日常
鷲田

それは病理の感情
刹那的は喜びがエネルギーを放出する
我ら生き抜くために今日も病んでいる
未来に恋する現実は重労働を国民に課す
100年後、今の時代は何と名付けられるだろう

この病理と生きることに価値はあるのか
人間の本来的な姿が愛を抱くことならば
愛していると愛する人に言うことならば
愛していると愛されている人に言われることならば

人間の本質的な欲望は幻影に犯されることなのか
未来の礎を金に換算し
稼いだ金を生産物に投入し
投入した生産物を欲望に消費し

俺は今日も家を出る
おまえも今日も家を出る
おまえも、おまえも、おまえも、おまえも
眩しい太陽の上を雨雲が覆う朝
夢を労働と呼び、労働を日常と呼び
雨雲から地面に水滴が落とされる曇りの中

満員電車には無数の日常がぎっしり詰められる
そして、電車は走る、定刻に
ピタリと定刻の時間に
それぞれの夢の行き先へ
日常は二酸化炭素に溢れていて少し苦しい


自由詩 日常 Copyright 鷲田 2015-11-18 23:07:20
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