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涼やかな風が吹いている
寂しげな曇天に包まれて
秋の気配が漂っている

僕は相変わらず臥せっていて
君の姿は遠くある
遠く響く君の声
僕は抱きしめ此処に居る

君、ぼくたちはどこから ....
雲が行く
夏空雄大に
雲が行く

時は刻々と移り進み
季節は淡々と入れ代わり
命は生まれ育ち輝き枯れて
人は何かに導かれつつ自らを更新し

雲がいく
大空悠久に
雲がいく
微睡みの午後、
熱風吹き
草木を濡らしていく天気雨
永久なる太陽の爆発を
束の間ベールに包む
時は始まりに向け終わりを紡ぎ
終点から反り返ってくる混沌の威容
この微睡みの午後に
発火し ....
熱風が吹く夏の午後
僕は木陰に座っていた
何一つ考えることなく
ただ予感がヴィジョンを結ぶまで

草木が揺れ
積乱雲が流れ
風景は異郷と化し
一日も百年も等しくなって
裸の少女が夢見 ....
眼前に何かある
私の注意を引く何かが
私はその表面の埃を取り除き
それが逢えなくなった娘の顔写真だと気付く
同時に、
私の魂の奥深い処から
娘への郷愁憧憬願望ない交ぜになった
深く錯綜し ....
この灰色の朝に
雨滴の落ちる
葉から葉へ
落ちた雨滴
つーぅと滑り
拡散して消える

繰り返し繰り返し

靄の中へ
手を振り
消える
君の姿
一瞬見え
はっとして
ベンチ ....
憧れと郷愁の感情は
対象を全く欠いたままに
どうしようもなく湧きあがり
魂の奥処に垣間開く
渦巻く宇宙の輝きの余韻
響き木霊し流れ出す

そうしてまた、

森羅万象と繋がり合う
止 ....
静かな静かな夜陰の時に
涼風秘やかに空気を揺らし
懐かし憧れの未知からの訪れ
還流しながら予感に巡る

余りに忙しい社会の営み
余りに貪欲な資本の増殖
逃れ逸脱、寡黙に落ちれば
戻って ....
深夜に目覚めて
静けさに包まれ
すっと覚醒に馴染んでいく
じぶんが居る
 
疲れ果てて
早々と眠りに落ちたのに
今は力漲る己に
不思議な感慨を覚えながら
夢のない眠りの底で
宇宙の ....
肉身の疼く
今宵の静けさに

心は乱れ不安に駆られ
詩と死と戯れる余裕すらなく

焼酎を二杯、三杯と

焼け付く視野に
蜘蛛の巣張り

払いのけても払いのけても
辺り一面の糸は ....
独りに寛ぐこの真夜中
静けさに浸り込み
意識 泳ぎ出す

外界と内界の堺が崩れ
記憶の億の奥へ 遡行し始める
一方で
編み戸からの涼風 すぅすぅと肌を撫で
森羅万象 その形象を流動させ ....
緑の香を乗せた風が
涼しく撫でる 私の腕を
揺れ動く木漏れ日が
温かく照らす 私の指先を

不思議なことだ

こうして静かな朝を迎えられること
目の痛みも今日は不思議と収まって
柔ら ....
なんだかなぁ
目は痛むし心は鬱だし
何にもする気にならねぇなぁ
五十七の歳を迎えたこの九月末

外は青空いっぱいで
光が熱持ち降り注ぐ
道を歩けば金木犀の香
甘く甘く漂って
夏と秋と ....
隙間だらけのノイズに
剥き出されていく
骨も皮も肉も内蔵も
全て剥き出され
神経だけになる
鏡の神経だ
隙間だらけのノイズに
内も外も映し出し
シェイクさせる
鏡の神経だ

魂の ....
空の城址、たてがらの
緑照り映え、草いきれ
この八月の末に吸い込めば
穢土の悪臭、一度ならず二度、三度
襲い来るのは必定にしても
透明な緑の叡智の詩想の許に
たてがらの空の城を現にせんと
 ....
充血した虚無
 断層に突き刺さった骨
  陽は傾き
   死者達の視線が
   白壁に乱舞する
  茜の色を
 遠い目で見ている
俺の傷みは血を噴き
ああ なんていい風だろう

みんみん蝉が緑の木立に鳴いて
大きな鳥が素早く飛び立ち
鬱々とした気分が
涼やかに洗い落とされていく

この高曇りの八月十一日

[目を閉じれば未だ
橙 ....
響きの粒子揺れている
暗がりから明るみへ
ゆらゆら粒子の揺れに揺れ

生きる糧としての音楽は
わたしの孤立を心の穴を
響く旋律振動で充たし
新たな力を注ぎ込む
そうしてわたしは立ち上が ....
暗闇のなか
玉ねぎを炒める香が
道向こうの団地から
風に乗ってやって来る
瞬間、
懐かしい顔顔顔 浮かんで
自然と涙が溢れ流れる
〈温ったかいな温ったかいな〉
僕は公園のベンチに座りな ....
静けさ
ちょこんと
夜底に
座っていた


 剥き出しの界、像なき界
 それは決して混沌ではなく
 何かを伝え何かを造形している 
 響き木霊し無限の力の生動する
 もう一つの界、 ....
生きていくことの
ぬかるみにはまったの?
それで そこから
君の繊細な驚きに充ちた
生き生きとした漆黒の瞳は
何処まで持ち堪たえられるかな?

欺瞞に充ちたこの社会で
只忙しく生命が消 ....
貴女は秋のあの日、
夜明け前の碧い天蓋に
独り揺らめき身を投げた
硬く冷たい肉体を現に残し
何処までも独り遠く逃れ去り

貴女という魂は私の中で生き
私という魂は貴女の中で生き
何度と ....
曇り空を見ていた
コンビニのベンチで
缶コーヒーを飲みながら

部屋に篭っていると
自らの身体の痛みに
意識が集中してしまうから

近所のコンビニのベンチで
ずっと空を見て座っていた ....
遠く君、
光の点となり
消えていく
石燈籠をぐるりと廻り
追いつけない追いつけない

生は死を含み
死は生を含み
宇宙の大海原を
渡っていく帆船
現に獲得した智に
自ら発光しなが ....
夜陰に
静けさの
微かに揺れ動く

ベッドを囲むカーテンから
白の色 剥がれ漂い出し

微かに振動する
静まり返った
四方空間に

彷徨い落ちゆく白の色の
帰着すべき基体の不在 ....
腰が痛くて歩けなくなっても、
恐怖にすくんで脂汗かいても、
手が訳もなく震え続けても、
全てを失い意気阻喪しても、
大丈夫、大丈夫だよ
生き抜く意志さえ失わなければ
全てを学ぶ機会と受け止 ....
ほっと懐かしく嘆息してしまう、
それまでの全てが報われる、
そんな濃密な青の色彩だけが独立して
開けた額縁のような窓の向こうに 在った

その青の色彩はよく見れば、
濃密なのは視界の中央部 ....
意識 溶け拡大していく
限りなく宇宙の楽音に共鳴し
混交する闇光 すべて受け入れ
委ねるのだ 保ち 鋼の強靱
しなやかな弓の強度に震え

私欲思考ヲ停止シ
死に思に詩の言葉の飛躍に!
 ....
失う
出会い
築いては
失い続けて
底を貫く本質
掴み取れたのか
沈んでしまうのか

進む船の舵取り主は
己が意志、病に抗う意志
沈んでしまうのなら仕方ない
精一杯やるんだ、もう ....
絞り出される音叉の連動
魂の浅瀬から鏡に映り

響く残響奥底からの木霊
未知なる既知の郷愁に震え

空洞の底から噴き上げる熱
変わらぬ憧憬を未来から招来し

夜の砂漠を間欠的に舞い吹 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
エコー- ひだかた ...自由詩11*18-9-11
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贈り物- ひだかた ...自由詩6*18-7-21
意識の鏡面- ひだかた ...自由詩617-10-24
雨滴(改訂)- ひだかた ...自由詩517-10-15
中庸の歓喜- ひだかた ...自由詩1217-10-12
新生- ひだかた ...自由詩617-10-12
深夜に目覚めて- ひだかた ...自由詩717-10-10
吐き出す- ひだかた ...自由詩4*17-10-8
深夜意識断片- ひだかた ...自由詩717-10-8
初秋に詩を促され- ひだかた ...自由詩5*17-9-29
掛橋(改訂再録)- ひだかた ...自由詩817-9-27
ロックンロール(改訂)- ひだかた ...自由詩3*17-9-3
たてがら城址- ひだかた ...自由詩6*17-8-30
過剰- ひだかた ...自由詩6*17-8-29
今日の午前に- ひだかた ...自由詩12*17-8-11
音楽- ひだかた ...自由詩5*17-8-10
なみだ- ひだかた ...自由詩7*17-8-2
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現智- ひだかた ...自由詩317-3-21
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願望と決意の光景- ひだかた ...自由詩5*16-9-29
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魂ノ行方- ひだかた ...自由詩9*16-9-11
奥まる意識のその底で- ひだかた ...自由詩716-5-18

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