わたしは夏の始まりに一粒の悪意を植える
純粋な胃袋が食傷をおこしてしまわぬように

そうして生まれた悪意の芽が
世界をひとつ食べ尽くしてしまう
食べ尽くして何もなくなったひと夏はとても
静 ....
男なんか
馬鹿じゃない
やらせるって
言ったら
大概は
大喜びで
飛びついて来るわ
だから
こっちが
その気なら
幾らでも
やれるってわけ
これが
男だったら
そういう訳に ....
ぎゅーってしてやろうか   ぼくはいつも
  見当違いのことばかりする
  マンボウ、
  鉛筆の先がじょじょに尖る
  マンボウ、
  ポロシャツの赤が褪せて落ちる
  思い出と花の色は白い
  ビニ ....
さようなら
さようなら
みんな簡単に手を振るけど
この夏は
一度きりの夏

君も
甘夏色の帽子を振って
家路につくんだね
光の死体に囲繞されている中心部が電車のなかでは反転する。濃い色の髪の毛が重いと呼ばれるのは必ずしもその色だけではなくて、そのものの重力を指し示している。深刻さ。彼女の髪は星星の重さを持っていて、ある .... きょう僕は
空ろな骨を
たべた

おっけ・ぶーこ
という女の子であったらしいそれは
はじめ
ずいぶん抵抗していたけれど
僕がひとこと
寂しかったんだ、ずっと
そういって涙をながすと ....
  円盤が{ルビ宙=そら}をまわる
  ふたつめのタブが開かれる
  様子をうかがうみたいに
  今
  ブラームス、
  銀色のデスク、
  影をおとす冷徹
  ここはどこだろ ....
  汽車にのって
  なまぬるい水筒にぼくは口をつけた
  鞄からとりだしたおむすびは少し
  いびつな形にへこんでしまった
  ほおばりながら見まわしてみるけれど、
  このなかに ....
  しろい壁に
  夏がからみついている
  目に見えないほど小さな
  花々が咲き乱れ



  呼びかけたはずの声はどこか、
  遠いところから戻ってこない
  あざやか ....
忘れ去られた庭に
突き刺さる太陽の痛み
去年の夏のひまわりのお墓
誰に知られることもなく

なつかしい小鳥たちも
黒い森へと帰っていった
この庭を愛した人も
閉ざされた扉の向こうに眠る
 
エミーの墓の枯れたローズ

学校が終わり自転車でゲートを抜け
墓場で横になれば

誰かがお前を愛してくれる
真夏の夜に飲む
一杯の冷たい水で充分だ
想像力は限界を超え
はるか宇宙へと飛翔する
月は不気味に光っている
もうすぐ夜が明ける
星々も消え
やがて黄金の太陽も昇るだろう
205X年
人口爆発に伴う
食料難への
対応として
遺伝子操作により
男性からも
乳が出る技術が
マサチューセッツ工科大学
デブ人間工学研究所で
開発された
選ばれたデブ3人と
 ....
五年ぶりに義父と食事をしてきた。
家に帰えると、その義父から電話がきた。
「お前が嫁にきてよかった。串カツは弟にも似ている」

(食事をしているとき、串カツを見て、私に似ていると義父が言ってい ....
  がれきを噛む
  直角の月光がきみの
  糸切り歯を白く燃やしている



  かなしみを心にとめ
  そして死ぬように忘れ、
  忘れるように死んでいく
  もろく、
 ....
ああ僕はハードロックしか知らないから

失恋しても母が死んでも

おまけに英語なんてわかりやしないから

もしかしたらセックスがどうのとか
神を殺したとか

そんな歌で泣いてるのかも ....
_
嫌いなものがたくさんできた。
景色に溶け込んだBMWも見たくないし
晴れた日曜日も憂鬱で
屋台のわたあめも
カエルのおもちゃも
褒めてくれた髪型も
無くなればいいと思った。
タマネギを刻んであの日我慢した涙零れるキッチンに池 血潮、とノートに書いて貝殻のなかにたしかに海があったと

隣席のヘッドフォンから砂の音が聴き分けられる夏の江ノ電

ふたりで海を見たのは一度 いつまで、と互いに決められないままいた ....
藪を飛び出て
十字傷
白紙のノートは開けられない
あやしいザリガニ
溶けかけのアイスクリーム
崩れきったたましい
列を成して
ペン立てに吸い付いてばかり

バジリスク
噛み付く
ブンガク
水の底で
むかいあっている



水草が
こちらを見ている



水面の陽はむらさき
月が 横切ってゆく














 ....
花むした天体を
こまかく細断された視点から見る
ノートは
かわいたシンクに置き去りにされていた
最初のページをとばして、つぎから
こどもらへ宛てた物語が月面語で書いて ....
奇数ばかりを並べる
偶数しか選ばない
そんなふうにおれらは生きてきた
奇数のあなたと
偶数のおれ


ショートカットが好きなんだよ こいつ

なんでおれと一緒になった? 
やられた ....
おまえんちで幕府開いてやろうか 昨日が冷えて来る きみの小指から熱い砂糖水が滴り落ちてきて
わたしの両の手で受けたとき
ああ、きみは海から生まれた生き物じゃないのだ、と悟る。
根本的に異質な生き物なのだ。
わたしにとってもきみにとっても。
 ....
にょにんこうやのこうげんの
自動販売機のふいうちに
こぜにがない
せんえんさつのしわをてのしわよりものばして
七回も受けつけてくれないとのどのかわきにがまんできなく
やっと入れば十円のおつり ....
ともだちが予言してた、エリちゃんは爪が割れたらAV女優なるんだよって、それ、ほんとうだった。


教室でエリちゃんの爪が割れてほんのすこし血がにじんだ、エリちゃんは痛くないですよって顔をして ....
はるなさんのおすすめリスト(1926)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冷たい夏- 瑠王自由詩3+*13-7-16
ヤリマンになりたい- 花形新次自由詩213-7-15
ぎゅーってしてやろうか- 北大路京 ...自由詩413-7-14
マンボウ- 草野春心自由詩413-7-12
甘夏- 渡辺亘自由詩513-7-10
もつれこむ- 自由詩113-7-8
空ろな骨- 草野大悟自由詩313-7-7
円盤- 草野春心自由詩313-7-6
汽車にのって- 草野春心自由詩913-7-5
赤いビードロ- 草野春心自由詩413-7-5
忘れ去られた庭- めれんげ自由詩8*13-7-4
hanged_rose- mizunomadoka自由詩313-7-2
断片- 渡辺亘自由詩613-7-1
父乳- 花形新次自由詩313-7-1
義父からの電話- なかうち ...散文(批評 ...313-6-30
がれきを噛む- 草野春心自由詩613-6-29
ぼく- なかうち ...自由詩213-6-25
あなたが居なくなって- なかうち ...自由詩4*13-6-23
タマネギを刻んであの日我慢した涙零れるキッチンに池- 北大路京 ...短歌213-6-22
夏音〜KANON〜- Rin.短歌813-6-19
remind_you- 有無谷六 ...自由詩2*13-6-19
CxFxSxP- 有無谷六 ...自由詩2*13-6-19
ノート(二水)- 木立 悟自由詩313-6-16
キッチン_4- 平井容子自由詩913-6-16
殺す!- 草野大悟自由詩313-6-14
おまえんちで幕府開いてやろうか- 北大路京 ...自由詩1013-6-14
昨日が冷えて来る- 北大路京 ...自由詩313-6-14
親しいということ- 凍湖(と ...自由詩213-6-14
のろいいっぱい- とつき自由詩113-6-13
エリちゃんの六月- ざらざら ...自由詩11*13-6-12

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