つぶれた靴を
 見ていると雨を思い出す
 ほの明るい 窓硝子のむこう
 僕の心が僕の心に変わっていく
 その間も絶えず 雨は降り続けている
椎茸と茄子をあんなに嫌ってたあのころ世界は輝いていた 衣食住が足りていても言葉が足りない
そう言って君は僕の顔を見た
でも、実際できる事とできない事があるんじゃないかな

僕がそう言うと君は僕の頬を平手打ちした
部屋中に肌の鳴る音が響いた
そ ....
 世界が 大きな空洞なので
 水平線が見えた
 海が見えた

 白い 掻き傷が あるのか無いのか
 どうしようもなく なにもかもが
 影

 倦み果てた貌で
 あなたは 眼に映る ....
 魚が数匹
 日の光になって
 頬の上を泳ぐ

 問われては 答え
 答えてはまた 問い
 感情の影に貌をかくして

 問われては 答え
 生まれてはまた 息絶え
 命あるもの ....
夢。中学校の美術の授業。なぜか美術室ではなく教室。また、校舎内は板張りが多く、これは自分の通った中では小学校に近い。1人1枚、B4アナログ原稿用紙に漫画を書いている。その風景は書道の授業に似ている。自 ....  何も言わない
 読点のような皿を洗う
 燃え終えた数本のマッチに
 年々似てくる
 僕の記憶

 日をうけて
 影になっていく 木
 振動する沈黙 かなしすぎるほどに
 決して ....
 無害なことばかり話す有害な人
 舌先から 論理が涎のように垂れて
 皺くちゃのスーツに染みをつくる

 キミに足りないのは嫉妬心だよ
 そう言われた 丸ノ内線の車内で
 他人か知り合 ....
11月20日(水)、
 僕は、父と母に仲良くしていて欲しい。この世にひとつでも笑顔を増やせるなら、僕もその為に生きられるかもしれない。僕はもう、まるで自分のことしか考えずに生きてきた。自分ばかりが不 ....
 カメレオンの眼は
 薔薇に似ていなかったかと思い
 検索してみたがどちらかというと巻貝
 今し方 ハヤシライスを食い
 煙草をすい 部屋の暗いあたり
 眺め
 ほつれそうな体 仮初の ....
まあ
じっさいに、熊の被害に遭われた方には
申し訳ないのだけれど

熊のフリー・ハグに注意!

きょう
きゃしゃな感じの三人組の青年たちが
フリー・ハグのプラカードを胸にぶら下げて
 ....
ぼくが20代の終わりくらいのときやったかな
付き合ってた恋人のヒロくんのお父さんが弁護士で
労災関係の件で、それは印刷所の話で
「年平均 6本」とか言っていた
紙を裁断するときに指が切断された ....
やることは 全部済ませてアイスティー 掃除もしましょう 帰らぬひとよ  例えば「ヒマワリが咲いていた」と書く。でもヒマワリは今も咲いているだろうか? ヒマワリという花はそもそも明日にも存在するだろうか? そんなことが不安だった。

 あるときから、今この瞬間だけ美し ....
雨滴、遠く凍った届かない声
呼応して歌、露草に預け。
ぱたぱたと画面が消えて行く音が宇宙で最後の雨降りでした


今朝もまたケトルでお湯を沸かしてる君の横顔(永遠として)


お互いを許す言葉が出ないまま願うみたいに笑い合ってた


生 ....
とても土のにおいがする花壇で
先生は苦しそうな顔できれいごとを並べていた
お母さんは泣いてた
僕はまだ小学生で
マリーゴールドを眺めながら
図鑑で見た
花の構造を思い出していた
茎、がく ....
「あなたは 15歳の子供は こんな醜悪な場にふさわしくない
少なくともわたしはそれを知っている
もっと美しいものを受けるに値する」  
                 (ヤマシタトモコ『違国日 ....
夜更け
あなたは名前になる
わたしは耳を澄ましている
身体に触れるように
呼んでみる
息だけが漏れていく
言葉は庭に埋めた
どこに埋めたのかわからなくなって
その庭も無くなって ....
ある日、俺が起きると岡田になっていた。
岡田は俺のクラスメイト、いつも嫌なことばかり俺に言ってくる。
その岡田のいう『嫌なこと』がクラスメイトに、受ける。
面白いのだそうだ。俺に言わせればまった ....
萩原朔太郎の自転車日記は自虐コメディで素敵だ。まあコケるの。萩原朔太郎だからコケても面白くて素敵。てか危ない。萩原朔太郎自転車日記によれば「余車上ニ呼ビテ曰ク。危シ、危シ、避ケヨ、避ケヨト」。ぶつかり ....  今となってはなぜ守衛室にいたのか定かには思い出せない。工場の守衛だった恰幅のよい年配のおじさんが、正門を出入りする人や車両をよそめに僕たちアルバイトの三人に聞かせた。とつとつと、 .... 愛って、皮を剥いた馬鈴薯だぜ
だから俺の故郷に愛なんかなかった
紳士録にも載ってねえ名前は
この街では沢山の愛の中のひとつだ

優しさは仕舞っておけ、
乱暴な拳もポケットに隠しておけ
奴 ....
心には
道があるだろ
本当は

嘘を付くなよ
見えてるんだろ
カミキリムシを
誤って踏み殺した
足とサンダルが
ずるずるする

ああ、
夏の終わりは
まだ先で
後頭部と首とが
チリチリ焼ける
そのうちに
脳みそに火が通り
ええ加減で
U ....
生きていくこと
空箱の庭
蝉の抜け殻の残響の続き
風に揺れる透明なブランコの隣で
ほんの少し匂いがした
嘘みたいに
あなたに触れたかった
流れ星のつく嘘に騙されて
幾千も羽ばたいていく星宛ての青い希望達
宇宙の塵になってゆく

もがれた翼が無意味なゴミのように時折地上に降っている



地下は重く粘度の高い暗闇だ
息 ....
(妻を忘れるため、父は随分前に出かけた、)

水分をかんじなくなったという母は、
乾燥を終えて、洗濯機から飛び出すとうめいな犬たちを、
外へ放ちつづけている、
犬たちは、夜中に作られて、朝に ....
わたしが習ったことのない踊りを
みんなが踊ってる
わたしには聞こえない音楽
踏めないリズムで
ようようと
あたりまえの顔で
大通りで隊列を組み
ひとつの祭りのように

わたしの身体は ....
僕は考えることが知ることに似て
虚しい
それは でも 一体なぜなのか
湘南で見た夕暮れのようだった
バスの中に入ると一人
僕は今日も生きたのだと思う
青く 存在する 見たことのある海を
 ....
はるなさんのおすすめリスト(1953)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
自分(2024.11.29)- 草野春心自由詩324-12-19
いまは好き- 秋葉竹短歌324-12-17
理由- 久遠恭子自由詩324-12-16
倦み果てた貌(2024.11.28)- 草野春心自由詩5*24-12-15
魚(2024.11.06)- 草野春心自由詩524-12-10
- なけま、 ...散文(批評 ...2*24-12-10
何も言わない(2024.11.03)- 草野春心自由詩624-12-2
涎(2024.10.31)- 草野春心自由詩424-11-25
日記(思うこと)- 由比良 ...散文(批評 ...9*24-11-22
カメレオンの眼(2024.10.25)- 草野春心自由詩524-11-20
熊のフリー・ハグ。- 田中宏輔自由詩14*24-11-13
年平均_6本。- 田中宏輔自由詩12+*24-11-6
アイスティー- りつ短歌3*24-10-16
ずっと好きでいられますよう- 由比良 ...散文(批評 ...3*24-10-10
_- 中沢人鳥短歌324-10-8
永遠として- 由比良 ...短歌5*24-9-25
不登校- 九十九空 ...自由詩1224-9-10
理由- 九十九空 ...自由詩624-9-6
夜更け- たもつ自由詩624-8-31
俺が岡田で、岡田が俺で- 鏡文志散文(批評 ...224-8-23
自転車に乗って- 佐々宝砂散文(批評 ...624-8-14
世間- 湯 煙散文(批評 ...5*24-8-11
暗黒街の馬鈴薯- atsuchan69自由詩12*24-8-4
嘘を付くなよ- TAT短歌124-8-4
カミキリムシの幽霊- 奥畑 梨 ...自由詩424-7-30
生きていくこと- たもつ自由詩724-7-22
きざし- ◇レキ自由詩4*24-7-5
水分をかんじない- パンジー ...自由詩624-6-30
囲まれた時間- 凍湖(と ...自由詩424-6-14
帰りのバス- 番田 自由詩524-5-31

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