無言のまま
田舎へ
無言のまま
夜の新幹線
無言のまま
神は
地へと失神する

もう
言葉はないのです
日々の中にも
秋津島の昔語りにも
それなのに
 ....
天気予報は雨でした
なめられっぱなしのなめくじが繁華街へ向かう

あなたの名前は何ですか
えっ 名前 何だろう
名前のない なめくじ
かたつむりのように背負うものもない なめくじ

ガ ....
夜と朝が交差する一瞬
藍色の空めがけて解かれる
淡い黄金(こがね)の帯
その真中を引き裂いて
真っ直ぐに飛んで行く 
お前は名も無き一羽の鳥

霊妙なる森の奥深く
未だまどろみから醒め ....
箱の中に入っている人のこと
何も知らないのだがな 
どんな仕事していた人か 
どんな声で話す人か
葬式だから来いと言われてやってきたけれど
母の従兄弟と言われても 
母はとっくに死んで ....
前酪

 トロリーバスに新緑の空 ゆられて
 クイーンな休日 いかがお過ごしですか。

 グリセリンはもうとっくに植物性を過ぎたころだけど
 明日はきっと晴れる予報が当たりますよね。

 ....
ミッキー
世界中の君がひとりきりのふりをするのは
掛け替えのない存在でありたいからかい?
ミッキー
今日君のぬいぐるみを抱きしめている女の子を見たよ
あの女の子にとって
君のぬいぐるみ ....
OMOTENASHIわたくし 妖怪 おもてなし と申します。
わたくしの体のほとんどの部分は 水とコラーゲンなのでございます。
人間の水分量は たったの六割だそうですね。 
よくそれで生きていら ....
むかしから廃れていた街だった
それでよかった 気にもとめなかった
隣にいるべき人が この景色には居たのは
あたりまえ
故郷とは そういう場所だった

潮風が吹いていると言われても な ....
グットモーニング
{引用=(朝は来るよ、何度でも)}




グットバイ
{引用=(素直になんて、なれなかった)}




グットモーニング
{引用=(君の居ない朝を ....
黒くて柔らかい
君の綺麗な前髪が

海から吹く突風に
掻きあげられた



困ったような
笑ったような表情で

僕から顔を背けた
君の横顔はとても美しく

露わになった額の ....
犠牲なんてない 代償もない
思考の方向は深さは 広さは 拡張工事中さ
埋立地みたいにね 海は泣いているか許しているか

まだ答えは弾き出していないが

 心地よい指圧で差し引きする もの心 ....
部屋に閉じ籠って
もう一週間は経っている
何かを書いて紙を捨てて
毎日毎日が虚弱な無限ループ


きっかけが欲しい
スイッチを探してる
早く書きたい
でも筆を取るのが怖い
 ....
震災関連番組を見ている
私の背中に
六歳の娘が不意に覆い被さってくる

今朝思い切り叱られて
「ママなんか大嫌い」と
涙を溜めた目で私を睨みつけていた娘が
「ママ、大好き」と言いながら
 ....
亀とは
亀のようにゆっくりなペースで成長中の私の長女
この間9歳になった

その亀
学校以外の場所では
とっても朗らかでおしゃべりなのに
小学校入学以来
教室で全く口を利けない
少人 ....
さかのぼる 水晶のような 水滴が
高速バスは雨の中を走ると フロントガラスの水滴が
同じスピードで のぼってゆく
静かな行列が たゆまなく のぼってゆく
そんな様子を何時間 見続けてい ....
なくしたものは薄緑のバタフライナイフ
あぁ 探しまわった
しけたポテトチップを延々噛むみたいに

どうしようもない孤独をわかったうえでの花畑だったんだ

銀杏の木を不透明な骸骨たち ....
終息に
ともなう安堵
かすかな
心残りを秘めて
三月が来る

中原中也賞を受賞した或る詩集を読む
悲しいことに心が揺れない
この詩集の良さは
三月が来ようとも
きっとわたしにはわか ....
僕は何もかも言い尽くした
それでいてどんな言葉も
からっぽなんだということに
気づいてしまった人の様な気分で
さらに 新しい言葉を
青黒く汚れた綿を繋いだ空に
探していた

神様  ....
自分や自分の愛する人が
明日隕石に当たって命を落とすとは
恐らく誰も思わないだろう
だから
いつも通り私達は
目の前の人にお休みを言って
今日という日を
当たり前のように見送る

あ ....
それはふるふると
震えて 膨らむ水滴のように
壊れやすく

ちりちりと 止むことのない
焼けつくような痛みでもあり

胸を締め付ける
救いようのない憧れだったもの

未熟だった孤独 ....
母さん
ぼくは思いだしました
まだ若いあなたの
細くも強いその手にひかれて夏
緑に燃える蜜柑葉をくぐりどこまでも道はつづいていました
おばあちゃんのお家までねと
暑くて永い昼下がり
眩暈 ....
私がこうして何かを書けば

あなたは“それ”を読んでくれる。



きっと、そんなに面白くもない

たぶん、どちらかっていうとつまんない

口語体が多い“それ”を

いつか ....
今が 日付を一歩跨いだのか
時が 向かい風のようなのか

昨夜から
     今朝へ
        光が溢れ

新雪積もって白紙に戻り
一文字人文字人間が
寒い眠いと起き出して
 ....
○月○日
日記を書いている。

*月*日
日記として、刻まれなかったあの時間、あの日について。
三食きちんと食べ、寝る時間、起きる時間も申し分なし。規則正しい健康的な日々。こんな毎日について ....
 昔 
 会社の中の仮面に疲れた人が 
 仮面を脱ぎ捨て 本当の自分になろうと
 素顔で生きようと 闘争を挑んだ
 だが
 周りの仮面はそっぽを向いて
 会社の素顔から出るむき出しの刃
 ....
自分の手のひらを見て思うんだ。

僕に、何かが出来ないかなって。





この手で何か、人のために

作ったり

奏でたり

守ったり

描いたり
 ....
毎週火曜日
下の娘のクラスにボランティアとして入っている

私が話すつたない英語でも
一生懸命に聞いてくれる
小学一年生の瞳には
一点の曇りも宿っていない

恐らくその瞳はまだ
本当 ....
もう分かっているだろうけど
ぼくには詩を詠む才はあると
これっぽっちも持っていない

ぼくの詩は詩ではない
詩と云うカタチを借りた
ひとつの質問だし
ひとつの疑問の提示だ

それに答 ....
あなたにとって思う、

偉人、英雄、天才ってどんな人?



そうね

世界には

数多くの偉人伝が伝わるけど

どんなに強くて

どんなにすごくて

どれだけ天才であ ....
木箱の扉は
下辺が蝶番で、上からゆっくり開き
外に倒れてスロープになる


岸壁づたいに太い蔦
滑車一本で昇降できる
ロッジ部屋のような
木箱のつくり


+ + +


 ....
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