変わらないものなんてないのだけど
変われないものもある
わたしのなみだの理由はずいぶん変わって
そしてだけど相変わらずだ とか

わたしの住む 世界 はずいぶん変わって
そしてだけど相変わ ....
猫のうたをたくさん描いた日日
束の間のしあわせと平和をしる
それをしるすよろこびが 実は
のちに癒せない痛みとなっても

そのことである
そのことである
そのことである
猫はもういない ....
猫の死を看取って
父の死を看取らなかった
看取れなかった
間に合わなかった
タクシーがいけない
わけじゃないたまたま
道路が

父さんの死は私の最初の死、で
その後に仰天の連続たとえ ....
九年前に書いた詩には
そういえばカナリアのこと
雀のことそしてなにより
鴉をあえて黒い鳥として好んで描いた

詩作の真似事始め
弱いものや厭われるものを
徹底的に痛めつけて そして
そ ....
もう一度夕空と雁行が見たい
それだ わたしの望みと言えば
もう二度と命を捨てようとしない
それだ あの少女との約束と言えば

いま迷っているのは この長すぎる髪を
切ってもよいものかという ....
あの{ルビ娘=こ}は女の子 なのに
選べなかった積み木で建てた家には
花を飾る場所がない
わたしが贈りたいのは
やわらかな色のラナンキュラスの束なのに
どうしたらいいのかわからない

だ ....
西の海に陽の帰ってゆく情景を
一度もみたことがない
焦がれながらまた
首都高に落ちてゆく今日をあきらめている

父さんが大好きだということ
会いたくてたまらないのに、ということ
その父さ ....
もしもたとえば恋の詩を
どこかで発表したならば
こんなに狭いそのどこか
きっと思惑され放題かと

匿名希望のそれ以前とは
全く私の居る場所なのに
なにゆえひろびろ考えて
自分の知るあて ....
心音を確かめにゆく明日まで今夜の夢で胎児になって


椪柑の味の香りの優しさはいつか会いたい母に重なる
この冬は椪柑知らずに過ぎ去って如月終わる春の雨音


季の絵の具ほどくあしたに約束の白い花描く春と名づける


春始発父さんと猫と私の分切符もとめて銀河も超えて


父さんのお骨どこ ....
吐き気を呼ぶバロックが
鍵盤に叩きつけられている
CDジャケットを見ればピアニスト
理由に気づき 音を消した

やすらぐためにそつなく選んだつもりだった
その曲がその曲のせいではなく
弾 ....
かつてきんいろの風渡る風景を持っていた胸には
いま寂寞としたはいいろのさびしさのみ置かれ
泉のなく息吹のなく色彩もない体温のない
さびしさのみ置かれ

帰りたいのに果たしてふるさとがない私、 ....
母を知らない子になって
母に焦がれてみたかった
いくど夢みたことだろう
母を知らない子になって

父しかいない子になって
母に焦がれてみたかった
いくど願ったことだろう
父しかいない子 ....
真実の朝に快晴である
真実の陽光は
残酷である
真実の

何もかもが
なにもかもが
まぶしい
とてもまぶしい

ほがらかに女のそれは
嘲笑ほかならぬ産道のぬめりが謳う
生まれよ ....
方舟に頭を下げようと思った朝
ほんとうにそれでいいと思えた朝
幾時間後にかは打ち拉がれて 死を
見詰めるやもと悟り得てはいても
唯今は春の朝である 平等に花の朝である
この清清しさのどこにも ....
難しいことを求め得る人ほど
しあわせなきょうだけを享けている
たやすいことにすら見放されて泣く人ほど
みつめている三つがある

それはさまざまな三つであり
泣く人の数だけあり
泣く人を泣 ....
かあさん
わたしは誰ですか
昨日は もう弔いました
それでも自分がわかりません

若い桜の樹ばかりの町
そこでわたしは生きています
信じられますか
そこでわたしは生きています

弔 ....
憧れてはいけないと思うし
聞く尊さゆえに忍んでる
私は私でいても良いのだなどと
思い切ることが難しくてもそれでも

夜空にオリオン座がかならずみえてそれが
不思議ではなかったそんな頃
畏 ....
花樒わたしは歩くまた歩く


城址からもしもし父さん三宝柑


残る花いつか歩いた河川敷


灯される頃を選んでさくらさく


愛される理由なくして山桜


夢よりも夢ら ....
哀しさが降りやまぬ
冬の終わり
春の萌すころ
この哀しさに傘は

ほしくない いらない
ぬれて歩きたい
どこまでも続く道
いつまでもの

はずだった きみと
わたしの二組の
雪 ....
そのインコはレモン色で
くれたのは男の子
見知らぬ 男の子
なぜなら前日が クラス替え

中学時代はそういうふうな
忘れたいことばかりがよぎる日々
レモン色は苦しい
レモン色が苦しい
 ....
バロックを聴いているゆうべ
ピアノがやさしくいざなう
夢への世界 扉はすぐ
そこだけれど まだ

開けないで 聴いていたいと
気がつけば夜通しとなった
一人のための音楽会
レコードは回 ....
小川がさらさらと流れていく
時の移ろいを
知ってか 知らずにか
気ままにさらさらと

聴こえるのは それは遠い日
遠い日に見た沈む夕日が
ぽっちゃっと音を立てて ほら
最後の光のしっぽ ....
足りないから 足してゆく
多すぎるから 引いてゆく
どちらがたやすくできるか
知っているかと

こどもたちに質問をしたら
本気の二者択一が返ってくる
ただの思いつきクイズなんだけど

 ....
いじめられてる少年を見た
町の外れのバス停で つい
途中なのに 降りてしまった
いじめている少年を見た

まだ、間に合う
直感したから 手に握らせた
キャンディーだった
キャラメルやチ ....
春一つにっぽんの目と耳が待つ


子と母とその母と会う春の川


春の風父さん遺すバーバリー


ライラック同じ匂いの母子連れ


パリ行きのチケットリラの花薫る


い ....
差し伸べてもらえた手を
泥んこのままで掴んだ
なりふり構わずに
その場で泣き崩れた

好きなだけ泣かせてくれて
好きなだけ食べて良いと
まずは好物の鮭料理を
この姿のままで?

会 ....
父さんと二歳のわたし春落ち葉


独り居が友の名を呼ぶ春の星


君宛てに投函した日しゃぼん玉


猫と居た十七年余春の川


人生の往路復路に花林檎


前髪の一ミリ思 ....
吾が生に菫と名づけ風の歌 父さんと二歳のわたし春落ち葉
もっぷ(1239)
タイトル カテゴリ Point 日付
[group]自由詩116/5/25 19:31
[group]自由詩516/5/23 23:25
[group]自由詩416/5/22 11:51
[group]自由詩216/5/22 11:48
[group]自由詩216/5/22 8:16
心の家自由詩8*16/5/17 23:59
みずうみ #2自由詩316/5/14 15:27
たとえばではなく恋歌を自由詩4*16/5/13 8:42
「初恋」二首短歌216/5/5 6:43
「春への遺しもの2016」[group]短歌3*16/5/3 4:24
バロック卿[group]自由詩416/4/29 19:49
さびしさを剣山で自由詩216/4/25 16:21
母を知らない子になって[group]自由詩116/4/15 12:21
シュール[group]自由詩116/4/15 10:55
絶望からは悠遠く自由詩216/4/15 7:14
家具たちの絶叫のように自由詩216/4/11 23:33
信じられますか自由詩116/4/10 7:20
モノドラマ自由詩316/4/9 5:48
「誰も知らない春セピア」 2016.04(九句)[group]俳句116/4/2 2:42
もうすぐ自由詩216/3/29 0:28
心と言葉自由詩516/3/29 0:25
音楽会自由詩316/3/29 0:21
小川の夜自由詩616/3/27 21:12
夢のしおり自由詩5*16/3/27 20:53
お菓子の魔法自由詩3*16/3/27 20:37
「西へ西へ」 2016.03(八句)[group]俳句216/3/27 15:12
冬の財布自由詩316/3/24 5:29
「想うすみれ」 2016.03(七句)[group]俳句3*16/3/17 21:16
風の歌+俳句216/3/17 0:39
父さんと+俳句216/3/17 0:32

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