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悲しみで染まる紫陽花
雨を切り裂く国道の音
溜め息で回る風車華麗に
壁に囲まれた部屋薄暗く
孤独の影作る液晶の青空
眩しくて眩しくて
ナイフを捨てた少年
傷付いた心を抱え ....
淋しいから そっと伏せて
このこころを そっと消そう
悲しくないさ 虚しいだけ
虚しさもいま 消えてゆく
蝶々にも 情がないという
秋桜も 揺れるだけ
ぼんやりとした光景に
ただ ....
わけのわからないことを口にして
君を本気で困らせたならごめんね
群れた羊の子が垂れた乳首から甘い汁を吸い込む
鋭い目つきの梟が二番めの枝からそれを見てる
長い夜を耐え偲ぶには手触りが欲 ....
暗い駅のホームにてかじかんだ手で
自販機から買ったホットコーヒーを飲む
コーヒーとともに朝が費やされる
未来の広がりよりも
過去の堆積の方が圧倒的に大きく思えるのは
いつからだろうか ....
名もいらぬ
我
一個のエキストラ
さよならをいうとき
世界は水平になる
別れるひとはまっすぐ
まっすぐ離れてゆく
いつかまた出逢えるなんて
あるはずがないとおもい
そのひとにそっと
自分の切れはしを贈る
冷たい草の上を滑っていく夢から
覚め
ると
白い天井に規則
正しく描かれた水玉模様
が乱雑に
降り注いできた
過去はどんどん小さくなり
アスファルトを石で擦った跡も
今はもう見つから ....
虹色の配列をよく覚えていないのと同じように
震災後のインフラの復旧の順番が思い出せない
トムソーヤならどう思うのだろう
のび太くんならどう思うのだろう
配列や順番なんか忘れてし ....
もうほとんどが
瞳孔だった時分に
コエはそこいらの
ロックンロールより頭蓋に響いた
トンネル抜けた瞬間の
はじめての閃光に驚いて
ボリュームいじくっちまったのさ
収縮するすみ塗り ....
朝にはりついた夜はかわいて
とかげみたいにちいさく息をしていた
バターひとかけら食べさせてやる
もうおそいのだ、 外は朝で
朝がきたからにはまた夜まで待たなければならないし
夜がきてしま ....
霧雨が煙っている
暗雲が太陽を遠ざけ、私と世界を切り離す
森は静かに私を見下ろす
まるで抱くように、閉じ込めるように
黒と緑が湿り気を帯びて、色はますます深く
五月の寒々とした雨が、 ....
人の振り見てわが振り黙認
犬も歩けば僕に当たる
猫の手は貸さない
窮鼠猫をなでる
馬の耳にウォークマン
一を聞いて十を疑う
石橋を叩いて逃げる
急がば回りくどい
言うは易く行うは彼 ....
数学の成績だけが上がっていく
「ねぇこの問題教えてよ」と
君にお願いされてから
この空が青さを取り戻す時
あの空も晴れてくれるだろうか
優しい光は
隅々まで届いてくれるだろうか
あの子のもとへ
届けてくれるだろうか
160114
拝啓前略
最近、
読んだかどうか覚えていない書籍が増えた
表題のも定かで無いが
雪の降る頂上付近にヒョウの死骸があったとかの
描写があったような ....
月がわらっ照ら
笑ってら
赤ちゃんはどうやったら出来るのだろう
裸の木がくねっ照ら
苦ねってら
約束はいつも大義名分で破棄されるのだ
どこまでも静かに
愛 ....
墨
墨の黒は
普通のインクとは違う
きっと
普通のインクより深みがある
でも
アクリル絵具の黒よりも鮮やかで
水彩絵具の黒よりも頼り甲斐がある
墨に触れたのは何時だろう
中学 ....
痛み 超え
恐怖 超え
快楽 超え
嫌悪 超え
絶望 超え
希望 超え
死を前にして、死を前にして
外界 銀に照り映え在る
純粋にオドロキ確認し
内界 漆黒の光点広がり在る
....
夢の中でのひとときを
まるで本当のように感じる
海を力なしで泳いで
えらで呼吸しているみたいに
大人に反抗している
とにかく不真面目だと感じて
理不尽だと嘆いてみせる
泣き叫ぶことし ....
溜め池の波紋が大きく揺れた
葦原に身を隠してはこちらの様子を伺っていた餓鬼どもが小石を投げ入れたのかと思った
そうか、いつまでも泣いてばかりは居られないのだ
ここから先はこの御玉ヶ淵に架 ....
消えてしまったよ
いくつも重なっていくうちに
それらは透明になって
ゆらいでいるのさ
何処かへ
風はすがた無くすすむ
僕の体温をひやしながら
斜めにばかり向かっていく
もうなん ....
明け方 季節を忘れた
冷え行く寒さの中で
冬は姿を消し
沈黙は空気を透明に染めた
朝 差し込む光を浴びて
言葉を忘れた
荒涼とした会話が砕かれ
鳥の鳴き声は静寂に木霊した
昼 ....
ほんとに星になっちまったのかい スターマン
空で待ってくれてたんじゃないのかい スターマン
でも泣かないでいいようにソウルを残してくれたんだね スターマン
初夢はどんな夢を見ましたか
すべての夢は もろ刃のつるぎ
かざして何を想いましょうや
松飾をつけた車が 走っていた
正月だというのに梅が咲いている不思議な一日
うつくしさを か ....
可能な限り赤い空に
ぼくらがおもう神様がいた
ライトバンが光を揺らして
とぼとぼとぼとぼ道を行く
いき違いばかりの愛しさが
まかり通ってからから言う
からからか ....
ひとの心は果てしなく彷徨う
距離や時間を超えてゆく
痕跡にすぎないものに捉われ
憶測の触手をあすに伸ばしておののく
ときどき何かを削ぎ落しながら
変わってしまうことをおそれながらも
....
幾億粒の{ルビ眼=まなこ}が煌めく
夜の底
磁気に繋がり
流れを描き
脆く途切れ
こぼれる様を
見ているようで
見ていない
視線の針が交差する
決して出会うことはなく
跳ね返る ....
孤独がコトリと音たてて
薄いオリオン座拝みます
恨みもせず
妬きもせず
孤独がコトリと音たてて
街が滲んで見えるのです
避けもせず
罵りもせず
孤独がコ ....
時は忍び足で通りすぎる
それを知ったのは
先週の水曜日
ぼくは疲れて
回転する部屋の椅子に座った
それから
頬に手を当てて眠った
ひたひたと階段を下りる足音
屋根裏の空を
飛 ....
記憶体、
ざっく ザックリと 切り開かれます
映像群、
ぽっか ポッカリと 映し出されます
汽笛、
鳴ります 遠い国
流れる流れる追いつけない
洋上の青 浴びる太陽
溶け合 ....
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