私が愛と名付けていたもの
Lucy

それはふるふると
震えて 膨らむ水滴のように
壊れやすく

ちりちりと 止むことのない
焼けつくような痛みでもあり

胸を締め付ける
救いようのない憧れだったもの

未熟だった孤独の入れ物

それは時に 抑えがたい衝動であり
突き刺すような敵意であり
憎しみを呼び起こす 執着であり
性急で強引な加速であり

束縛であり
干渉であり
先回りであり 押しつけであり
一方通行の被害感情であり
思い違いであり続けたもの

みんな散り散りに
どこかへ消えて
残っているのは 虚しい脱け殻
それは
やさしさのような干し草

黙って
それをあなたに差し出すと
あなたは
寝床に敷き詰めて
あなたの孤独を横たえた


自由詩 私が愛と名付けていたもの Copyright Lucy 2013-02-18 15:44:48
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