行き先の希望言うのをやめてみて確かに着いたここに十年


タバコ屋のおいちゃんが店閉めるってそうして町は暮れてゆくんだ


冬を待つわけは格別ないままに捲る日めくり明日燃えるごみ


 ....
親指が巻き爪だった一週間ビーチサンダル秋の風知る


あの頃にすがることしかできないとみあげる空に同じ月あり


台風が心を壊すほどの日に追憶のなかの秋晴れをゆく


暮れてゆくこど ....
夏が残っているよと偽りを言って朝顔の写真を友人に見せた本当は初夏の写真なんだけどみな信じて、感慨深そうにしている いまさらこれは…と打ち明けることもできずにしまったな、と内心は罪悪感でいっぱいとなった .... 午前二時君を電話で起こしたら四時間前を覚えててくれた


泣いちゃって受話器の向こう筒抜けでおんなじ月を見ようと言われた


デコメ好きバレた後から来るメール時々デコメなぜ忘れるの

 ....
みんなにさよならを言ってまわって
疲れて帰ってベッドにもぐる
時刻なんてわからない
黄昏だったか真っ暗だったか
なぁんにもわからない
ここはわたしだけの場所
やっとたどり着いた
今日の日 ....
履く人はいない
物語はない
存在すらしない

靴、
それは詩句の一つ、
風の薫りのようなものです
本当のことを言うのを失言と大人は諭すこどもの余白に


わかってる何度も読んだ本開き一番いいとこ破って捨てる


明日ならばきっと良い日と思いたい昨日にめちゃくちゃに落ちてる今朝


 ....
音静か眠る時間が過ぎている気づく気持ちは秋を{ルビ悟=し}ってる


生きてみた夏百日紅みぬままに落ち葉をきょうの靴は踏みたい


パソコンに描く絵空事の夏と夏とそうして秋となるのか

 ....
百日紅鶴は千年亀は万年孤独は二十億光年 風あるだけの風景に
一つ案山子がありまして
さびしく村の賑わいを
じっと眺める日日でした

風あるだけかと思ってた
そこに居たのはお陽さまで
一つ詮無く立ちんぼの
案山子に影をあげまし ....
君は、君の時間をくれる
午後九時半ごろ声届く
言葉をくれる
詩をくれる
せいいっぱいの誠実も

心を尽くして
毎日毎日
ひとりで淋しくしてないか
一人を涙してないか
せいいっぱいの ....
冬の手前に立ちきのうをみる
一本の樹の梢に雀が居るばかり
彼らだけにわかる言葉で
話をしていて

ほかに息吹きの声はなく
かといってコンクリートなどもなく
荒野というわけでもないここは
 ....
揺れる穂は黄金でした身の丈を思いつめてた遠い瞳に


みる先にレンゲシロツメ微笑んでひとり上手と夕陽とシチュー


白い靴手放したのは誰ですか問われてのぞむあの日遠くて


まなざし ....
なんにもない場所で佇んでいる冬とは対照的に
待ち望まれていた秋がシャンデリアのもと自意識過剰に笑みつつ
深夜の鏡に自分を映し深紅の薔薇へのまなざしをして
まだ気がついてはいない

季節風すら ....
うたうべきはポッケのなかへしまいこんで
なみだだけを友達に夕焼けを待つ
そんな女の子がいたんだけど
そうそれは十二年前のこと
その子にもしもまた会えたならきっと
今度こそうたってねって頼もう ....
東京に透明な孤独あるものかされど孤独に色あるものか 少ない数の河川敷への道のりがあって
少なくない枚数のなみだがあった
手の爪を切って足の爪も切って
生きている生きていると唱えながら夏を越えた

母さん、と
生者へ呼びかけることのなく
父 ....
廻らないあのキッチンが秋の朝


過去の仔を想って過ごす夏終わる


父さんを捜してPCマイピクチャ


早起きしすでに君宛て保存する


玉葱になんのかなしさ見当たらず

 ....
陽当たりと静けさを求めてこの
大きくも小さくもない寂れた町に流れ着いたおばあさんがいました
南西角の四階に住んでいました
階段の最上階です
知り合ったのは近所のスーパーマーケット
あまりに荷 ....
どうしても会いたいという切実を部屋が知ってるテディが視てる


土日がこの世で最もつらい日日なぜと言わないあなたに言わない


過呼吸にエレベーターは狭すぎてあなたの分も呼吸してます

 ....
アメリカン・イングリッシュのかなしみのゆきつくさきのネイティブ不在


遠い日の記憶のままのアメリカはカリフォルニアの良いところだけ


どこまでも続く平野の真ん中の無人の駅にアメリカを{ ....
かなしくてなみだをこぼす闇のなか気配はきみのただの面影


アルバムに辿るあの日のよろこびもいまは一人の愚図のため息


二十四わたしの歳はその時に綴じこまれてるスチールのまま


 ....
青空と呼ぶのはたやすいことだけど本当にこれは青なのですか


週一度通ってくれる看護師さんわたしに触れる唯一のひと


晴れるかな空をみるため扉開け一歩だけ出て知った八月


詩と書 ....
大空を切り裂く百舌の軌跡あり


みどりごが喋った喋った花畑


{ルビ末枯=うらが}れに手を差し伸べて日が帰る


秋蒔きの汗を愛しむ空の神


丁寧に過ごす真昼に小鳥来る
 ....
スカイツリー木陰で仰ぐ花一輪


灯る燈に明日を覚えて眠る猫


波音に誘われてみるみどりごよ


その青に秘めるものありインク花


ゆく夏に惜しまれながら百日紅


 ....
遠くなる空の頃にはもういない夏のひかりは恋のトリガー


八月にあと十日ある暦みて七月の長さ蝉と比べる


みあげるといつものままの夏の空きのう見たのが二年前でも


東京じゃない場 ....
紫陽花の枯れ果ててあるきょうの昼わたしは外へ帽子忘れて


包んだら届くのかなと丁寧にリボンもかけたひと夏の夢


もう咲かない閉鎖し工事中の場にもう咲くことのない君の名は


まだ ....
西方に下弦の月あり夕暮の空惜しみつつ北へ曲がりぬ


窓の外聴こゆる音分け解しをりきみの音のみ供養塔より
遠ざかる汽笛がみえた一枚の写真に写る撮ったひとの耳


朝の空占いは好きじゃないけれどいつかみたのはすみれの色で


風ならば南の風になることを絵本と決めた六歳の部屋


夕焼けが好 ....
朝顔の種こぼれたよ猫が鳴く


路地裏に秋を届けて落し物


みえなくてみようとすると秋逃げる


木漏れ日に老後知らない秋の蠅


コーヒーの薫りで帰る五年前


きょ ....
もっぷ(1239)
タイトル カテゴリ Point 日付
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十月のノートから1 (十首)短歌513/11/20 23:53
緞帳芝居携帯写真+ ...613/11/8 20:26
てんびん座の夜 (十首)短歌613/10/31 13:05
カップ麺生活少女自由詩14*13/10/31 11:46
自由詩413/10/30 21:55
九月のノートから2 (十首)短歌613/10/30 12:52
九月のノートから1 (十首)短歌313/10/30 12:49
_短歌313/10/30 11:22
案山子自由詩413/10/27 1:46
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おさなごのまなざし (九首)短歌6*13/9/28 18:35
たとえば九月みそかの自由詩713/9/28 4:38
会いたかった自由詩613/9/27 4:26
_短歌213/9/27 1:36
Word2010の場合自由詩613/9/27 0:52
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日記「七月」3 (十四首)短歌313/9/15 12:54
題詠「アメリカ」 (十四首)短歌2*13/9/15 2:13
小石も混ぜて海に沈める (十首)短歌4*13/9/14 6:41
八月の残照 (十五首)短歌6*13/9/14 6:34
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傘を捨て (六首)短歌313/9/7 15:38
五年前 (六句)俳句513/9/7 15:27

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