぐだった僕の懐かしい声
ずっと一人で戦って来たんだ
ずっと一人で隠して来たんだ
....
割れ目が口を開く
唸りを上げて滴り
蕩けるキャンディー
眉間に皺寄せ叫び悶え
微細な重層亀裂ノイズ
脳髄に充満し滑走し始める
破滅に向かう忘却のグルーヴ
発情する爆発する幻想のケダモノ ....
旅立ちの帆が昇り
出発の銅鑼が鳴る
水杯きを傾けた朝
友と
一言を交わし
指を握り合った
私の行く先は誰も知らず
遠く
遠く
銅鑼の音だけが響いた
千里の彼方まで往くの ....
蚕の様に糸を巻き付け
言の葉で 魂ごと包み込むのです
見えないくらい細い繊細な言の葉
バリバリと命を食い尽くしながら
身を震わせ よじらせ 紡ぐのです
繭(まゆ)で ....
むしょうに反省したくなる
日曜日の朝
自分がちゃんと出来ていない気がする
それは君の口癖
テレビを時計がわりにしてみている
毎日は急にとだえる
それが日曜日の朝
罪をつぐなうよう ....
初夏の夕暮れ
やわらかい風に吹かれながら
玄関先にしゃがんで
ビオラの花柄を探しては
摘みとる
こんもりと咲き茂る寄せ植えが
あたらしく
生きかえるのが好き
いつからだろう
....
愛については
猫が、大統領よりずっと詳しい
だって猫は いろんな壁の上を
やすやすと あるいてきたんだ
ひとびとが にぎわう繁華街
ひとびとが やすらうベットタウン
肩をおとそうとした ....
五月雨に濡れる青い花びら
リアル過ぎて醜く映る容姿を見つめ
溜息をつく
絶望にも似た成長の過程が始まる予感
旅立ちを前に翼傷め
永遠の春を彷徨い続ける定めの様だ
春 ....
ラジオから流れる
ピアノとポップスの音が
疲れ切って、疲れ切った体に
じんわり、じんわりと溶け合って
夕暮れと仲良し
きょうも1日
ごくろうさまでした
なんてね
雨上がりが匂う緑の庭園で小さな世界は広がる。
ピアノの音色が淡い世界に色付く。
胸に抱えた定かでない悩みは昨日へ消えてゆく。
私はただ黙々と小さな勇気を今日という日に積み重ねた。
....
炎が眠っている
その熱と光を休めながら
かつて燃えたことを証明する
灰が柔らかな布団になって
炎は夢を見ている
かつて照らし出した
闇の中に浮き立つ人の顔が
ばらばらになって融合 ....
仔犬を胸に抱いた少年
あるいは
眠っている赤子を
抱っこ紐で抱えた母親
のように
買ったばかりの
ラナンキュラスの
花束を
両手で持ち
包装紙の隙間から覗いて
微笑ん ....
白く寂し気な船が今にも沈みそうだ
港の灯りも霧雨に曇っている
故郷の海で荒波を受け傷ついた船底は
修理は不可能の様だ この港に船を沈める
この白い船は ものを言わぬ私
あ ....
孤独はいまも継続中だ
それが常態となってしまえば
たいした痛みも感じないものだ
ときおり非日常にきみがやってくる
それは僅かな恩寵でもあり
かすかな煩悶でもある
きみは花をアレンジ ....
私は死に向かって
一直線に走っている
後悔などは何処にもない
せめて安楽な死を願うのだが
死という狭い門をくぐるのは至難の技かも知れない
痛みに弱いぼくは
レモンに告た
モルヒネ漬け ....
黒い大蛇が棲むという石橋を渡れば
桜咲く岸辺に
そこには大衆食堂が在った
憶えているお品書は
カツ丼
カレーライス
精進揚げ定食に
銀だらの照焼くらいのものだ
砂利道を挟んで
タ ....
この夜に
明日が訪れることを疑わず
眠りにつけるということは
幸福であることに
間違いはなさそうだ
あるとき哀しみがやってきて
壁紙を引き剥がし読みかけの
テーブルの上の本を引き裂いてゆく
暗幕で覆われた部屋には夜しかない
そう曠野はいまこのこころに映る風景なのだ
それでも半額のシ ....
陽ざしが注いで
私の庭にも
優しい色の花が咲く
柔らかい雲が
少し動くと
空に向かって
胸を開いていた
白木蓮も
風に 花びらを
はらはら散らす
白樺の若葉は濡れてなお淡く
陰りの中に揺れ
畑の麦はより深く
滲むように息づいた
日差しにかすむものたちが
雨の日には薄められず
沁みて とおる
焦げついた所まで
土の匂い
湿 ....
人は
ひとひらの
花のように舞い
着地するまでの
風を感じ
陽の光を浴びて
寂滅の歓びの中に埋もれてゆく
歓びも悲しみも
大したことではなく
ひとつひとつの現象がただ通り ....
世界はさまざまなかってな基準に充たされていて
世界の涯からから零れ落ちるそれらの反響が
夜空に谺しているようなそんな夜だ
でも僕の基準をきみと決めたから宜しく頼むからね
それにしても僕 ....
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