落ち葉の下で赦しあうものたちが
まもなく眠り つつ 目覚める
踏みしめる靴は謳いながら 明日を知らないで
見渡せる花野が待っているのは綴じられる日
過去の箱舟と名づけてみたい 手帖として

 ....
海もタワーもみんなさよなら
九月晦日のもうすぐ夜明け
ずっと聴き続けてるバイオリン
冷たい飲み物と空色の携帯
ワンピースとハンドカバーと
どこにもいない誰か と
玄関には自転車と靴
わた ....
靴は最初から選びようもなかった
いつかしら迷い込んでいた鏡のなか の既視辺
描いたのは自分じゃない
上書きも削除もかなわない 、かつてだけじゃない

わかっていた災厄へも
たとえ ではなく ....
少女の髪はいつも御河童だったのですが

三つ編みとリボンに憧れていました
そして隣のお姉さんのようにセーラー服を着て
無色透明ではないリップクリームをポケットに忍ばせて
お姉さんが通っている ....
どうしても選べないみどりいろの服着ている彼女どこか優って


雨の夜あしたを想う想い過ぎまたキッチンで珈琲点てる


部屋のなかまで連れてきてる自転車は世界で一つの自転車だから


 ....
首都高に沈む夕日や秋彼岸 言葉をしまって
寄り添って一緒に泣いた
愛 という名の林檎を一つ 手渡すべきだったと
うずくまっているので
その傍らに スミレの苗を置いた
少女は驚いたようにも
気づかないようにも
自在に
苗を抱きしめて帰っていった 夢のなかへ
花がよろこんでいる
その横で草もよろこんでいる
草の実は手を鳴らし思い出させている
草に、わが春のことを

だってきみの靴音
みんな忘れているよここが
雪国の花野だってことを
もう見得 ....
たぶんそこには 無 すらなかった
透明 すらなかった
そのまなざしは父親には赦された
だけど母親は女の子だったから赦せなかった
のだろう(たぶん)自らを

   #

無、を得て ほし ....
神さまがいたらいい
いるのかな
いてほしいけど
いてくれるって思わないと
もう無理なところまで来てる
、脅すわけじゃないけど
実はもうすでに
(間違えたやり方だと
心の底のどこかで
 ....
云わないでねと頼んで生きてきた
あちらこちらに白旗を置いて
逃げながらも逃げずに
なぜ、を振り切って

あの子が笑う
あの子が泣く
あるいは
また泣く

天秤は正しく傾き
なみだ ....
この雨が置いていくあしたをすこしだけ
盗みました ガーゼのハンカチーフはすこしだけ
重たくなりました けれど
いつかしらあしたはあたしを見限り
逃げていきました

気化したい。
眠らないために 何をするでもなく
何をするでもなく ただ眠らないためだけに
何もしないことをいつか できるようになりたいと
詩を描いている
流れのように自然に
紙と寿命とが尽きるまで
たぶ ....
キルトケットを被って丸くなっているといつも聴こえてくる
  おやすみ小鳥
ほっとして意識が遠のいてゆく

ひかりを感じて目を開けるといつも聴こえてくる
  おはよう小鳥
生きている私を肯定 ....
世界はありますか 翼があったらって思ってきたけど
パトラッシュがいてくれることのほうがもっといいかな
部屋のなかの風速はマイナス
まるでフラスコの底で
蹲るだけの異邦人
となって私は偶像を失い
祈り方を忘れる
(遠ざかってゆく)思い出という名の
私を掌ってきた漣は
枯渇したみずうみで途方 ....
ルージュ未満のままに手持ちの籠には
瑞瑞しい実りも僅かとなった
朝夕の風を聴く意味を喪い ただ
茫茫と在るわたしの心
唯一なのに大切にできなくて
ごめんね のあてもなくて
あの日以来覚えて ....
約束の未明に私は夢のなかだったかもしれない 目覚めると
テーブルの上のマグの位置がすこし違う気もする
さびしさを雪ぐために顔を洗い
鏡をみて 謝るように確かめてから
さびしさと一緒に部屋に戻り ....
{引用=人間だから赦してほしいって思うのは甘えでしょうかと夕焼けがのこした}

ふるいガラスの牛乳瓶に
つくりものの紅い実の枝いくつかを飾ってあって
それは玄関に
いつも
ガラスだとこの国 ....
夕焼けという名の空がある
青空からの移ろいとしてではなく
終われば夜空ということもなく
そういう名前の唯一だ
いつかやがて
みあげている存在の全てが
一斉に瞬きしている隙に失せ
瞬時に忘 ....
田舎から毬栗の毬だけ届く


秋乾くハンカチーフの十一枚
俯いて咲くシクラメンかなしみを呑み込んだまま花期いま終える


六歳の夢はシチューのにんじんがかなえてくれた 遠い夕焼け


待つひとのない家路には夕焼けは薄くつめたく〈明日〉を教えず
 ....
夏至までカウントダウン
これからもっと暑くなるのに
さびしさに汗のトッピング
父さんは夏が好きだったけど

わたしは十一月を待ってる
日本は十一月からの半年でいい
毎年 雪の降らない町で ....
 新卒採用の私はようやく三か月目だというのにすでに苗字ではなく名前で呼ばれている。
「並子さん」
「なみこさん!」
 もちろん笑顔を湛えて声の主のほうを向き「はい」と元気よく(新人らしく)返事す ....
敗荷や味噌をまぶせる白き飯 生まれたばかりの九月はとても静かで穏やかで
風は凪ぎ 梢に寛ぎ
秋の願いがその隣で翼を休め
あるいは風はまた立ち
願いなら 早熟の実を選び定めては安堵して
どこかへと帰り、持ち帰る
木の実 ....
秋の海
秋の湖
秋の雨
秋の朝

遠い遠い遥かな
ふるさとへ
帰る
そんないつかを持っているから
だからいいのかもしれない
いつかは所詮はいつか、に過ぎないけれど
確実に訪れるこ ....
わたしはあきらめています
わたしはあきらめました
でも そんなわたしの
この生との諸恋を
一瞬でも 感じたなら
あなたの足許をみてください
まるで「踏んでください」とでも言いたげな
そん ....
もっぷ(1239)
タイトル カテゴリ Point 日付
家路自由詩116/9/30 7:53
未明通過 #1自由詩216/9/30 5:38
自由詩116/9/26 7:56
キット・リボン自由詩316/9/25 6:15
かおるのおと (五首)短歌516/9/25 4:07
秋彼岸 +[group]俳句216/9/25 4:00
少女と神さま自由詩116/9/25 3:27
少女とそして自由詩216/9/25 3:25
黄唯色自由詩116/9/22 3:55
アネモネの詩 (初稿)自由詩3*16/9/22 3:51
ちいさく云うけど自由詩516/9/19 0:23
九月十八日(日)自由詩316/9/18 23:48
pray in pain rain自由詩416/9/18 1:29
lone alone a long自由詩116/9/18 0:22
no meaning only cheese自由詩216/9/17 23:45
ありますか自由詩116/9/16 17:12
祈りにかえて 2016.09.15自由詩116/9/15 22:36
異邦の靴自由詩5*16/9/9 9:44
今日の風自由詩1*16/9/7 0:37
それから自由詩3*16/9/6 17:02
二歳のあの子が大人になって自由詩5*16/9/5 20:12
夕焼け自由詩6*16/9/5 20:11
「ケセラセラ」二句[group]俳句1*16/9/5 9:39
かおるのおと (五首)短歌1*16/9/5 9:15
然もないけれど自由詩2*16/9/4 16:51
並木道散文(批評 ...1*16/9/4 16:20
淵野辺(学習用として)[group]俳句1*16/9/3 19:51
宇宙自由詩3*16/9/2 19:26
望郷の晩夏自由詩3*16/9/2 19:25
草の想い自由詩2*16/9/2 11:20

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