駅のホーム
階段の手前でパシッという音
打たれたのはまだ四、五歳の少年
打ったほうの女性は一人で階段を下り始めた
ママ! ママ! ママ!
立ち尽くしてただ泣くばかりのあなたを
抱きしめたい ....
潮風に抱擁されてポチはいま天に召されてゆきました


小母さんの嘆きがたとえ届いても返せぬポチの無念の眠り


ほんとうに一瞬のことでありました轢かれ引き摺られて五メートル


小母 ....
つらかったのは

そこでわれにかえった
時間は限られている
過去のことは過去
だからわたしは

つらいのは、つらいのは、

いま現在に絞っても止まらなかった止められなかった

あ ....
書きたい夜
というより
描きたい夜
心の漣はゆくえしれず
つまりは風に捨てられて
書けない夜
描けない夜
張り裂けそうな
東京の空を知っているか
ネオンのその上にあるんだ
スカイツリーのその上にあるんだ
匂菫のそのうえに
あおい銀杏のそのうえに
かの黄葉のそのうえに
稀なる雪のそのうえに
ぺてんに慣れてうた ....
夢みるようなうすももいろ
澄んだ湖水のようなみずいろ
二冊のファイルの背表紙に
二色のテープを貼りつけてみた
表紙と裏表紙はスタンプや使用済みの異国の切手
舶来のステッカーなどで飾りつけたい ....
今朝 クロネコのおにいさんが
水を持ってきてくれた
わたしも持ってみて その重さに眩暈がした
神さまはいのちをくださった けれど
あとは
自分でやりなさいと  死ぬまで
現れ方がね最初ストーカーかと思った
わかりにくいよ うんと悩んだよ
あなたとあなた以外のことを想う日はないのに
いまは一人で、ずっと一人のつもりです
思い出にすがるのでなしに だけど
思い出 ....
人魚姫対岸をみて泣いている男女二つの影の七夕


地球では雨が降っても宙は晴れ人魚の想いとうらはらに晴れ


織姫がもどる頃には泡となり人魚はとわの一年の旅
自転車を漕ぎ忘れゆく日常の都会の暮らし軽井沢にて


手折ってはいけない花を手折ってるこどもを赦す手折られた花
この空がずっと続くと信じてた学生時代の常夏の空


雷に打たれてしまいたいほどの失恋の日に不意討ちの雨


傘二つ隠して君を待ち伏せてカフェで二人はクリームソーダ


ごめんねと云わ ....
わかっているよ
と云われてみたい
ぼくにはわかっているよ
あたたかいことば
ことばによる抱擁
今夜は淋しいよ
いくつもの夜に独りだったのだけど
今夜はおかしなほどに淋しいよ
友人と喧嘩したわけじゃない
さよなら もなかった
夕ごはんにパンを食べて
それからブラックじゃないコーヒーを ....
生きていれば二十七歳
二十五歳まで生きるものよと
微笑って言ってくれる小母さんも居たけれど
十二月の空はあおくあおくあおかった

十年の月日が流れ 忘れられない
あなた以外と暮らそうなんて ....
身内無し
寄る辺無し
何も無し
無しは有る

愛知らず
恋は捨て
人見知り
でも友が

夢ばかり
追うばかり
きみたちを
追うばかり

道を行く
三叉路は
いつも左
 ....
神さまが居るとして
(心のなかで)
もちろん居るって信じてます
(口ごもりながら はずかしそうに)

神さま私はつらいです
昨日は死のうと思ったんですよ
正しく言います、死ぬと決めました ....
文通みたいなことしてる
ほんとは知ってる君の若さ
君にもほんとはわかっているのだろう私
それでもエスコートしてくれる紳士みたいに

恋ではないと思ってみたい
これは恋だと思ってもみたい
 ....
もう恋はしないと決めた哀しさを一人のものとして綴じる寂しさ


{ルビ夕星=ゆうずつ}を見ない日続く梅雨のなか届かぬ{ルビ手紙=ふみ}とそのあてのなさ


ジャズピアノ似合う私でないけれど ....
幻聴でなくて難聴を患ったせんせい誤診のままが良かった あなたはそらいろ
みあげると暖淡とほほ笑んでいる
ひかりたちのふるさと
あるいは
あなたはひかりかもしれない
わたしの夢のなかまでも暖淡と
何もかもに頷きながら
あかるさほがらかさを配り ....
こころの海が凪いでいる
お魚たちはお昼寝中
釣り人の居ない海だから
夢のなかまで夢のなか
おなかの空かない海だから
互いに興味を持ちあわず
とわのお魚お昼寝中
とわのとわまでお昼寝中
 ....
心を一つ地球に残し
宙には星が二つ増えた
わたしにしかみえない
星が、宙に、二つ

四季の銀河へ夢の旅
片道切符で行ったのに
目覚めればいつもの部屋
いつもの部屋 いつもの部屋

 ....
希望
うぶごえ
暗転
ぜつぼう

――その手に
何を握りしめていたの
何を掴もうと開いた瞬間に
何を逃してしまったの

夜が訪れるたびに
ただまるくなってまるくなって泣いて
( ....
変わらぬ思いを誓い合うために
少女と手をしっかりとつないでその泉を訪れた
母と子のように見えても実は
一卵性の独りっきり
ほとりに辿り着いてふと気づく
少女がいまにも泣き出しそうなことに
 ....
そのようにわたしにメダイをくれた女性と
初めて ほんとうに 会うことになったその日
二人でまるでおさななじみのように打ち解けたころ
すでにそとは昏く遠くのネオンが仄かに西を告げていて
荒れた手 ....
みずうみのほとりで
黒いヒバリになって絶叫している
おんなのひとをみかけた わたしは
自分の最期を青い星と決め
その女性を儚く抱擁した
こっそりあなた宛てのうたを描いた
とてもちいさな
それはたぶんほとんどのひとに解けないはず
けれどあなたなら願いをくんで
きっと――わたしは百年後のさざなみ
あおいケシの花が石の原野でそよぐときわたしは
思いっきり泣いているし
わたしだけの神さまにあやされてもいる
けれど

それは夢でただの夢で
ただの夢でただの夢でいつかはこの
幕間は終わり ....
花も御団子もそして
忘れてはいけない それは
あなた
三択なんてできない
もしも川で溺れていたら
わたし 全部を
熊になって銜える
いらない
いらない
言葉なんて
いらない

いらない
いらない
文字なんて
いらない

いらない
いらない
もう「私」なんて

いらない
いらない世界に
行きたい

 ....
もっぷ(1239)
タイトル カテゴリ Point 日付
東京の風自由詩117/7/16 21:31
「金平糖」 一〇首[group]短歌217/7/15 18:19
だからわたしは自由詩117/7/14 13:34
みなしご自由詩117/7/12 21:32
あなたは東京に愛されている自由詩317/7/11 18:31
ぜつぼう自由詩217/7/9 18:49
生きる自由詩317/7/9 10:17
すみれ日記 07.08自由詩1*17/7/8 19:46
「もう一つの七夕伝説」 三首[group]短歌217/7/7 15:03
「白樺の庭」 二首短歌117/7/7 0:20
「ぼくたちのそら」 四首短歌117/7/6 23:44
あなたから自由詩217/7/6 22:55
今夜は淋しいよ自由詩417/7/6 19:35
七月、七月。自由詩317/7/5 2:51
自由詩217/6/30 20:11
警察に 何度も何度も相談して も自由詩117/6/29 20:24
小夏の恋自由詩317/6/29 19:32
かおるのおと 「あてのなさ故」 七首短歌417/6/29 19:30
かおるのおと 「誤診」 一首短歌117/6/29 19:28
あなたはそらいろ自由詩6*17/6/22 10:19
自由詩317/6/21 9:23
心一つ、星二つ自由詩7*17/6/19 20:45
まるくなって自由詩217/6/19 7:34
すみれ日記 06.17自由詩317/6/17 4:22
邂逅自由詩117/6/16 20:18
みずうみのほとりで自由詩117/6/16 19:40
すみれ日記 06.16自由詩1*17/6/16 2:09
あおいケシの花が自由詩317/6/14 23:07
シャケ自由詩217/6/11 21:15
あやして/午前二時自由詩217/6/10 1:59

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