手稲山の頂辺りに白いものが見える
――書置き 今朝早く来て行ったのだ
見つめる瞳に来るべき冬が映り込む
雲間の薄青い空
氷水に浸した剃刀をそっと置かれたみたいに
張り詰めて でもどこか 痺れ ....
あたりを探してしまう

記憶からはじまるここではない世界

懐かしがることも

未来を夢想することも

むなしくならないように

あの音楽を聞いている

恋や授業や催しに

 ....
きのう花屋にたちよりました
シクラメンが並んでいました
もうこんな季節なのですね
疲れていたのですが
明るい気持ちになりました
最近、花を見るのが好きになりました
チューリップの球根でも買 ....
ひたすら
ひたすら

鬱々と

ざらざら
ぐらぐら

眩むほど

身体と
思考と

分離して

何も
手につかず
何も
纏まらず

ただ

ただ

秋月 ....
この灰色の朝に
雨滴の落ちる
葉から葉へ
落ちた雨滴
つーぅと滑り
拡散して消える

繰り返し繰り返し

靄の中へ
手を振り
消える
君の姿
一瞬見え
はっとして
ベンチ ....
{引用=ひび割れ}
雨音は止んだが
雨はいつまでも
乾くことのない冷たい頬
満ちることも乾くこともなく
ひび割れている
  悲しみの器



{引用=天気雨}
泣きながら微笑むあ ....
朔太郎住居跡へゆく、途中
路面にくしゃり潰れた柿はあり
(種は、離れて落ちており)

あわれな柿の橙色の只中に
くっきりとした{ルビ蔕=へた}の渦巻く瞳が
遠い過去から
しゃ ....
シルクの雨が
詩っている

やさしく語り
諭している

ほそい糸が
秋の景色と重なる

白い線ふりしきる
見上げるそら

やわらかい
まるで母の懐のよう

絹のように
 ....
憧れと郷愁の感情は
対象を全く欠いたままに
どうしようもなく湧きあがり
魂の奥処に垣間開く
渦巻く宇宙の輝きの余韻
響き木霊し流れ出す

そうしてまた、

森羅万象と繋がり合う
止 ....
公園で

夜のベンチで

おとこがきもちを冷ましている

仕事や人間やじぶんも含めたまわりや未来

おとこがきもちを冷ましている

夜のベンチで

公園で


何度みつめ ....
静かな静かな夜陰の時に
涼風秘やかに空気を揺らし
懐かし憧れの未知からの訪れ
還流しながら予感に巡る

余りに忙しい社会の営み
余りに貪欲な資本の増殖
逃れ逸脱、寡黙に落ちれば
戻って ....
今日がその日なら
     靴はそろえて

笑い顔で笑い泣き顔で泣く人の
歯に挟まった敗者の長い髪の毛を
結びつけた中身のない御守り袋が
まだ乾かない粘土の心臓をまさぐる赤ん坊の手だ
無 ....
静寂に満ちた神聖な森の気配
その圧倒的な深い森に包まれた時
今の私たちが忘れかけていた
大切な記憶が蘇ってくる

ずっとずっと昔から
人は森と共に生きてきた
私たち一人一人はこの森に生き ....
不思議の森を歩く

ぼくの世界は既視感でみたされ
ぼくの記憶は整理されてたたずむ

ぼくの未来は予感され
ぼくの狂気はひた隠しにされて

ぼくの愛は調整され
ぼくの調理器は壊れている ....
秋なのに夏のような暑さだ

この日の朝は

異国で迎える朝に似ていた


この次元にいる哀しみ

過去のこと

環境のこと

身体のこと

だからこそ感じる歓び


 ....
深夜に目覚めて
静けさに包まれ
すっと覚醒に馴染んでいく
じぶんが居る
 
疲れ果てて
早々と眠りに落ちたのに
今は力漲る己に
不思議な感慨を覚えながら
夢のない眠りの底で
宇宙の ....
ずいぶんと深刻に
悲観的に悩んでるけど
どうしたんだい 
意気地がないね
もっと気楽に
のんきに暮らしてみないかい
要領が悪いだけだよ

たいしたことはないさ
そんなことでくよくよし ....
神無月 湖畔の七竈は
たわわに赤い実をぶら下げ
紅葉が始まっている

見上げれば 艶やかな山法師
実は甘くて美味しいが
何故か 鳥はあまり好まず

足元を見やれば
ぴかぴかの山栗が
 ....
肉身の疼く
今宵の静けさに

心は乱れ不安に駆られ
詩と死と戯れる余裕すらなく

焼酎を二杯、三杯と

焼け付く視野に
蜘蛛の巣張り

払いのけても払いのけても
辺り一面の糸は ....
死にたくはない蛇も
野山の小さき神として生きていれば
その水性高き躰を痛めつけることもなく

死にいそぐおろかなやつとして
(想像上の)指をさされることもなく
泣けない赤い目をぬらし
最 ....
生まれたばかりの朝に
人々の小さな営みの息づかい
まあたらしい魂の叫び

生まれたんだな
なにかが
よろこびも かなしみも
よちよち歩き

疲れきった夜までは
まだ時間があるようだ ....
独りに寛ぐこの真夜中
静けさに浸り込み
意識 泳ぎ出す

外界と内界の堺が崩れ
記憶の億の奥へ 遡行し始める
一方で
編み戸からの涼風 すぅすぅと肌を撫で
森羅万象 その形象を流動させ ....
あなたの顔は童話みたいに分かりやすくて
いつまでも 謎のまま

パラパラとページをめくる日々
いい加減で 面白くて

障子紙で漉したやわらかな光の砂時計
始まりも終わりも確かにあったはず ....
開けっ広げの空からもったり雲は垂れ
街を行くコートの薄い色味が流れて溶けた
――秋だと言わせたいのか
枯葉のようなボートに突っ立った
底の見えない 危ういバランスの

冷たく仰向けだった大 ....
山を愛する人は
美しい山の景色を
心の中に持っている
海を愛する人は
広い海の景色を
心の中に持っている
空を愛する人は
青い空の景色を
心の中に持っている
故郷を愛する人は
懐か ....
アフリカの仮面の下で夜が流れていた
どぶ川で切った足から火の霊が入ると
真っ赤なオタマジャクシが身動きできないほど
か細い血管を遡り小さな手足を生やして泡立った
新月と時計の針が向かい合う
 ....
緑の香を乗せた風が
涼しく撫でる 私の腕を
揺れ動く木漏れ日が
温かく照らす 私の指先を

不思議なことだ

こうして静かな朝を迎えられること
目の痛みも今日は不思議と収まって
柔ら ....
煽り煽られ踊る火に
鳴りやまぬ枯木林の
奥の奥
紅蓮の幕は重なり揺れて
熾の{ルビ褥=しとね}はとろけてかたい
静かに 微かに 
波打つ青い心臓のよう
円くなって まどろむ
火蜥蜴は涼 ....
なんだかなぁ
目は痛むし心は鬱だし
何にもする気にならねぇなぁ
五十七の歳を迎えたこの九月末

外は青空いっぱいで
光が熱持ち降り注ぐ
道を歩けば金木犀の香
甘く甘く漂って
夏と秋と ....
人生の秋をゆくわたし

初秋の畑にコスモスが揺れていた

若い日に見たコスモスの色とは違っていた

わたしの心の色も変わってしまった

目に映る世界の色も変わってしまった

なぜか ....
ヒヤシンスさんのおすすめリスト(2301)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
白髪の朝- ただのみ ...自由詩13*17-10-18
私を離さないで- 吉岡ペペ ...自由詩617-10-16
- 星丘涙自由詩4*17-10-16
秋月夜- 綠春自由詩317-10-15
雨滴(改訂)- ひだかた ...自由詩517-10-15
秋の雨/感傷として_五編- ただのみ ...自由詩16*17-10-14
馬込文士村にて―萩原朔太郎住居跡―- 服部 剛自由詩217-10-13
雨音- 星丘涙自由詩6*17-10-13
中庸の歓喜- ひだかた ...自由詩1217-10-12
おとこがきもちを冷ましている- 吉岡ペペ ...自由詩1317-10-12
新生- ひだかた ...自由詩617-10-12
今日がその日なら- ただのみ ...自由詩7*17-10-11
古の森にて­- 忍野水香自由詩417-10-11
不思議の森を歩く- 梅昆布茶自由詩1417-10-11
Solitude- 吉岡ペペ ...自由詩517-10-11
深夜に目覚めて- ひだかた ...自由詩717-10-10
のんきにやろうよ- 星丘涙自由詩3*17-10-9
神無月- 忍野水香自由詩217-10-8
吐き出す- ひだかた ...自由詩4*17-10-8
蛇の彼女- 秋葉竹自由詩417-10-8
- 星丘涙自由詩16*17-10-8
深夜意識断片- ひだかた ...自由詩717-10-8
童話の二人- ただのみ ...自由詩8*17-10-7
バランス- ただのみ ...自由詩5*17-10-4
心の景色- zenyama太 ...自由詩2*17-10-4
アフリカの仮面の下で- ただのみ ...自由詩9*17-9-30
初秋に詩を促され- ひだかた ...自由詩5*17-9-29
サラマンダー- ただのみ ...自由詩15*17-9-27
掛橋(改訂再録)- ひだかた ...自由詩817-9-27
心の色- 星丘涙自由詩5*17-9-25

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