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生まれた哀しみを与えてくれた
おかあさん

ぼくはいずれ死の苦しみを味わなければならない
なぜ、生まれたことを祝うのだろう
生まれたことは死に繋がるのだから

できることなら
意識のな ....
なぜ猫は愛されるのか?

それは何度も何度も進化したから

なぜ人は憎みあうのか?

それは何度も何度も進化したから

人間は猫と違い
憎みあう程度には
進化しているが
愛さ ....
よちよち歩きで
私がいなきゃ
すぐ泣きじゃくってた
心が
ときどき
足の裏へ逃げこむ
歩くたび
きしり きしりと
痛む

つま先まで
しびれさせてよ
私の心を
呼んで ....
ぼくは錬金術師のように
黄金を創ろうと必死になっていた
銅に銀と錫に亜鉛を混ぜて
ローズマリー・パセリ・タイム・セージを加え
そして 少量の胡椒とカルダモン

青い炎で炙れば
黄金色の合 ....
晩秋の黄昏に
チェロの響きが肩に渦巻いて
痩せた胸を抱き包む

明日の朝は
この曲を聴きながら
ベーコンエッグとトーストにイチゴジャム
そして濃いめの珈琲を啜る

そのバロックは
 ....
道々拾うそれらはどれも
純度の高い結晶だから
とても効き、沁みる
わたしは決定的にまだ、
持っている 家路 を{ルビ長靴=ちょうか}で踏みしめる
たどり着いて(そして孕む、卵のかたち)
ど ....
 躊躇なく雨が降って やがて くすんだ時間がゆっくりと流れさって
 衝動的に目を覚ました朝と 夢 見つけることもむつかしかった歌声の
   流れ (流転  (流転   (流転
 わたしたちの多く ....
宇宙にある
一つの場所、一つの時間

流星は覚えている
巨視の瞳孔を開き
微視に解体される運動と感情を

私はあなたの記憶
機能化された一つの個体
朝、目覚め
夜、眠るまで

 ....
白い手先が折り畳んだ黒い風呂敷
角をピチリと揃えてたいそう丁寧に
ポタリと落ちた涙に星辰と名付ける
添い遂げようと恋情を抱いたおとこの
亡骸がひどく軽く腕に抱かれた
丑三つ時にただ月 ....
魂の境を越えた交わりだった
わたしたちは一羽の大きな鳥になって
暁に輝く大河の遥か上空を
風を切り 大きく弧を描きながら
深く埋もれたまま錆びて膨れた散弾
思考に敷かれた玩具の電車の閉鎖回路 ....
もう二度と歌は歌わない
そう決めたのは
合唱コンクールの練習の時
隣の子がクスッと笑ったから
以来本当に僕は歌を歌わなかった
音楽の時間は口パクで通したし
歌のテストの日はズル休みをした
 ....
肉体だけが失われた
魂だけになった人々のすむ世界は
遠くて
案外近い、のではないか

たとえば
風の吹いてくる方角に向かい立ち
乾いてゆく眼球の映す景色が
そのまばたきのたびに
一枚 ....
邪悪な自分が
恐ろしい

闇に埋もれた暮らしがイヤで
太陽の下に
憧れたのに

普通がいいって
普通を選び

普通だなって がっかりしてる
行きたい場所がある
フェンスの多分向こう
標識は黄色か赤
越えてはいけない場所だった
死んだトモダチが
みんなそこにいて
おまえもか
って笑ってる
警告はみんな受けた
でもみんな境界 ....
一等星か
人工衛星か
わからないから
嫌なんだ
この時代は
虚像が眩しすぎて
たどり着きたい未来を間違える
俺達は
まるで
月に向かって飛ぶ
命知らずの虫みたい
狡猾であり
幼稚でもある
すべては悲しく美しい
そう
狡猾であり
幼稚なのだ

幾日も 
幾年もかけて
日が沈む
その終末の真っ赤な空を
眺めては小さな飴を頬張るように
感慨に ....
トマス氏は知りたくてたまりませんでした
ドーナツの穴はどうすれば食べられるのか
トマス氏は解明したくて仕方ありませんでした
ドーナツの穴ははたしてどんな味がするのか

トマス氏は毎日考えてい ....
  或る糸が……否、
  生温い 呼気に似た
  細ながく冷たい白さが
  頭上から垂れてくるのを
  待っている……夜に、私は
  その影が たとえば ツルリとした
  薬缶のお ....
「そうか、とうちゃん、もう地球には
 ボクら以外に宇宙人はいないのかぁ」
「あぁ、そうだ
 大震災で原子力発電所が壊れた時に
 みんな帰っちまったんだ
 もう誰も、こんな危ねえ星、欲しがらね ....
冬庭は音符を奏でる

花の終わった残骸は
案外気難しく
やっと植木鉢から引き抜けば
無数にめぐらせた白い根は
持てるかぎりの土をかかえこんでいる
ああ うたはここからも
うまれてきてい ....
母から聞いた遠い日の思い出話です

貧しい農家だった父と母は
農耕馬に馬橇を引かせ
町の市場へ暮れの買い物に行きました

正月のための食材を買い
家族の冬のビタミン源として
おそらく当 ....
秋と冬の境目の
限りなく冬に寄り添う秋だから
ならべてみたくもなる
あったかいものをしこたまに
{ルビ炬燵=こたつ} 湯たんぽ 綿入れ{ルビ袢纏=はんてん}
焼き芋 甘酒 鍋料理
{ルビ熱 ....
麗しくあれ、麗しきものであれと嘯いた
眩い季節が、火葬場の炎に、紅く紅く舞い散る
それを麗しいとほめそやす、餓えぬ人々の足元
舞い落ちた死灰を踏みならし、忙しなく行き交ういきものの
剥き出しの ....
ただ一人懸命に掃除した、水道の蛇口が赤茶げて
所詮こんなものさと自嘲(あざわら)っている

うらぶれた、うらぶれた、朽ち果てた半紙の”夢”の字が
帰っておいでと嘯いている

うるさい、うる ....
わたしの日々の死骸を
喰らい、長らえるならば喰らえばよい
わたしの日々の死骸の
皮を剥ぎ取り、踏むがよい
わたしの日々の死骸に
集り、聖なりと崇めるがよい

わたしは昨日を焼き尽くし
 ....
換気扇がぶっ壊れて
機関車みたいな音がする

台所であなたと目を合わせたら
困ったような笑顔がどこかへ旅立つ

暮らした年月を
思い出させるすべての劣化

年をとったわね


 ....
ひとつまみで
一生を切られてしまう虫けらは
気の毒だがね
わたしら人間の縄張りに
勝手に入り込んでしまったのが
運のつき

虫けらと
わたしらの共通点は
命のあること
早い ....
それは病理の感情
刹那的は喜びがエネルギーを放出する
我ら生き抜くために今日も病んでいる
未来に恋する現実は重労働を国民に課す
100年後、今の時代は何と名付けられるだろう

この病理と生 ....
「自分に味方しないものは敵だ」
という考え方と

「自分に敵対しないものは味方だ」
という考え方は

同じようでいて ずいぶん違う

生まれつきの敵も味方もいやしない

パレスチナ ....
なぎさでさわぐ波濤のように
名前まけする 小公園の
こだちがざわめく 晩秋 に
卒寿となった おひとりさまは
もっぱら せまりくる
おのが身の陰影(かげ)に追われる
甲高い鳥のさえずりと
 ....
由木名緒美さんの自由詩おすすめリスト(3106)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- レタス自由詩615-11-28
EVOLUTION- ケルリ自由詩215-11-27
どこからともなくやってくる一枚の葉書- もり自由詩2*15-11-27
審判- レタス自由詩415-11-26
Bに捧げる朝食- レタス自由詩915-11-26
冬のあした- もっぷ自由詩7*15-11-26
トッカータ- 管城春自由詩215-11-26
記憶- 鷲田自由詩415-11-25
ニロクジチュウ、ウカナイ- かんな自由詩7*15-11-25
一瞬確かにわたしたちは- ただのみ ...自由詩16*15-11-25
歌はもう歌わないと決めたけど- 夏美かを ...自由詩37*15-11-25
薄暮の街で- そらの珊 ...自由詩19*15-11-25
矛盾- ガト自由詩6*15-11-23
ネジロ- ガト自由詩5*15-11-23
ウスバカゲロウ- ガト自由詩9*15-11-23
笹船に乗った自己愛- ただのみ ...自由詩13*15-11-23
ドーナツの穴の食べ方- wakaba自由詩3*15-11-23
utsusemi- 草野春心自由詩215-11-22
宇宙人@とうほく.jp- イオン自由詩2*15-11-22
冬庭の音符- そらの珊 ...自由詩18*15-11-22
林檎の思い出- Lucy自由詩15+*15-11-21
扉の隙間から- ただのみ ...自由詩21*15-11-21
霜月- あなろぐ ...自由詩315-11-21
廃校舎- あなろぐ ...自由詩315-11-21
死骸- あなろぐ ...自由詩115-11-21
夜汽車- ガト自由詩14*15-11-19
みかた- 千波 一 ...自由詩515-11-19
日常- 鷲田自由詩415-11-18
どっちにもなる気はない- ただのみ ...自由詩19*15-11-18
芥子色の北風(四)- 信天翁自由詩515-11-18

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