愛すべき息子へ
いつも心にこの母の愛を感じながら
常に強く生きていなさい
振り返ることもせず
ただ前を向いて歩いていきなさい
現実を肌で感じ
夢を諦めそうに ....
もし僕が君の瞳になれるとしたら どういう世界がうつるんだろうか
もし君の心が盗めるとしたら どこに隠しておこうか
僕は身に余る沢山の夢を持っていた 海の向こうに新しい地平線が見えていた
....
仕事から帰宅したら タイマーでひんやりしているリビングに赴く
猫たちが 御主人様おかえりなさいなどと云わず
御飯くれ御飯!御飯!と絶対に云っている
暑くて疲れています
UVのパーカーを ....
夕立は突然やってきて
落雷で鉄道の
運行が遅れている
雨宿りをしながら
駅の改札口で彼女と
待ち合わせをしていて
たくさんの
雨粒のなかには
彼女の残像を映す
きっとひと粒の
....
そら
くう
から
空
変換キィで
世界は変わる
くうですか
くうですね
ひとしくみんなくうになってゆきました
昨晩はよくふりましたなあ ざんざばらん
おかげでからっ ....
涼みを乞う 安寧の片隅に松明の炎 温まってゆく脳内温度
この時代を綿密に計算を弾き出し 宿い 瞳を開けた
何気なく途方も暮れず 穏やかな天性は決意を極めることもなく
どんな川にも流れ方向を拝 ....
白いおこめをぼくは買った
あなたのからだよくなるように
白いおこめをぼくは買った
二人のいのりかわされるように
シャケのおにぎり
緑のブロッコリー
小さなお弁当 ....
ふたり見た満月は
地べたに虫の声
きょうも一日ずっと
あなたを想ってた
ル、ル、ルール
鈴虫の声が吹く
ル、ル、ルール
幸せなはふたり
ル、ル、ル ....
二十歳 西海岸から颯爽と流れ風に沿い 風に乗る
恋愛体質の欠片のない二十歳 BGMを探しながら ドライブする
私は明るみの黄色いドライバー 州を跨いで時差を呑み込み
異文化が宇宙へ飛び出す前 ....
恵方巻きを咥えて待っている
僕は夢見る人が好きだ 当然僕もその種族だろう
ただ夢を見ながらも 自分と正対できたらいいと思っている
夢を見る自分を受け入れ それでも夢を夢となずける強さがあれば
毎晩暑苦しくて 真 ....
真昼傾き 首も傾き
燃え上がる厚かましい温度 脳の涼みが分泌されない
真昼空にカモフラージュされて泳ぐ満月
昨夜はフラスコの中の液体を気体を 雇ってもいない錬金術師が
徐に首傾げ こっちを ....
錬金術者が月面裏に潜んでいるのが 映っている
巧みに調合をさせた 得体の想像に皺の夜 眉間
悩み試案の中のフラスコと月中枢
媚薬を小指で混ぜる 雲は実験からの煙 燻らすうてな
一番深いク ....
ぼくが寂しい夜はみんな都合が悪い
小学校の新学期のような香り
ニスの塗っていない木晒しのカウンター 両サイドに詩人
木漏れ日は蝉の亡霊と小春日和 ぬくぬくと光は木霊する
カウンターに座り 両サイドに詩人 語りを始める
....
信州の古城の櫓跡から
千曲川を眺める
川面の風景の上には
大きな空が広がり
風が吹きわたる
風に膨らまされた空は
何も言わず、僕の頭上にある
古戦場の舞台となった古城
望める山 ....
ただ頷いて微笑うのはおりこうさん
泣きながら問い詰めるのはおばかさん
ひとつ問題があって
ものわかりのいいひとの粒子は
少しずつ崩壊している
淋しさをこじらせると
言葉すら思い浮か ....
うちわであおがれひざ枕
これにまさる涼はなし
お礼に西瓜でも切ろうかしら
私の耳の穴をさわっても
なにもでてこないんだ
脳内を今日のかけらが
さらりとながれる
君の耳のかたちの
しまをめぐれば
世界ににたけしきが
耳からきざまれる
あしたへゆこう
....
涼それは
沸騰している中身(こころ)を
落ち着ける小さな風鈴(ねいろ)
涼それは
身体を刺すような棘(あつさ)を
癒す青い海(ぬりぐすり)
涼それは
のしかかるような熱風(おもさ ....
黙って水を口にして。扇風機の回っている部屋で、借りてきたばかりの本を読みながら、僕はたまらなく切ない気持ちになってしまう。
一人でいるとき 静寂がこの部屋を包み
静に吹いてくる風は、黙って僕に重圧 ....
「愛する人に愛されたい」
「あなた以外は要らない」って
同じ思いでいて欲しい
そんなの我儘だってことは分かってる
でも我慢できるほど私たちは大人じゃなくて
無条件に愛せない幼 ....
どうすれば僕は
急坂さえも一気にのぼる
機関車男になれるだろうか?
この腹に内蔵された
エンジンの蓋を開けたら
思いの他にぼうぼうと
炎は燃えていたのです ....
忘れる人がいるかもしれないふたつ持っていく
住む人の居ない
山の墓地
お盆には賑やかに花々が供えられている
生まれ故郷を訪れた人の形跡が
風に揺れる
たった今まで
誰かがそこにいた証拠
ロウソクの炎が
消え残り
線香の ....
あなたはもっと自信を持て
あなたはそんなもんじゃない
あなたに期待して
かつて地球におられた方々が
一心に合掌しているのだから
激流がしめされる
あなたは岩だ
....
前略
このクソ暑い日々の中、今もあなたは自分の殻に閉じこもっておられますか?
私は殻をぶち壊してしまい未だ修復不能という体たらくでございます
あなたと出会ったのは今よりは涼しく、しかし茹 ....
生きてやる
わたしは海の見える
丘に咲いていた
黄色い花
一年前の夏
ブーン ブーン
という音が鳴り
わたしの体が切られた
一緒に咲いていた
仲間 ....
きみはなぜ生まれたときに
あれほど大きな泣き声を挙げたのだろうか
この厳しくやさしくない世界を
きみはすでに知っていたからだろうか
それとも笑うことは難しいから
その代わりとして泣き ....
きっと思い浮かぶ光景も景色も 今は繰り返すだけで
背景はいつも同じ中に 似たりよったり 歌っている
今は緩めの目尻を撫でながら また繰り返しを刻む いつもの事
お水にカボスを絞って透明同 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77