太陽系の爆破予告を君がする イルカの暴力性に泣きつつ
春はけだもの あなたは武器を抱きしめる いつだって晴れ予報の街だ
とりあえずあなたはいるということに、そして世界はあることにする
まだ雨が降る世界だし まだ一つずつ壊れうる個体があるし
私という何かしらがある幻想を維持するために昼飯を食う
言葉という街の埃に似たものが降り積もりある日私になった
身体があなたとわたしを絶対に隔ててむかいあわせてくれる
生むことは酷なことだがやむを得ぬことでもあろう 星が流れる
今日もまた誰かが人を産み、そして迷路は狭く広くなるのだ
見えないが それは
熱の蛇が 這っているのだ
かんぜんな 石を湿らせ
なにもかもが黙る
熱の蛇が
這っていくのが見えない
街はいつも 叫んで ....
瞳からのぞくと
馬たちが みえた
日が薄ぼやけ
あたりは冷えて
草の においだけが
ほそながくかがやいていき
わたしたちの
愛はきえた
....
珍しい生きものの話をした
緩くたわむ線を、結ぶように
どのように祈ってもいい
僕らの
広い部屋で
綺麗にこわれた模型と
名前のない戦争のこと
古い音楽は好きですか
遠ざ ....
肉体を脱ぎたいのだがあいにくと私が外側にいるもので
「閉じこもっているべきではない。もっと外出すべきだ」と云うのがお姉ちゃんの意見なんだけど、ぼくの散歩はいつだって大変だ。
ビルを壊すから尻尾を振り回してはいけないこと。子供や老人を踏み潰すからちゃ ....
街は震える。
街は震える、僕を揺り落とすほどに。
寂しく、恐ろしく
震える。
真っ黒に濡りつぶされた窓が
少し開いて、
赤い針が何本か投射される。
その骨ばった手指。
不揃いな歯。
....
町並みに森の匂いがした。
公園を三つ。階段を二つ。知っているパン屋の匂い。スーパー。雑貨屋。ともだちの家。
学校を見下ろす長い坂道を下った。
社を通り過ぎて、実家を通り過ぎて、足は、足を、通り過 ....
バスは満員
電車も満員
ひとびとは水底に四角くならんで
青くひかる
ぶつかり合わない程度に
ゆれあい
いつか
自由になれるんだろうか
乗り物を降りると
豆腐屋が通りを ....
鳥はなんでとぶか
この謎をしるものはいない
人がなんでとべないか
これも誰もしらない
仮説を枕にみる夢は
打ち続く杭となり
惑星の地平線を覆い尽くす
繋ぎ止める物語が無ければ
....
眼の底で、美しい欠片が散って
誰もここには入ってこない
夕やけに焦がれるのも、今日でおしまい
昨日、すべての朝は終わった
とろとろと私の皮膚を空にくべて
誰もいない土地に巡り来た
―― ....
瓦解する、わたしの履歴が
夜の犬たちに喰われていく
まっさらな夜明けを望んだ
傷だらけの朝に、残った両目で空をみて
なくなった口で
あいしてる、と何度もなんども
空想の愛を ....
僕は時々ぼんやりと何かを見つめていることがある。代々木公園を訪れたときに、そこで、すでに失われた落ち葉の上に立ち尽くしながら。初夏の、遥か遠くに広がる木々を見つめながら。秋のそこからすでに失われた新緑 ....
今日の灯を消してあしたの福寿草
塩辛い水を湛えた星の冬
ヒーリング音楽を聴いて去年今年
今日よりも明日はもっと福寿草
草原の中で
石ころに小さくなって
大きな青草と緑の空を
交互に眺めているんだ
きっと僕は
ぬるい砂の風になって
音のしない秋の中を
飛んでいく
さっぱり
書かなくなり
箱庭のような
自己愛を
感じる
ものを考えると
考える米が
かたいから噛むと
歯が抜ける
詩を
書いたことがあった
人に見せると詩は
ミルクセー ....
ちょっと焦げたピーナッツバターが乗ったトーストとカフェオレの為ならなんだって出来る、とマリはいつもふんぞり返って話してた。「あたしにとって人生で大事なものはそれだけなのよ」って。実際、一日に二回(朝 ....
川柳と十七億年暮らしてる
おゆのゆめ あのゆめのあめ おゆのあめ
からっぽのペットボトルに影がある
きみが三十一音でうたってる
星空の色がしょうゆみたいに濃い
....
木の葉、貝殻、木炭、シダの雫…
私は、見失われ、見出される
元素も、哀しみも、泣訴も、オーガスムも
宇宙池から泳ぎ逃れぬ、魚
小夜啼鳥よ、羽をとじ、琥珀に斜めに浮べ、
今日もどこ ....
メモ
毎日が出発である。そのことが単純に宝石である。そのことの裏にある暗い河の流れすら光っている。誰かがいる。ぼくは近付く。その人は死んでしまう。僕が近づいたからではなく、その人はその人自身によ ....
エスカレータの駆動による振動でトクントクン、と存在の透明が波打っている。ホールは広く、がらんどうの中で金属的な嬌声が響く。
一冊の清潔な記録。読み返すたび、振られたすべてのルビが滲み、抽象的な絵 ....
末娘が10歳の誕生日を迎えた日
7歳上の長女と妻は
誕生日のプレゼントを
用意していた
ボクはと言えば
実は
すっかり誕生日だったことを
忘れていたのだ
ねぇ。お父さんは
何 ....
めをつむり
色んなことを考える
詩が座っている
手招きする
まごまごとしている
今日は座ってるか
そうするか
そんな日もある
めをつむり
もう一度
色んなことを考える
じき
....
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