水平線が欲しいと泣いた
混ざらぬふたつが眩しすぎ
泣くしかなかった
空は碧に準じて深すぎて
....
君に煙が届かないよう
そっぽを向いて煙を吐いた
本当は違う
視線外して吐き出したのは
長いため息
君の我が儘、僕のエゴ
どうしたら
分かち合えるんだろう
言いたい事もまとま ....
この1年
よくひとに裏切られた
ひとり、ふたり、
さんにん、よにん、
ごにん、ろくにん、
みんなつらかったんだろう
みんながまんしてたんだろう
ぼくは走り ....
まだ若いからだの頃
営業車へともどる夜道に
清烈な花の香がした
まだ相俟みえぬあなたに
届けたくなっていた
僕だけのものにする為に
その小さな花々を毟り
車内にそれを舞い落とす
生ま ....
ふぅ〜
誰かのため息が
うなじをくすぐる
振り返ったら
黄色くなった“春”が立っていた
眼は真っ赤に泣きはらし
皮が捲れて鼻水が垂れている
あぁ〜
私はポケットから ....
涙だけをためた洗濯機に
渇ききってしなびれた心をつけ込んで何回もまわした
でも脱水するとまた、しわしわになり・・・
風にさらせば、パリッパリにまた乾く
*
じゃ口 ....
震災関連番組を見ている
私の背中に
六歳の娘が不意に覆い被さってくる
今朝思い切り叱られて
「ママなんか大嫌い」と
涙を溜めた目で私を睨みつけていた娘が
「ママ、大好き」と言いながら
....
130314
まずはおめでとう
年度末は
がんばったねぇと
誰かが祝杯を挙げる声もして
今日も花霞の空が続く
花と空と地との境目も無くなって
夢のような ....
しどけない午睡から醒めやらぬ眠り姫は
一人寝の孤舟の岸辺で戦の終わる日を待ち続けて
夕陽をぼんやりと眺めていた
眺望のよい塔のうえに幽閉された魂は自分の捕虜としての価値も知らずに
幼い時に ....
窓を開けると校長先生が欠伸をしていた
校庭ではポニーテールが僕に微笑んだ
片えくぼを連れて
まだ風は冷たかったが沢山の蕾が輝いていた
遠くの山では雪も消えはじめ
柔らかな表情へと ....
月は淋しくて蒼い光をそっと流すのだった
夜は哀しくて汽笛をひとつ響かすのだった
風は切なくて切れ切れに吹いているのだった
君は懐かしく僕の思い出の窓辺に座っていた
仄白い水仙の ....
ははーん 友達減らす作戦決行中だな
生放送に空気読めない素人がいる
月がパントマイムしている
伊東の老舗・東海館で
和室の窓外に、ゆらめく川の{ルビ水面=みなも}を
一羽の白鷺が横切った
一枚の枯葉が今
枝先を離れ、ゆらめく川の水面へ
身を{ルビ翻=ひるがえ}し宙を舞う ....
暗がりの映画館で
白黒のスクリーンには
だぶだぶの燕尾服に
しるくはっとのチャップリン
ふらりと現れた酔っ払いと
ふとしたことから口論になり
胸ぐらつかみ、胸押しあい、もつれ ....
巨大な風車の影が
枯れた笹原と採石場と
牛舎の上を繰り返し通り過ぎて行く
くねくねと形を歪めながら
くねくねと
大地の歪みをなぞり
絶え間なく地を這う影は
まるでコトバ
人の心 ....
季節の足跡が白い凍土となり
剥がれた絵の具のように
海鳴りが景色に仕方なく張り付いている
此処には君はいない
それでも此処は君のいた場所
今日君はい ....
きのう駅までの坂道をのぼりきったところで倒れた
こんな感覚はじめてだった
喫煙所のスーツたちが対面の病院に連絡してくれた
あまりに近かったものだから乗用車で迎えに来てくれた
そのあいだも馬鹿み ....
乳色のひかり影とかす
歩くひと皆看板のよう
裸木がしんみり見つめている
血圧悲しく乱高下
とどめてるだけで
副交換神経最悪
あっ禁煙そっくり
南風みたいな ....
単純なことほど難しく
複雑なことは解らない
無器用なことを言い訳にしながら
いま退屈が僕を殺そうとする
出来ることと出来ないことの境目には
いつも壁があるから
仕方なく ....
チェシャ猫はティーパーティーが大好きでした
アリスも呼んで午後のひとときをなごやかに過ごしたら
白ウサギが言いました
すでに時は来たりまた次の物語を綴らなければ
不思議の国は終 ....
空を見上げる
あなたの隣で
わたしは
深い海に沈んでいく
夢を語る
あなたの声を聴きながら
止めどなく
涙を流している
相容れない
対極の感情がある
二分化した心は
....
鉛色の空に佇む
影法師がひとつ
アスファルトに落ちる
希薄な空気を呼吸をして
吐く血痰
地べたを這う風に
ゆらゆらと揺らめいて
逃げ込める隙間を探している
瑕疵な魂は
誰にも ....
村上春樹ではない僕の風の詩を描こうと思った
ラヴェルのモダンなピアノ曲を聴きながら風を思った
風は自由だ
あくせくしないし
僕たちは単純に生きる事を学べるのではないだろうか
ゆるやか ....
夜でもない朝でもない
真昼が俺にはお似合いだ
納屋の小麦を盗み喰う
そんな手口もいたについて
俺は名無しのガスパール
尖った爪で花を摘み
あの娘の窓辺に飾るのさ
誰ともし ....
回収する気のない伏線を張る
人気者が勝つ仕組み
それはあなたの不在より
戻ってくる沈黙が
のしかかるあいだ
かくも連ねて
欲望のあいうえおの全貌から
「ん」でふんばってる「人」よ
みえる領域に
何云うつもりないなんて
何云 ....
{引用=
春は、阿修羅の使い
むごたらしく やすらかな眠りをさまたげる
*
誰もが
ぬくもりの休息の時に、永遠をしらず
蠢きだす
けし ....
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