ジンジャー &エール
るるりら






むかしから廃れていた街だった
それでよかった 気にもとめなかった
隣にいるべき人が この景色には居たのは
あたりまえ
故郷とは そういう場所だった

潮風が吹いていると言われても なにも感じない
海と空の青に シーサイドホテルの白は
胸が痛くなるど 白く 健康的で泣きたい気持ちになる
泣いてませんから泣いてませんからと 心の中で 繰り返し
整地の歩道をぬけて山道に入る
蜘蛛の巣をはらい
つづく石段を登りきると
うつくしいお決まりの海がすっかり隠れている

さきほどまで聞こえていた船の音も
ヘリコプターの音も聞こえない
ただ 一輪 生姜(ジンジャー)の花が咲いていたた
たったひとりで 放つ光と香に 私は向き合った 



携帯写真+詩 ジンジャー &エール Copyright るるりら 2013-09-29 00:52:01
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