季節を食べ終えて妖精は床下に眠る
たてものの屋上から見える木
その枝の集まりにはカラスが眠る
昼間、子供たちに小石を投げつけられたのだ
ときおりの短い夢にぶるっと身震いしながら眠る ....
ドク・ワトソン(Doc Watson)は、アメリカン・フォークやマウンテン・ミュージック、そしてヒルビリーやブルーグラスの流れを受けたカントリー音楽のみならず、広くアメリカン・ミュージックの世界では ....
〈おいらが{ルビ鯰=なまず}だったらいいのにな
ディープ・ブルーの海を泳ぐんだ
そしたらいい女はみんな
おいらに釣り糸を垂れてくる
おいらに釣り糸を垂れてくる
おい ....
なんと
一国の国民の
ほとんどすべてが
まるで
集団催眠にかかったように
その嘘たちに
戦争が終わるまで
ダマされ続けていたという
第二次世界大戦中に見られた
日本軍 ....
地球中を走れるキャンピングカーが欲しいな
砂漠でも海の底でもねそしてデートしようよ
束縛のない辞書は誰もが持っているんだ
独特の語彙の辞書なんだけれどもね
僕はきみを心でうけとめている ....
このまま静かに朽ちてゆきたいのだけれど
猫と僕と彼女は静止画のまま風化してゆく
アッピア街道の松のように或いは
ゴダールの気狂いピエロのように
いつか正気の世界に生まれ変わりたいものだ ....
あおばさんのラジオは未だ聞こえている
管球の図体のでかい奴だが昭和遺産の風格がある
あおばさんの電波はいまもアキバから世界に発信される
優れた詩人は理工系で詩は何気ないものであると
快 ....
二〇二〇年二月一日 「女子高校生」
もう何年もまえのことだけれど、電車のなかで見た光景が忘れられない。目の不自由な男のひとが杖をもって入ってこられたときのことだ。制服を着たひとりの女子高校 ....
日本語が美しすぎるのが悪いみながTOKYO出てゆかないのは
調子よき友人LINEで言うことにゃわれの浪費をハルノマモノと!
急停車、無言車内の春に漏る若きAirPods轟速のジャズ
....
黒焦げの死骸を何体観察したところで、
黒のなかの黒など、みつけることはできない。
さがしている「黒」とは、それはイデアであって、
存在者のなかには存在しないのである。
○「山頂から」
山に登って
自分の来し方と行く末を
考えてみる
○「人生とは」
人生とは
自分の足元を広げることよりも
深く掘り下げることではないか
○「楽しみ」
山登りの楽 ....
春は淡い
命がそこかしこに生まれては散る
風はそよぐ
樹々の葉がさざ波になる
風と水は似ている
そうかな
そうだよ
どちらも掴もうとしても掴みきれない
手のひらを開いたとたん
そこは ....
兄弟民族を
徹底的に葬り去ろうという
ヒトラーさえやらなかった
タチの悪い残酷さ
まさか
21世紀の現代で
こんな野蛮な侵略が起こるとは
さすがに
夢にも思ってはいなかった ....
ㅤ緑青色に腐食した月面の、クレーターの影に突き刺した太鼓ばち指を引き抜くと、穴から狒狒の呪術師達が踊り出て来た。俺は奴らの力を利用して、光速で飛ぶ闇夜と皮膚の間の一瞬の空隙に飛び移らねばならない。虚空 ....
悪魔は微笑み
天使は嘆き
神々は
憂鬱そうにつぶやく
また性懲りもなく
はじめよったな
地上にある
すべての土地は
この世界を創ってやった
我々のものだというのに
....
【問答相撲】
健康は命の付属品ではない
生写しではあるが別の生き物だ
今日も飛び去ろうとしてタックルした
顔を洗えば鏡に逃げ込むかもしれない
醜態を晒しても命ある限りか
尊厳を保ててこそ ....
二〇二〇年一月一日 「ウィルス」
あたいの携帯、へんなウィルスに感染しちゃったみたいで、勝手にアドレスを書き換えられちゃってて、知らないひとにつながるようになっちゃった。でも、偶然 ....
口の奥が何処よりも深いその人は 一人称以後の薄い唇に
なにかを落としたような声を
そっと埋める
最後の指のかたちで 語りかけながら
触れたのは
石の皮膚 濡れた風
....
差し出された命より軽い全世界の質量を感じながら、
眠っている猛獣と眠れない赤ん坊がいる。
不釣り合いなそれは、論理の苦手とするところで、
寛容な精神という無理によってのみ許容される。
....
今この時にも
かの地では
誰かが誰かに殺されている
道端にちらばる
死体たちの多さが
ただならぬものを感じさせている
戦争だから仕方がない
と
いえばそれまでだが
....
ぬらぬらぬらぬらと
ㅤㅤ黒光りする夜がまたやって来る
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ節操のない総天然色を肉の奥に密閉して
ㅤㅤㅤ夜の重力はすべての脈菅に流れ込み
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤ全身の毛穴に銀色のさぶいぼーを沸 ....
池袋地下のフリースペースの管球ラジオ
誰もあおばさんを再生できないけれども
土屋怜ちゃんのおまけでついていった僕だけれど
あおばさんはとても優しくて言葉少ない説得力で
求心力のない僕を ....
二〇一九年十三月一日 「断章」
おまえの幸福はここにあるのだろうか、
(リルケ『レース』Ⅰ、高安国世訳)
単純な答えなどない。
(アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』第二部・14 ....
朝8時の虎ノ門ニュースで解説していたが、忽然と消えた卵の行方を捜している母親が、自分は世界と捩れた関係にあるということが理解できないのは、母親には卵の抱いている密かな悪意が認知できないからだ。母親とい ....
SNS上の詩人たちを
熊手でがーっとさらう
角度をかえて
熊手でがーっとさらう
大阪に集める
すてきなイベント?
ん?私は用意してないよ
ただ寂しいから呼んだだけ
詩の話をするの? ....
ゴミ収集車が走り去るにおいを青空に運び去る春風 ボウ 遠のく作業員たちの掛け声
電線の雀たちが放つビーム
桜が咲いたね
ハロー ユース
/
遊びたりない わけない
風に育てられた髪 ....
「え~~本日はぁ、天気日頃もよろしゅう、氏神様のご祭礼によりぃ、
これより大節分豆まき大会を開催させていただきます。皆さま万障お繰
り合わせのうえ、ご家族お揃いでご参加下さいませ。なお~、お子供 ....
北はあじ変わらずミサイルそば。
東はロシアで冷酷プーチンそば。
西はキンペイちゃんの中華そば。
南はタイワン有事で戦場そば。
なぜかマルチチュードが、開示している。
スラヴの内戦の渦中で。
弱者よ、犬死するな。
これは革命かもしれぬ。
ひるむな。
権力を無化せよ。
知を超越するのだ ....
ぼくは宇宙の一過性のノイズに過ぎないが
きみも深海生物の末裔に過ぎないではないか
とりあえず会話は成立するが
ちっぽけな男が地球を見降ろしている
この世界の現状に最後まで抵抗する民衆であり ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164