遠い夏
街で見かけた少女
名前も
どこに住んでいるかも
知らないで
ただ精一杯
目で追うことしかできずに
それっきり
夢で逢えたらと願いながら
叶う事もなく


今日(四十年後 ....
二度と無い(今日)を刻印しよう
ないふのエッジの上で
両腕の翼を広げいつのまにやら、綱渡っていた
無重力な――小人のぼく!

ぎりぎりの日々を
あんのんと{ルビ胡坐=あぐら}かいて
呆け ....
もしこの一瞬が
輝いているとしたら
それはなんと荘厳なんだろう
哀しいのだろう

夏の最後の日
青春は
見事に
散った

ミモザの咲く森で
逢いましょう
哀しみと共に来り
哀しみと共に去っていく
あの人は誰?

夏の暑い日
爽やかな哀しみと共に
私に涼を与えてくれた
あの人は誰?

苦しみも痛みも
爽やかに消し去ってくれた
あの人 ....
時の過ぎるのを忘れ
畦道にしゃがみ
ひらく瞬間を待っていた
山の向こうに月が姿を現すころ
何かが限界をむかえるように
耐えていたがくが
プツリと裂けて
薄黄色い花びらが
ふるふる ....
その少女の瞳には
空白の明日を覆い隠す…不安と
不安の奥底にゆるがぬ
一本のすじが、通っている

少女はすでに、聴いている
得体の知れぬ煙の塊を
明日へ投げ去った時

ふいに訪れる、 ....
僕の部屋には
あの頃のBensCafeの朗読会で
幾千人もの詩人が
笑いと涙の肉声を語った
黒い小さな舞台が
壁に、立て掛けてある。
所々に薄くペンキのはげた
その聖と醜の混濁した
皆 ....
ものごとを特別にするのは人の心だ
ある日を他の日と区別するのも
季節と年月
朝と夜
何処から来て何処へ往くのか定かではない
時の流れは顔も姿も見分けられないが
確実に摩耗させ消し去ることを ....
風が聞き耳を立てている
囀りは力なく水滴に跳ねて
その術を忘れたかのよう
石は本来の姿を取り戻した
木の根元をのそのそシデムシが
葬式帰りの太った男のように歩く
異変 ではなく
変わらな ....
遠く 花火の音がする
――美しい闇の舞台
  光たちの素早い集団行動
ここからは見えないけど
どこかで
手をつなぎ
見上げている男女がいて
はしゃいだり
肩車されたり
こどもたちもい ....
わたしの中の赤ん坊がむずかり出した

わたしの中の幼児が仰向けになって手足をバタバタ

わたしの中の小学生が精一杯下品に悪口を言う

わたしの中の少年Aがナイフをチラつかせ睨む

わた ....
  温雨


雨に洗われた
針葉樹の隙間から顔を出し
ヒヨドリは不思議そうに首を傾げる
蟻の休日
うつろな目をした夏






        一緒くた


    ....
路面に無数の石は埋もれ
ひとりひとりの石の顔は
瞳を閉じて、哀しみ唄う

この街には色がない
(透きとおったビルの群)
この街には声がない
(透きとおった足音の群)

いつからか
 ....
古いガラスのように蒼ざめて鳴り響く

 ――あれは なに?


       掌の海から跳ねる両目を失くした魚
           それは
テノヒラ 温かすぎる子供のテノヒラで
   ....
万年筆の血液が乾いてしまったようだ
無理もない
数年うっかりと放っておいたのだから
いちにち、はとても長いくせに
すうねん、は
あっという間に感じるのはなぜだろう
風、が通り過ぎていく
 ....
          草葉に風の足音
夏の光の深い底で焼かれる虫たち
夜に置き忘れられた
艶やかな目に乾いた夢が映り込む
生と死の歯車が柔らかく噛み合って
素早く回転する
  濃厚で豊満な匂 ....
見えなかった

どうしてだろう

愚痴をこぼし

不平不満ばかり並べていた日々

さえぎられていた視界に

何を見ていたのだろう

誰と比べていたのだろう

私は祝福の中を ....
詩人の魂は宙を漂う

世界の響きを繊細に読み取り

心の琴線の僅かな震えを感じ取る

言の葉の海に身も心も投じ

狂おしく悶え苦しむ

時に歓喜の旋律を奏で

時に絶望の闇の淵 ....
ティーポットにそっと忍ばせる
その秘密が彼女には宝石すぎたから
一番上等なカップ&ソーサーでもてなしながら
待っている
誰かが口火を切るのを

「あらご存じなの?

頬は上気して 
 ....
夏の窓辺に座り
そして
待っていよう
ポエジーを

最後にして最高の夏が来た
アンドロメダから夏が
僕は君の心に
夏の焼印を刻んだ
ただ
君の返事を待つ
そう
今年の夏は
待 ....
大海原に浮かぶ月
足元の砂に
ちりちり打ち寄せる
光の欠片

溶液になった
クラゲの悲しみ

強いひとにも
朗らかなひとにも
悲しみはある

それは弱さでも
やま ....
夏の夜の旅先にて
ふらり、身を入れた店で
フォアローゼスの水割りを傾けながら
もの想う

もうずっと探してる
あふれる時を

氷がからん、と合図して
ようやく僕は、目を覚ます
瞬き ....
神話が語らない
占いの及ばない
誰の願いも届かない
遥か遠く
暗く冷たい空白に
在って
在るからこそ放出する
己の核から外へ外へと溢れ
続け 続けて
やがて尽き果てた
非在の残像
 ....
わたしの死角をひとひらの蝶が往きつ戻りつしていた
目の前に広がる森の少し分け入った辺り木漏れ日にあ
やされながら成熟した木々の裾に纏わるつややかな若
木の葉は森の外観とは対照的で光を透かして淡く ....
くっきりと
光と影
鳥がくぐる
風の小窓
暑くなる予感

離れてそよぐ木と木 
その根が見えないところで
触れあって
幼い蝉のまどろみ
光の夢の歌声を聞いている

木はそ知らぬ ....
あの夏
潮の香りが漂う蒼い夜に
渦巻く星たちに包まれていた
蘇る遠い記憶を手繰り寄せれば
遠くから潮騒が聞こえてくる
燃え盛る太陽は凍り付き
熱帯夜に線香花火が燃え落ちている
私は水平線 ....
風が流れる
草木を揺らし花びらを散らし
風が流れる

雲が流れる
陰りを運び雨を降らせて
雲が流れる

水が流れる
岩を削り土を掘り下げる
水が流れる

人が流れる
道が整い ....
情けない

評価ばかり気にしていた事が

そんな生き方が情けない

嫌われても

けなされても

自分の道を歩めばいい

自分を失うな

飾りすぎるな

私は私の道を行 ....
ジムで軽く汗を流した後でも
僕は特別な人にはならない

僕の専門はロックだが
知性に裏打ちされた感性で生きてゆきたいと
思っている

ジョーきみに言いたいんだ
書を捨てて街に出よう
 ....
むかしむかし 暗黒の世界に 満月が生まれた
青白く闇を照らし 人は詩を詠むようになった
狼はその光に 遠吠えながら 仲間を呼んだ
満月の夜には 事件が起こり 語り継がれた

むかしむかし 乙 ....
ヒヤシンスさんのおすすめリスト(2301)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
少年少女- ただのみ ...自由詩8*16-8-10
鳥人間- 服部 剛自由詩116-8-9
最後の夏- 渡辺亘自由詩116-8-9
暑い日- 渡辺亘自由詩216-8-9
待宵草_- Lucy自由詩17*16-8-8
揺れる、瞳- 服部 剛自由詩316-8-8
僕等ノ星_- 服部 剛自由詩116-8-8
推定無題- ただのみ ...自由詩7*16-8-7
なにかが見ている- ただのみ ...自由詩7*16-8-6
花火- ただのみ ...自由詩8*16-8-3
憂鬱なマトリョーシカ- ただのみ ...自由詩6*16-7-30
夏と雨の短詩・五編- ただのみ ...自由詩10*16-7-27
透明の街- 服部 剛自由詩216-7-26
絶望の希望はただ乾いたピストルの音- ただのみ ...自由詩7*16-7-23
ふたたびの夏- そらの珊 ...自由詩14+*16-7-21
火葬詩転生- ただのみ ...自由詩13*16-7-20
盲人- 星丘涙自由詩6*16-7-19
詩人のイメージ- 星丘涙自由詩7*16-7-18
ここだけの話だけど- ただのみ ...自由詩3*16-7-16
- 渡辺亘自由詩116-7-16
水母- Lucy自由詩12*16-7-14
夢ノ声- 服部 剛自由詩316-7-14
星は美しく滅ぶ- ただのみ ...自由詩10*16-7-13
入口・・- ただのみ ...自由詩4*16-7-10
入口・- ただのみ ...自由詩8*16-7-9
思秋期- 星丘涙自由詩4*16-7-8
流れる- ただのみ ...自由詩5*16-7-6
正直な詩- 星丘涙自由詩7*16-7-5
君と話したい- 梅昆布茶自由詩1116-7-5
満月の物語- 星丘涙自由詩4*16-7-4

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77