ひろいひろい畑にて
老いた木、一本ありました

ひろいひろい畑には
淋しく淋しく木が一本

ひろいひろい畑に生える
老いた淋しいその木には

ここぞとばかり、この秋は
たくさん ....
一晩で世界中をとびまわるサンタの時給はおいくらかしら 本をたたんで
ペンにキャップをつける
はさみをひらいて
つけねで指のあいだをぐりぐりとする
くつ下をつかんで
ゴミ箱に向かって
投げる

たばこを吸う
たばこを消す
少し眠りたいけ ....
電飾のアーチ 指きり 白い息 新世界でも生きていけるさ 雨をくぐる
ぼくはゆっくりあっちのほうへ
大音量の歌は最小限の寝返りで
あたらしいノートのちいさな日付はささやかに
送ってしまったメールを
残ってしまった花火を
けぶってしまった青空を
 ....
徹夜でブドウ糖を齧りながら野球やりに行こうぜ磯野
安全な樹脂の開発を今すぐに止めて野球やりに行こうぜ磯野
素肌の潤いを保つ液体を路上に撒き散らしながら野球やりに行こうぜ磯野
出生の記録を保管して ....
 なぜ詩を書くんですか、と言われると大変惨めな気分になっていやなのは、つまり詩を書くということに関してたいした理想も意義も見出せていないからなのだと思う。
 仕事をはじめて、そろそろ幾許かの稼ぎも出 ....
パレードの喧騒にわかに散ってゆくここから遠いこころを想う



思い出す前のぼくらは幸福で雨雲は必ずしも雨を孕んでいるのだろうか



マタニティブルーできみは海の中ほんと ....

消費者金融の無人審査機の前で
背筋をこころもち曲げている女
どういう顔をしていたらいいか
分からないのだろう
真っ二つに分けた前髪の間からは
かきまぜたコーヒーに入れたミルク
みたい ....
柔順にふくらんだ あわい苔むす
葉肉の厚みに散らばっている
雨降りの薄い頬
私の 望んだように
生まれる心がくりかえしてゆく
振り切って
でも、またここへおいで
円らかなヒトのかたちに
 ....
九月の歌は季節外れ
酔いにまかせて
奪い合った双眼鏡

女の子は男の子に
男の子は女の子に
囁きは煙とベース音に混じって
そってたわんだ天幕を覆っている
覆っている
覆っている
科学者の卒業式
幽霊の入学式
みんな同じ服装で
帰った

彼は落とし穴を掘って
自ら落ちてみせた
私も帰った

彼はさくらに埋もれて
後は知らない
にわとりに撲殺された悲しみ
にわとりに撲殺された悲しみが
誰にも受け入れてもらえないだなんて
誰にもわかってもらえないだなんて
庭でにわとりに撲殺された悲しみを
理解してもらえないだなんて
 ....
  片隅に
  猫の
  死体



  ぼくの
  腸を
  固く
  重い
  瞳が
  掴む



  完全な
  体
  凍った
  時
 ....
くまをね
くまをおんぶして歩くの
会社行くときも
映画観に行くときも
フランス料理食べに行くときも

くまが可哀想なんじゃないんだ
私がくまがいなきゃもう歩けないんだ
ねえ く ....
排他的な女の子は空を所持している。
その底のほうには、白くてきれいな宇宙船や、手垢できたない算数の教科書、軍隊の格好をしたキューピー人形や、プラスチックのマニキュアの瓶が、ざくざくとはめ ....
ひとつの比喩もない
なにも隠されてはいない
夜明けの街の風景を
まだ群青が滴る道の上を
だが、人は読み解こうとする
昨夜だれかの見た夢が
白線のうえで細分化されていく
三丁目の曲がり角で ....
枯れた葉っぱと
緑の葉っぱ
白い蝶が
おぼつかなげに
境界線をひいていく
できない計算が済んで
さっき
クーラーの部屋から
階段を降り
寒さが通り過ぎた町並みを
通り過ぎていった
どこにも行きたくない風が
止まりたくない
止めてほしくなくて
離れていく
 ....
夜の池に
落ちた星達が沈みゆく

あこがれは
しろい石となり

ざりがに達の
洞くつとなる
おおきな背の
豊かな毛に
埋もれて
星が旅をしている
ゆっくりとした足取りで
海の方角へ向かって
  呼吸を
  水に沈めて
  言葉を
  あきらめた



  君は
  知らなかった
  僕は
  見ないふり



  苔むした
  二つの記憶
  なら ....
あなたは帰還した
本能ではなく
知識によって
懐かしい海 
夕日に染まる
新しい血液
骨のあなたに
命を選択し
整えられていた
この小さな庭に
あなたの命が
バラ撒かれている
色のない八月の跡
しめやかに夏に入るなり大往生

涼しさやまぶたを閉ぢる指の先


 通夜に
棺の前のビール二本の宴かな


母の日や悲しき花にうづもれて

なき人をひき立てて咲け初夏の花

 ....
できれば少女のまま
死にたかったのに
 
 
星を撃ち落として
泣いた
 
 
冷蔵庫のなかの花は
ひんやりしてた
 
 
リボンは全部
捨てた
 
 
だれかの孤独を ....
 
 
 
 
桜葉のような少女の手を
抱いて
うら若きわたしが泣きます
 
 
波濤の白にいくつもの
瞳は
飲み込まれて
 
 
月がいつまでも
母恋しと
ひかります ....
ほどけてしまいそうな
女の子のからだから
春をとり出してならべる

つみぶかい瞳が
まだそこにおよいでいる
名前の知らない五月の旗
活字から顔をあげて
だれをみる
外をみた
窓 ....
 
 
 
百匹のトナカイ
百匹のトナカイ
 
 
 
五匹が雪の国のひとに
食べられました
 
 
 
九十五匹のトナカイ
 
 
 
二十五匹がライフルを持ったひ ....
虹のようなところに
キャベツが生えている

抽選でもれなく
誰でも食べることができた

今日はマリーという人が
当選した

まだ生まれたばかりだった
はるなさんのおすすめリスト(1909)
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