カーラジオも海辺を行けばしょっぱくなる お金がまるでいらなくなって
ささやかな幸福で生き延びてしまう人に凭れて生き延びる国
いつからそんなに悪い子になったの、なんてジャンヌ・ダルクが生きてる証拠
生まれると選べなかったあなたには悔いる資格もないはず、だけど
遺伝子を運ぶ気はもうないのだがこういうものなら運んでもいい
村一番のあわてんぼうに洗われてしわくちゃになるミシュランの星
私とは、たとえば貝を操って遠くへ運ばせてゆく貝殻
詩を書いて
死にたくなって
又書いて
又死にたくて
又書いている
....
ほらあのさガードレールの根元からひょろひょろ伸びる蔓のことだよ
パン屑のかわりに記号の断片を撒きつつ歩む ここもまた森
何を食べても結局はこの身体になってしまうというつまらなさ
飢えてから齧ったパンの耳はそりゃ旨かったけど、だからと言って
分け入れば分け入るほどに遭難の確率が高まる青い山
人生が台無しだってビラをまく帰りにすれちがうトルネード
情報は、しかし溢れた方がいい われらを未来へ押し流すほど
システムは思想じゃないので考えを変えても脱け出せたりしないです
人はいう必ずあると宝島、手繰るそうそうたる言葉たち
生きている、という異常な状態がまだ続くので写真を撮った
なめらかで白くて丸い快楽が発売と聞きやって来ました
ジャイアントパンダを見ると思い出す武田久美子のデカイ乳輪
君の書く「君」は私じゃないのだが君は私たちに宛てて書く
しかしこの無意味な生を ぱりぱりと海苔を砕いて飯に混ぜつつ
深淵はあらゆる足の下にあり、ほとんど大地のように確かだ
人間を超えた何かに記憶され……たくなくもない気がしたりして
湯豆腐を食べて体が温まる年末年始の寒さは痛い
大晦日今年の重み消えていく身軽になった頃に新年
鍋料理家族みんなで鍋囲む野菜嫌いの娘良く食べる
コーヒーは店によって味違う好みの味を探す ....
一つ首なんで短歌は数えるの命をかけて詠めというのか
止めどなくなみだあふれて頬つたうそんな涙を流してみたい
ヒトがこの形を脱ぎ捨てるまでを見たかったなあと剥く落花生
深く暗く瞼とざせば、うん、そうね、世界はこんなにも美しい
ぼくたちは
わけもわからず
きがつけば
うしなわれた世代だと
そうくくられていた
本当に
今更なのさ
もう既に
すっ ....
しなやかな四肢で彼女は舞い狂う 猫を孕んだ女神を擬して
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【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
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