俯いて下町の路地
久しぶりのスニーカー
探しているのは石っころ

謂われなくとも蹴っ飛ばしたい
謝らないよ
石っころ
みにくい子さやかなうその時を経て立つ日にそれでもアヒルと名乗る


母の名をカケスと知らず巣立ちの日ジェーイと鳴いて留鳥である


なみだより弱いものなし生きるためなみだを捨てたカラスのこ ....
なにごとにもかなしみばかりの日日のなか夏空の雲まばゆいばかり 闘病のつらさをあなたに決められてあなたをきらいになるに足りてる ひと息ついて
何を飲もうかな と思った時に
いつもの紅茶のティーバッグが手を挙げた
だから紅茶にした
そういうふうに私は
一人暮らしをやりくりしている
風を聴く日は多く
大きな声では言え ....
誰の影も後ろに居ない人の世を夏の夕暮れ今だけ隠せ 梅雨空雲間がふと切れて
星が見えると君は云う
私の空には星二つ
心で見ている星二つ

優しい雨音 きつい音
その日の気分 自分次第
雨にも空にも罪はなく
風にも町にも罪はない

優 ....
無理だと思うよ
妖精が云う
あなたは人間だから
でもわたし
もうすっかりあきらめているから
それならなぜ
妖精が云う
あきらめているとできることが
それはなに
期待をしないこと

 ....
終着駅までのすべての往路が足し算の暦なのだと
信じきっていたころも確かにあったことを思い出す
アネモネの蕾をみて安堵したように降りはじめる雪がある
ことはまだ知らなかった
降りつつ、積もる雪で ....
さっき、午後一時半過ぎから真っ黒になっちゃった
影法師になっちゃったのよ
伸びてく伸びてくわたし伸びてく頃
ガードレールにぶつかって痛くっても
そのままずるずるまるで道案内
みなれた扉をだれ ....
今夜は夜空に星を想えない
月がどこに行ったのかみつけられない
わたしだけの神さまとも会えずに
だから「おやすみ」はまだ云ってもらってない

近ごろはずいぶんなんだ、ふと思うそばから
それは ....
{ルビ朝=あした}が来たからもう眠ろう
夜の迷子はもうやめて
あしたが来たからもう眠ろう
この世の迷子をもうやめて
(この夢に栞を挟んでおけるならまた会えるのに)おはよう小鳥 こども時代なんて知らない
無休の無給の労働者
対価が永遠の闘病
合間にタワーの思い出
流星のように
コウノトリ卵か赤子かキャベツの畑シチューのニンジン余所の星から


カタカナのルビはいやだよひらがなでぼくたち鴉を読めない子には


かあさんはカケスだったといま知った道行くヒトがそう云っ ....
 その落葉樹は絃となる葉をすべて失っていたが、月の明るいこの夜また、訪問者を得ることができた。
「もう、歌わせてあげられないのに」
 いつものその風に、いつものように詫びてみる。
「通り道なんで ....
そのまなざしは父親には赦された
母親は女の子だったから赦せなかった
のだろう(自らへの)失意と憤り

 * * *

旅立ちたかったのは
なみだの源泉へだった
そこが故郷なのだと覚え
 ....
ミモザの美しいころに
父さんと手を繋いで
理由もしらず
バス停まで歩いたことは

憶えているわけもない
わたしは二歳

父さんの掌はきっと
わたしのちいさな手に
この世でほかにはみ ....
お父さんは素敵な人で
わたしはおかしな人で
お父さんには常識があって
わたしにはそれがまるでなくて

常識が非常識を命がけで守備してた
非常識はそれを空気だと勘違い
空気は人力の愛と汗と ....
どんなにかあたためても
言葉は言葉でしかない
たまごとは違う
なにも孵らないよ

書ける人ならペンと紙とを
書けない私はワードを使って
きょうもいまもあたためながら
ほんとに求めるもの ....
ごめんね神さま
いますぐにゆるす、がほしい
この{ルビ心音=こころね}の証しに
樹海に奔って自爆したい!
リハビリをさぼり始めて
二十日ほど過ぎた
理由はある
誰にも云わない
誰も聞かないし
知りたくもないだろうし
わたしが彼の世に持ってゆく
ダイヤモンドを鏤めたマグカップに注いで
表参道で下車し
迷わず骨董通り界隈の路地裏に滑り込む
ことのできる哀しみを
誰かうたったことがあっただろうか

{ルビ時間=とき}の迷子たちがいつも
喪服を選び歩く路
解放的なカフェには ....
善いですね、花は
いつみても善いですね
たぶん神さまです
たぶんなんでもゆるします
きょうは特に会いたかったです

路傍の石っころは
決して言葉を使いません
でも 言葉を持っています
 ....
騙されたってかまわない
優しいことばが好きだから
信じたふりも上手だし
信じたいうそがいまほしい

騙したってかまわない
優しいことばに限っては
信じたふりなら大丈夫
だけど約束してほ ....
フラスコの底に立ってる私
ここから覗く世界が限りなく
どこも邪魔や目隠しのされてない
限りなく 世界そのもの であってほしい

なぜって 曇るばかりのこのガラスのこちらから
背伸びしても屈 ....
道化師はあした泣く
毎あした 毎あした 泣いてる
膝を抱えて蹲ってあたしの心で場所とって
いつまでも消えてなくならないその

道化師と云えば女の子
かと思えばきょうは老婆
あさってはきっ ....
{引用=さびしさで明けた一日は
かなしく暮れゆきまた終わる
遠くのどこにも里はなし
近くのどこにも愛はなし

かなしみで終えた一日は
知られぬなみだで幕となる
みあげるどこにも星はなし
 ....
よくわかってたよね
(わかってなかった)
とてもよくわかってたよね
(まったくわかってなんていなかった)

かなしみの通り道
さびしさの通り道
孤独街道への標識
独りへまっしぐら

 ....
雨の今朝 町を歩く
レインコート、長靴そして傘
二十分ほど
鴉すらいないがさびしくもない

二時間ほど経っていま
ふと私はなにを思っていたのかと
歩きながら 私はなにを
と、とぼけてみ ....
もっぷ(1239)
タイトル カテゴリ Point 日付
スニーカー自由詩3*16/8/5 23:46
「トリ・リングス」 七首[group]短歌316/7/22 0:05
かおるのおと 2016.07.20短歌316/7/20 9:21
かおるのおと 2016.07.18短歌216/7/19 3:28
一人暮らし自由詩616/7/19 2:51
かおるのおと 2016.07.03短歌216/7/3 19:35
梅雨空雲間がふと切れて自由詩416/6/26 21:30
未明のサンクチュアリ自由詩316/6/23 4:58
おむすび自由詩816/6/20 16:46
いつまで自由詩316/6/19 8:06
まさゆめ自由詩316/6/19 8:03
ララバイ・グッバイ自由詩3*16/6/17 6:05
おはよう *短歌316/6/16 19:29
助手席のゆうべ自由詩216/6/16 19:28
「トリ・トリップ」 一〇首[group]短歌4*16/6/13 3:14
そして落葉樹は散文(批評 ...3*16/6/12 23:50
アネモネの詩 for Q自由詩6*16/6/12 23:19
父と娘自由詩316/6/11 23:15
お父さんは素敵な人で自由詩216/6/11 23:12
ほんとに求めるものはなに自由詩216/6/11 23:11
眠りの前に自由詩316/6/9 2:26
おやすみわたし自由詩216/6/9 1:53
街の子のために自由詩216/6/9 0:05
善いですね、花は[group]自由詩6*16/6/2 19:20
優しいことばが好きだから自由詩316/5/31 11:40
ここ自由詩4*16/5/30 20:31
道化師のシナリオ[group]自由詩216/5/30 10:10
茜音(幕間として)自由詩416/5/28 6:12
_[group]自由詩216/5/27 16:39
[group]自由詩216/5/27 10:00

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