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いつもの窓からは
光が差している
塗装の剥げた電車が転げている
昼すぎに、森の気配は
いくつかの季節を巡る


まだ青い瞳で
私は階段を昇っていく


となりの部屋の人たちの
 ....
立ち読みした本に涙落として帰る 銀杏の木には

パンチパーマみたいな

新緑の芽吹き

それが遠くからだと

星雲のような

新緑のふくらみ


海がこわい

狭いところ

天井の低いところ

 ....
そのわらべうたは
作者不明だという

畑に添って
作られた石垣
その隙間から
シダやペンペン草が顔を出し
しっぽがふたつに別れた小さな虫が
忙しそうに出たり入ったり
雨が降れば
水 ....
しあわせな瞬間を
こっそり切りとって
あわいブルーのアルバムに
貼りつけてほっとする

あとから眺めるわけでもないのに
夢中でレイアウトを考えたりして
だれに見せるわけでもないのに
 ....
今夜ぬかるみそうですね
まだちょっと震えていて
瞳は亀裂して手招くのです
梢に掛ったビニール袋の
違和としての惨めさの中へ
眠りは逃げた僕から逆行した

福寿草のように笑う
気の早い毒 ....
指の絆創膏をはがしてみれば
血は止まったものの
いまだ なまめかしく
傷はそこにあった

たった一日
空気を遮断されただけで そこは
色が蒸発したように
あっけらかんと白く
まるで湯 ....
凹んだままもどらないこころを
あえて膨らまして生きている弾力をおもう

生きることに引きずり回され
足下がみえないまま歩をすすめて行かねばならない
立ち止まるわけにはゆかないのだ
それが残 ....
季節を
終わらせましょう。


実らない季節を
あきらめましょう。


踏ん切りをつけて
新たな歩みを始め
次なる光を探していく。



悲しみを増幅させてまで
しがみ ....
僕は書く

それは文字による記録ではなく
文学作品でもない
書いているのは

言葉

自分の考えや気持ちを表す言葉
つまり
自分を言葉で表した
自我像

僕は僕のことを誰 ....
視力が弱り輪郭がボヤケタ月も美しい。

あの日、遺影のそば、泣いた女。

消えた気配。亡くなった子供。



あの日、頬に触れた赤。

伝う水は、裂め目から漏れ。



曇 ....
暖かな日差しを受けて
春爛漫の息吹を感じる
子供達の遊ぶ声が届く
大らかな芽吹きの声が
ここに春が来たことを
そよぐ風が告げている

悩み苦しみさえも嘘と
想える程暖かな陽射し
誰も ....
   フルーチェを作った
   冷蔵庫で冷やして
   お風呂上がりに
   娘と二人で食べた
   フルーチェのメロン味が
   美味しいねと娘がいう


     幸せというのは
 ....
桜が散り始めた
昔、誰かがそこに植えたのだ
古びた板壁のペンキが剥げた営舎の
埃っぽい運動場の端に

左旋回だったのは
右利きだからかもしれない

春霞の海は穏やかで
座している私の ....
自炊の道を極めんと
愚娘の助言を聞き入れ
圧力鍋を購入した

やや季節はずれのブリ大根
今日は黒霧島のお湯割

圧力鍋には
なにやらタイマーが付いていて
超絶簡単レピシ本通りで
 ....
朝の空

西から東へ
まっすぐの飛行機雲

確か
この飛行機雲はラドン
ラドンの太い飛行機雲だ

ラドンが目覚めた

いつも怪獣は環境破壊によって目覚める
そして環境破壊す ....
焦げたカレー
僕は
死の味を知らない
生の味も、少ししか知らない
でも食べないと
この焦げたかおりが苦手だけど
食べないと

僕は誰であり
誰なのであればよかったのか
やっと寝かし ....
  「時」に噛みつかれなくなったら
        「空」がにらみ始め
      「風」を敬遠しだしたら
   「光」がこんどは戸惑い始める

      八十路のおらにむかって
黒衣の ....
蝶を追った
鳥を追った
羽のかけら
羽のにおい


入口の奥に入口があり
その奥にさらに入口があり
近づくものを見つめている
泣き腫らした目を 見つめている
 ....
走って行って渡った
点滅を始めていた
青信号
お昼休みに
買ってきた弁当が
手の中で跳ねている
サラダがいくらか多いのにした
空は晴れ渡っているのに
風は冷たい
私の胸の中にも
 ....
弁当を作りながら
異能する君は謎の生命体
昨日までの怒りと不満が
女のカタチに脱皮して行く
鉤爪は残したままで

朝は不躾に明るい破魔矢
夜明けの夢を葬り去って
吉凶を告げるかのように ....
たてものを
すこしずつ
くみたてている
おとうさん

風雨にさらされて

おんだんな
気候の
平和な
雨と雪と風とひとに
さらされながら

ちいさなおうちをつくる
かくじつ ....
通販で購入した商品を開梱すると
梱包用の発泡スチロールの厚い板が入っていた
不燃物ゴミは来週の火曜日まで捨てられないので
小さなリビングにそのまま置いていた

1m四方程度の発泡スチロールの ....
局所的に覚醒がくり返されるボロボロ
愛されたがる女の計算したがって聞かない
塗り潰した美の奥底で
折詰にされ、お土産になった溜息が泡立っていた

残虐は過去と未来との境界を袋とじしたまま
 ....
そりゃ大変だろうね
追っかけてばかりいてさ
キツイだろうね
帳尻あわすのは
よってたかってのクソメディア
やっている人をバカにすんな
そりゃ言葉に出来たら良いよ
呑み込んで言葉にならず汗 ....
彼女は毎日散歩することにしていた。
おもいがけなく、風の強く吹いたその日、坂道を登り切ったところで
風に語りかけられた樹のように
彼女はざわめいた
そこで傷ついて死んだ小鳥の姿を
見られてし ....
疲れ果てて
ひとりでボーッと昼飯を食べていたら
タカエちゃんから
ちっちゃな人形をもらった

富士子ちゃん?

えー知らないんですか〜
コップのフチ子ちゃんですよ〜

コップのフチ ....
真夜中のファミレス
遠慮がちに
丸まって寝る老人
テーブルには
ドリンクバーのカップ

人もまばらな
真夜中のファミレス
ひとり・ひとりが
さみしく何かを
抱えて飲むコーヒー

 ....
目を瞑って鍵盤にそっと乗せるだけで
軽やかに舞い始める私の十本の指
やがて目の前にお洒落なショパンが現れて
揺れる私の肩をそっと抱いてくれる





「お母さん、私ピアノを習ってみ ....
ジャンケン ポン
鬼だー! 隠れろ!
春の鬼ごっこ
小さな女の子たちが隠れる場所を探している
木の陰へ
路地の奥へ
鬼が来る早く隠れないと……

慌てて
建築資材倉庫へ
独りで逃げ ....
由木名緒美さんの自由詩おすすめリスト(3182)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
二十一歳- アオゾラ ...自由詩1214-4-20
立ち読みした本に涙落として帰る- 北大路京 ...自由詩1214-4-19
新緑の芽吹き- 吉岡ペペ ...自由詩214-4-18
アルカディア- そらの珊 ...自由詩20*14-4-18
アルバム- 藤原絵理 ...自由詩3*14-4-17
コウフクノモノサシ- ただのみ ...自由詩18*14-4-16
溺れる人魚- そらの珊 ...自由詩22*14-4-16
弾力- 梅昆布茶自由詩2114-4-15
咲いては音楽、散っては忘却。- komasen333自由詩2*14-4-15
自我像- ichirou自由詩1014-4-14
「曇っては晴れて」- 宇野康平自由詩314-4-14
暖かな日差しに・・・- tamami自由詩1414-4-14
【_フルーチェ_】- 泡沫恋歌自由詩17*14-4-14
遠景- 山部 佳自由詩914-4-13
染み込む20分間がこんなに疲れるとは思いませんでした- ichirou自由詩1414-4-13
ラドンの飛行機雲- ichirou自由詩14*14-4-13
焦げたカレー- めー自由詩5*14-4-13
汚泥コンテンツ_⑥- 信天翁自由詩4*14-4-12
夜森- 木立 悟自由詩314-4-12
シグナル- Lucy自由詩15*14-4-11
ハッピーマニュアル- ただのみ ...自由詩17*14-4-11
たてもの- うんち自由詩4*14-4-11
発泡スチロール- ichirou自由詩814-4-10
ボロボロ- ハァモニ ...自由詩4*14-4-10
くたばれマスメディア- よいしょ自由詩414-4-10
「詩集」- ハァモニ ...自由詩1*14-4-10
コップのフチ子をもらった- ichirou自由詩18*14-4-9
五行歌連詩/コブシの花- 岸かの子自由詩5*14-4-9
頼りないショパン_不器用なベートーベン- 夏美かを ...自由詩31*14-4-9
【_春の鬼_】- 泡沫恋歌自由詩14*14-4-9

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