雨が車窓をたたいています
だから明日そちらは雨でしょう
月曜の深い夜のさびしさに
ぼくは子供の頃を思い出します
てるてる坊主ゆれています
灰の心が雨にたたかれています
....
零れる光の碧(みどり)の中を
お散歩するわたしは
待っていない
もう、
不安や警戒とは
距離を置いたのだ
「森林浴の効能」なんて詩
書いたっけ
....
ああいうふうにはもうできないね
春の去り際
白いスカート
透明に固まっていく桜の樹液
陽が沈んでから
夜が訪れるまで
うす青紫に浸された世界
君の眼差しが
ふるえるように未来を ....
{引用=
目をさます
{ルビ灯火=ともしび}に光りをともす
夜の帳をとく
忘れれば 万物の命を病めさせる
部屋に家具ひとつなく
静寂に そこは
音という概念すらありもぜず
....
なにもかも
見る目が無かっただけの話
手もつなげない
いまだ
そんな
暗闇のなか
一滴の雨が頬を濡らした
一滴の雨は頬を伝わって
私の胸元に落ちて消えた
どうしたの? 落ちた雫よ
一滴の足跡は1本の光りの線になった
一滴の足跡の1本の光りの線が消え ....
畑一面
麦の穂の
揺れるこがねの
波がしら
砂利道ごろごろ
足の裏
歩くリズムに
のるこころ
生きとし生ける
ものたちの
さざめきうごめき
満ちあふれ
青空 ....
道ぞいの用水路に
浮かぶ月影のうえ、
きみの冷えた笑いがはじける
おざなりな微熱もいま
ぼくの胸から消えてうせる
おわかれだね
おわかれだ
まるで ....
誰も知らないひと。
誰かが傍に居ることを知らないひと。
隣で話しているひとが誰なのか知らないひと。
周りのことを知りたくもないから、知らないひと。
自分が誰なのか知らないひと。 ....
久しく ベランダの左側に 世界に満たされた月を見た
琥珀色に濁る黄金の鏡
少し大人のように穏やかに ベランダの左側に佇む私達を満たす月
生き物に違いないシンプルなループ
光の物質を黄金 ....
何度も似たような 同じような 空への恋心
自律神経のバランスのとれたような 有り難い 普通に感謝し
今日も過ごす 涼しげな水色の季語を探しながら
近所の犬のお喋り
うちの猫はお水を飲 ....
君が通った後は
爽やかな風が吹く
これは青春の薫り
僕は青春を何度でもうたう
僕の人生の主題だから
並木道も今は
若草色に萌えている
君が通った後は
爽やかな風が吹く
これは青春の薫 ....
立夏が来るのかと 区切りの日付をめくり皐月
決まってバッハのチェロが馴染む 晴れ
何度目の演奏を聴くのだろう 皐月の一月
立夏が来るのかと チェロが口笛を吹き始める 楽譜通りに
私は畳の部 ....
覗けば透明な熱い風を纏う 緑の葉葉
ああ 再び二度とない夏を浴びる ああ。
気休めの音楽を耳でしか響かず 閉ざす葉葉 それでも緑色
生きるくたびれ 黄泉の邦を夢見る
小波の琥珀色の ....
男性が声を殺して泣いている 大声を出して泣けない性に
もらい泣きをしてしまいそうだ
何があったかわからない遭遇に 色々あると
ただ通り過ぎる
性別に限らず どこかで誰かが泣いている 殺 ....
いつもパズルばかり置いてゆく
今宵は ただ雨のそばで 宿りながら 解くのを止める
機能性に想いを寄せた ふかふかの布団 春色にまだ染めれない
仰向けに呼吸を睡眠体制に 海に浮く
クラゲ ....
唾を呑むサウンドがトランペットの吹く空気に触れる
一寸先の昼間の終わる頃
己の残像が赤道をつたい一周する
あらかじめ光速を蓄えておく
物語の奥深く数字に置き換えられない おおざっぱな荒 ....
バックボーンに何かを持っている
ひとかけらの人たちも 持っている
感情は箱を開けなくとも 持っている
豊かの糧に勝ち手を誇る感情の教え
持っている ザックバラリ バレンの刀が届かない処 ....
トルコキキョウ スカートを裾をひらゆらひらゆら させている
貴女と呼ぶべきかしら 幼い妖精の衛星が見える
貴女と呼ぶには 重力をあまり感じていない様
トルコキキョウ 月曜日に透き通る喉を 瓶 ....
耳から風を贈る 一致した音楽
気分と手を繋ぐ
瞬間の持続 幸あふる
気性と天気の反比例の線を膨らます努力を
楽しむ 年輪を重ね愉しむ
刹那の点線を歩んでゆく 増す増す幸こゆく
....
明るさに越える 華やかな人生を進む
時に小さな石ころを山と見積もっても 積るのは徳だけ
迷いなんて解ける糸なんだ 解かなくても
一歩引いて望めば オーロラに映える等身大の雪の結晶
一粒 ....
もうとっくに満ちていると思ったら
まだ正面を向いていなかったのね
でも魂を物質化した細胞は 光を反応させてたわ
付き合いが長いのに 何も知らなく
ただ焦がれるしかない自由ロマン
....
知り得ない核心 知ったかぶりに高ぶる驕り
ああ まだまだ透けない濁り経由 ぬるま湯に至る
向上心 意識だけ逆上がりの練習を くるくるさせる
回転を速めて 全てを祓い散らす
回転を遅 ....
初心に還る 感情を空気に混ぜ 吐き出す
招かねざる訪問者が 青唐辛子を持って来た
甘口の私は 避けたい感情の皺を眉間に寄せた
招いていない 呼んでない
訪問者の青さ 初心に分か ....
琉球の秋
感じるに尊く少しばかり
ここにも秋の巡る風は流れて来る
されど 蒸しる
太陽だけは涼しげ てぃーだかんかんのおぼろげな空
青は青にしか 収まり切れない 南の空
....
ポケットにはひとかけらのパンと
一冊の詩集があればいい
ひとつの主題を
私は何度でもうたう
それは青春ということ
誰にもたれかかるのでもなく
自立した心でうたう
青春の尊さを
光を陰を ....
カモミールティーを水の様に飲む
ラベンダーを鼻の奥に記憶させるくらい嗅ぐ
どこかの民族系の音楽をイヤホンに差し込む
安らぎを懸命に起こす
呼び起こす 安らぎを
それで ....
愛する雨 自由を解釈させる雨
掘り下げても 憂鬱になんてさせない 自由を解釈させる
愛する雨
問えない芸術が化けてる細胞の核
幸い瞬きに 遅いと感じる瞳
愛する雨 物語 ....
バラードの汚れない 水溜り
つま先でなぞって
描きながら 踊る
何を舞うか語るまでもない 守りの舞い
楕円にも正円にも守り抜く 精鋭隊
節度の節目は万人様々の
天が宿 ....
人工的な白い光は
添加物に似て もやがかかる
間接照明にロウソクの火が
馴染み深き吐息に消えない 風に囲まれた
意場所
〒7桁で留まる この世のシブミ行動範囲
黒と黄色の 蜘蛛界の ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77