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われわれのうちの多くは、自分の脚でいろいろなことを行う。
走り、跳び、ボールを蹴り、時には自分の頭より高く脚を振りあげたりもする。
だがこれらの動作はまず、「歩く」ということが出来なければどうにも ....
わたしがなにかを破壊するのは
これが最初ではない
路地裏に落ちて砕けたガラス
影のささない正午の広場
舗道をめぐる人間の群れ
音楽は次第に雑音となり
女王が不吉な命令を下す
彼女の声は叫 ....
夜明けまえ、
廃止された鉄道分岐点で
ぼくは枯れ枝を燃やした。
低空によどむ雲、その裂け目に
うすい煙の筋が消えていった。
正午まえから雨。
うす暗い昼のあいまにぼくはウィスキーを ....
僕等は話した――
いつでもない時のことを
音声が行き交った、焦点は結ばれなかった。
それは戯れだった、
語の群れの、
午後の戯れ。
僕は既に複数形だった、いくつもの相反する ....
揺れている――
火が、無人の家に続く砂利道のそこここで、
揺れている、原野の風の行き来にあわせて
揺れている、枯れかけた草の群れが、
火が跳びはねて渦巻く、
日没前の世界に
揺れて ....
指は捩れた釘、その錆びた切先で裂く、僕らは、
宙を、
僕の頬を、
きみの鎖骨の下を、
すると膚と肉がみにくく割れて
黒い血が落ちる
横たわる僕らの眼に青色の空が映る。
完全な空の ....
おれは見たい、
赤錆びた鉄塔の頂きに
鳥のように爪先立って
人影のなくなった都市を見たい
きみとだ
おれは見たい、
太陽のとなりに炸裂するもうひとつの太陽の誕生を
塵からつくられ ....
街路図には
方位が記されていないので
正しい道順はもうわからない
人影のないアーケイドを逆順に進めば
三番街と一番街のあいだに
二番街がない
封鎖された地下通路から
川底 ....