神さま
私は自分からは死なないです
おやすみなさいまたあした、神さま、神さま、神さま
立春を待ちながら
冬を抱きしめる
いとしさに狂い惜しむ
十月にも秋を惜しんだけれど
秋は秋なのだと{ルビ悟=し}ってもいたから

立春を願いながら
冬と心中したい
できることならば秋も ....
帰りたい
いつでも居たい
どこかにあると思いたい
ふるさと



ポン柑の味の香りの優しさはいつか会いたい母に重なる
遠い日のあの子がわたし冬茜 未来は永遠の一丁目
ときみは言ったよね
だから
それいいね!
って応じたよ本心から
うんうん!
携帯の向こうから聴こえた
あの日にはもう帰れない
きみももう帰らない

未来のどこを ....
きょうのシチューあしたのシチューとかんあ鳴く姿が私のもしかして明日 蠅と越す冬一つあり屋根の下


前髪の一ミリ思う冬菫


元旦の灯りめざして配達夫
かなしみの源泉のかなしさよ
譬えようもないかなしさよ
空すら風景すら映り込む余地のなく
許可を与えず――拒みこばみ
はるかな透明こそが護るべきもの
約束だから約束だったから
遠い日の少女と ....
喧騒に駄菓子屋相場のおやつなし


生きている実感に負け帰宅なう


リア充の着ぐるみ脱いで季語も脱ぐ


よそ者は死ぬまでいても見舞われず


喧騒は代々住む人たちのもの
 ....
わたしはつらい
って君は背中で言うんだね

わたしうれしい
って君は瞳で言うから


あなたにはなにも
隠し事できない

あなたにはもう
嘘はつけない


いまはわたし
 ....
帰る家は夫の独身部屋のままゆえに迷い猫のような日日


蝉たちの歌を覚えぬ朝が来て夫の書棚にサキを見つける


厨房はわが城というわが夫にわかってほしいのサルモネラ菌


夫はいまチ ....
夜想う朝想う昼想う夫わたし死ぬほどヨウ君が好き


クリスマス大人の国のサンタさま夫より短い生をください


夫ついに水虫であると告白しわが足の指に宿命を説く


歌を詠むペン音だけ ....
きれいなうそをつくひとでした
ぼくも苦手だと云い乍ら
わたしが飲めないシェリー酒を
こっそりひとりで飲むひとでした

きれいなうそをつくひとでした
ぼくの夢だと云い乍ら
わたしがせがんだ ....
夕凪の浜で拾ったビードロの小瓶で眠る誰かのいつか


流木と貝殻たちの沈黙の傍らの海を見るガガーリン


お昼寝を漁師にとわにうばわれたお魚たちのしょっぱいなみだ


地平線越えゆく ....
ヒバリの翼が目覚めた日
空ゆく雲は祝福して座を明け渡した
囀る声も高らかに
大きな舞台を謳歌する

揺らぐ柳の影は濃く標され
その枝は優しく枝垂れる
薄桃色の花吹雪に霞む路を
黄色いカ ....
――雑草という名の植物はない
そんなこと言ったの誰だっけ
道端の小さな命 見つけたあの子
遠い昔のあどけない幼子
今はずいぶん大きくなって
片手には重たいかばん
片手には本
難しい顔して ....
住む場所の変わりて水は甘くなりわれ懐かしむ塩素の匂い


きょうからは花野綴じられ立冬の訪れしこと足から沁みる


旅立った秋を追うことゆるされずこの世の生の切なさ想う


みあげれ ....
雪の街を歩きたい
ってあなたが言ったら
本当に降ってきたあの日
わたしは応えなかった

降らない街で
本当に降って

雪は

きれいでした
綺麗だった
降る音も
確かに聴いた ....
君のことを想うと
気持ちが
懐かしくなる

君との夏はついこの間のこと
なのに(だから)

君のことを想うと
しゅーっしゅーっ

モノクロームでしか掴めない
古い蒸気機関車の写真 ....
{ルビ夕星=ゆうずつ}の夕より深い夕が来て十一月の宙の産声


箱舟の群れが港を離れゆく未明という名の{ルビ時間=とき}の幕間


金と銀そしてこちらは銅の夢おさない日日のトラウマが問う
 ....
階段を上り切るともう
下りの螺旋階段
今度はどんな命を戴くのだろう けれど
ほんとうは ほんとうを言っても良いのなら
――永遠の両翼が望みです
もしもその価値が私にないのなら
神さま真夜中 ....
わたしはさよならを言う
リボンに言う
履き潰した靴に言う
一度も使わなかったルージュに言う

遠く北国のきみが 雪だ と言う
未知のどこかの知らないあの子が 雪だ と言う

あ ....
かつての 誰にも言えなかった救いの手
公にしてはならない
あなたに迷惑が及ぶから
やましいところ何一つなくとも
どんなにか
わたしの心をさらさらと
さやかに流れる/流れ去らない
夜空のな ....
花びらちぎってどうするの
命をちぎってどうするの
あなたのその手の中の花
まだ 風の中で揺れていたかった
あなたの恋の行方とは
関係の無い 命
なのに

花びらちぎってどうするの
命 ....
もう何も書かなくて良いと神さまがあたまを撫でてくれる夢をみた。 あしたあなたに提案したい
遺言書を書きましょうと
二人の最後の願いだと
信頼できるひとに託せるような

骨を
二人それぞれの最期の時の
ほんのひと欠片ずつでもかまわない
かならず寄り添 ....
くさくさする夜だった
何もかもがうまくゆかない
できたと思った即興のソネットは
書きとめようとした途端に
すべて蒸発してしまった

くさくさするこんな夜に
あなたにはごめんなさいを繰り返 ....
春に出会う
あたりまえのように
それが君だった
日々があった

見えるものは見えるもので
見えないものは見えないもので

見えるものを二組の目で見て
二人はたまたま近い気持ちを感じた ....
心のなかの晩秋は
村雨ばかりの降りしきる
そこへわたしは土足で立ち尽くし
自らを裏切り続けている

かなしみ屋の通り道で
一等かなしいラブストーリーを と

けれどいつまでも訪れず ふ ....
花野を二分するようにさやかな小川が流れている
書くべきでないこちらのその向こう岸がまばゆい

悪い夢を見た人たちが
今朝を待てずに捨てに来る小川
好まない好めない幾つかからは解放されて
枕 ....
もっぷ(1239)
タイトル カテゴリ Point 日付
ホラーな部屋で眠る前のお祈り自由詩118/1/27 22:28
すみれ日記 01.26自由詩818/1/26 23:12
ポン柑短歌518/1/22 17:19
「冬茜」 一句俳句318/1/19 15:10
風に自由詩318/1/8 20:19
かおるのおと短歌218/1/8 20:16
「配達夫」 三句俳句118/1/8 20:14
約束自由詩117/12/11 16:41
喧騒に何をか夢見んよそ者は川柳417/12/10 11:27
自由詩117/12/10 10:48
「夫の居る風景である厨房の片隅にだけ描かれる吾」 七首短歌1117/12/6 18:35
「初冬の薫風」 七首短歌417/12/6 17:10
そのひとは自由詩717/12/5 16:07
「誰かのいつか」 五首[group]短歌617/12/3 10:46
飯を炊く老婆自由詩4*17/11/17 22:25
今日も風の中で自由詩2*17/11/17 22:02
「立冬二〇一七」 四首短歌817/11/13 23:32
雪は自由詩717/11/11 1:12
君のことを想うと自由詩317/11/11 1:08
「風の止まり木」 五首[group]短歌517/11/10 22:48
敗荷自由詩417/11/5 3:36
さよならリボン自由詩417/11/3 20:45
あなたに自由詩417/11/3 0:23
花占い自由詩2*17/11/3 0:19
自由詩417/10/31 7:30
すみれ日記 2017.10.28 (遺言)自由詩317/10/29 4:15
存在失格 (真夜中の三叉路)自由詩417/10/28 11:53
さよなら自由詩417/10/27 18:09
晩秋の一頁自由詩517/10/25 0:37
泣けば泣くほどに自由詩517/10/22 8:02

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