おれたちを殺してくるものすべてをこの手で排除するなら
おれたちにいったい何がのこるというのだろう
シールのはげた醤油差し
ドラグストアに並ぶシャンプーの群れ
大根の花
そういうものにおれたち ....
レタスの先端
心音のひずむところ
温度の終わりに
少し触れる
つめたさ
教室みたい 、
と思う

穏やかな湾の入口を
句読点が航行する
健康的な食事
その後で
わたし、 ....
ふんかふんか すーすーすー あるくと すすむ ゆっくりと けしき
みぎもひだりもきょろきょろして、とにかくなんかみつけたい。
めぼしをつけて、さがす、さがす! なんかよさそうなものみっけ、たかな? ....
  忘れたものだけ
  見ることができた


  床に張った
  埃 夕日の格子型
  蛇口に残る 唇のような水
  言うことができた
  言い尽くしたことだけを


  ....
冬晴れの
光あふれる
居間に居て
母の背中と
光をわける
  約束の時間にすこし遅れて
  寂しさの続きのような場面が始まる
  駅舎の街灯に羽虫が 丸く 集る


  高架下 ラーメン屋に入る
  やがて感情は数枚の貨幣に似てくる
  ....
いのちは膨らんだグラスの内側のなだらかなカーブだ   日の光の血痕
  かさなった眼が ここにない
  熱い空 道すじをかすれて
  私たちの歌は時間の
  壁の裏におちた
あたりはふるえ続けていた。そしてあなたは、手縫いのように丁寧に畳んで、爪がまたよごれていた。この、ことばで。あるいは、そのことばで。どのことばも少ない会話のほとんどが詩であるように、あなたはそ ....   川を越えて
  戻ってこなかった
  砂利になった言葉ならば
  ひとつかみにして 気のすむまで
  玩んでいられるのだが


  駅の屋根に
  ふる雪のかなしさ 静かさ ....
いま生きながら埋葬されている
あなた
血の滲んだ手で墓掘りのスコップを握ってる
それもあなた

あなたのお葬式は
だれも知らないうちに行われる
正しい名が呼ばれることもなく
墓標もない ....
きれいな石を捨てる
単純な計算で
加速していく、
夕暮れの


あなたはそこにいてもいい
まわりには誰もいない
はじめから始まってもいない


想定、かつて
砕かれた液晶を ....
くもひとつない、
困り果てた青空のした、
それでも、毟ろうとする、
土ようびの、
しごと、
土鳩のように、首をかたむけて、
いやでも土と向きあう、
ことになるから、
それは、
ホント ....
改札を抜けて、特急へ、準急へ
各駅へ
すみやかにゆきわたる
(還る)

のびていくかげぼうしの
澄んだ鼓膜をとおり

(低いファの音がぼーん、と)
ぬぐってもぬぐっても
幾度も響く ....
それは凄くて 彼の胸は貝がらだ
完璧な夏に 投棄された貝がらだ
涸れないことをほめるのは
ただ軽蔑するのと一緒だ

彼は{ルビ薬匙=やくさじ}を咥えさせて
蛇も寝なさそうな夢を明か ....
月がきれいな夜
ゴンドラに乗って
ドラッグストアに
買い物に出かける
カビ取り剤が
20パーセント引きのクーポンで買える

「カビ取り剤を買いに来ました」
「カビ取り剤をください」
 ....
靴の波形が
朝に眠っている
せっかく書いた
花粉の名がついた遺書を
私たちは窓に落としてしまった
加工場から続くダクトの
先を曲がると
梅雨が始まる
身体が雨のようになる
そ ....
(1)
 僕が中原中也を好きなのは何故か、言葉には出来ないけれど、敢えて言えば、中也の詩には現実感と非現実感の間での揺れがあって、非現実感から現実感を取り戻そうとする希求を感じて、それはもちろん僕が ....
タピオカにはミサイルがある
かぎられたみなしごたちのまえには
泥水がはいったペットボトルが幾本もあって
それを飲み干さないとみなしごたちは
前へはいけなかった
みなしごたちはみんな嘘 ....
あらかたの全てを飲み込んで
吐き出す時にはもう
溶けだしてしまわないように
飲み込んでいる
六等星
環境が先か? 進化が先か?
もちろん、進化が先だ
陸に打ち上げられてしまった後で
魚が肺を身につけられるだろうか?
環境を変えれば進化できるなどとは寝言だ
進化しなければ環境を変えられないの ....
寿命は限られていて貴重なものだが、別に今は必要じゃないなというときにセーブできる機能があれば便利だと思う。心身の調子がよくないときは治るまで命をとっておいて、治ってからまた寿命を使って何かするというよ .... 外枠がある程度の強度で確定したから、あとは色とりどりのボールを詰めた。ここそこに刻む、文字のことだ。二進数的な歩幅で累乗に積み重なったそれは、借景となって僕らの街を覆っている。

僕らは言 ....
私は、未だにヒステリックグラマーをかっこいいと思ってしまう自分が悲しいです。もう誰も覚えていない過ぎたものに固執し、当時の自分の価値観は間違っていなかったと思い込みたいがためにヒスグラを美の基準のひと ....  犬といる午後
 肉がざわめく
 灰いろのひろがり

 この部屋で
 許しがあったことはなく
 交わす偽り
 弾ける肉声
 どこからが贖いなのか
 どちらが生なのか
 知る迷いはな ....
不定期にお紅茶が実家から送られてくる。それは、「お紅茶」と呼びたくなるシロモノなのだ。50パック250円の紅茶ではなくて、ティーバッグだけどフレーバー的なラストノート的な芳醇な香りのする、綺麗な紙に1 .... ―野原でまぼろしが燃えていましたね。

―ええ燃えていましたね。

―あのあおじろい火から
   燃える蛍のランプはいくつ作れるのでしょうね。

―ええいったいいくつ作れるのでしょう ....
生きることは 

暗闇ではなく

死でもなく

静止することでもなく

静寂でもなく

命のざわめきを感じること

動くこと

歩くこと

時間のなかを流れるこ ....
妻は
面白い犬のアニメを見ながら
うれしそうに笑っている

その姿を見て
どうしようもない私は

こんなに 健康な ひとは
みたことがない と

ため息交じりに
ニコっと 笑 ....
きょうの あさだ 

わたしは よく ねむった ようだ

ふだんより すこし ながく ねむれたようだ


わたしは そのことに みょうに おびえていた

なぜか わからない
 ....
はるなさんのおすすめリスト(1926)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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文と句- それがあ ...自由詩423-10-16
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シグナル/パス- ねことら自由詩223-8-30
土ようび_土ようび- 本田憲嵩自由詩923-8-11
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夏塊つち- 蕎麦屋の ...自由詩823-6-12
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詩のこと、言葉のこと- 由比良 ...散文(批評 ...5*23-4-15
タピオカしんどい- モリマサ ...自由詩223-4-13
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言葉の強度や輪郭のことについて- ねことら自由詩123-2-10
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お紅茶野郎- こんにち ...散文(批評 ...223-1-15
まぼろし- 青色銀河 ...自由詩1122-11-21
生きることは_- ダンテ  ...自由詩322-11-18
健康な妻は- ダンテ  ...自由詩222-11-9
わたしは_ぽけっとに_てを_いれている- ダンテ  ...自由詩422-10-24

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