ぼくを見捨てたもののためにぼくは死ねるだろうか
晴れた日の正午に
だれの記憶にも残らないやり口で
光のなかで明かりを消すように
永遠より午後の芝居を好むように夜は長 ....
硝子で以て光はウインクを、
睡魔の指が詩をしめ出すうすぼらけ。
人は、
ゆえなく等価交換の温泉に浸かる猿である。
雪渓に紅白のクレーン車かぶさる
遠近 ....
叉路
逡巡
決断
幻
確信
人混み
僕は思うのだ
空を 僕は
でも この 目に
僕は壁を感じさせられながら
光に目を閉じ
闇を求める
そしてそれは
真の闇ではない
光を本当に失うとき
求めることなく
闇は
抜き差しならない
闇になる
人の目を避け
孤独を求める
そしてそれは ....
そのとき私は十六歳で
まだ何も罪は犯していないと思っていた
電車に乗って席に座ろうとしても空いていなかったので
つり革をつかんだ
そして
向き合った席にいる人の姿に
私は驚いて
目が ....
いてて
いてていて
あ、あ、こちらマイクのテスト中
聞こえますか
聞こえますか・・・
あ、あ、
いてて
テスト
テスト
....
雨の気配が春を連れてくるから
煙草の味がわからなくなるくらい
泣いてしまいたいのに
涙は出てこない
小さな井戸からかなしみを汲み上げても
ここまでの距離は数えられないのだ
どこかへ向か ....
これでもかと歯石を取り尽くされ
すかすかすっからかんの帰り道です
もう何も持っていません
昨日までの悲しかった人生も
明日からの悲しいであろう人生も
もう何処にも無い ....
黄金の太陽、陶然と
茜に燃やす、この部屋を
開き放て!己のすべて
持続スルこの永久の時に
ああ、俺の両眼は割れ砕けそうだ!
目が眩む目が眩む
眩暈、眩暈
光の海だ
黄金に躍 ....
魔法使いの呪文のように
自明 !
という一言で
日常の会話から
厳密な数学の世界まで
誰もがみんな
納得してしまう
自明とは
なんという素晴らしい
魔法の力を ....
誰もいないから見ていたのだ
午後の空のボールを
角の僕はまだ見たことのない空を
見ていた 僕は 十字架に
そして遠くに見えた 街並み
僕は思い出していたのだ
海に家族で出かけた日
....
最悪の悪徳。それを寿げ。すました顔で平然と血で汚れた手を差出すのだ。供物のように身を横たえよ、恐ろしい龍や番犬の牙に偉大にも身を捧げるため。そのようにして、いくつもの滅んだ帝國は歴史の溝に清らかにも棄 ....
初雪のニュースを聞けば鳥肌が立ち急激に寒さ意識する
自転車に乗って私に逢いに来るあなたは白馬に乗った気分で
台風は超大型を保ったまま広い範囲が影響受ける
夜空見て雲が邪魔して星はない ....
空を見上げて歩いていた海で
カレイを拾ったことがある 砂の中にいた
それを投げ上げたけれど 空の下で
ざらついていた それを 拾わず帰った
たぶん僕は悩殺よりも瞬殺派だ
まわりくどい締めゴロシよりは死刑が良い
ときどき趣旨を忘れたりするが
詩みたいなものを日記みたいに描く
僕にはまっとうな友達がいないみたいだ
アビー ....
前方不注意で迷い込んだ森で
僕の死骸は笑っていた
それが実に正夢で
私は確かに発狂している
もう望んでない
もう恨んでない
上澄みだけが
強がって
僕を守ろうとした
無意 ....
骨を動かすと
神様が降りて来る
筋肉を震わすと
宇宙が唸る
みんな、みんな
大好きなんだ
生きて息して
居て下さい
突き抜ける青、天空に
たましいは今日も饒舌だ
....
昨日。朝からの雨と風で、もしかしたら最後の勤務は営業休止になるのかもしれない。と、スキー場勤務最終日を期待したが、営業休止の連絡の電話は鳴らず、今シーズン最後の道の駅で時間をつぶすことにした。三月に ....
居場所がなくなって
途方にくれてしまいかけてる
キスなんて一度か二度しただけ
そんな唇を舌で舐めても
そりゃ渇いているだけさ
日は落ちて
周りは昏くなっていく
ためしに心臓止 ....
3月 弥生 トロイメライ
春風 果てしなく 暖かい
坂の 彼方の 高台へと
ゆっくり 歩いていこう
月光チタンの夜を過ぎ
冷たい鈍色の夜を抜け
奈落と雪洞の夜を耐え
かねて
ぼくは ....
廻る廻る大地が廻る
壊し創る力は無尽蔵に
無作為に選ばれた人々の
哀しみの雨が降り注ぐ
(世界は只残酷に美しく)
廻る廻る大地が廻る
次から次へと命は芽吹き
哀しみの雨は
もう ....
寝ている時以外ずっと書いていて
目を悪くした
ひどい頭痛に見舞われている
図書館で
フジモトマサルさんの
『夢みごこち』を借りて
それを今
1メートルの距離をとり
眺めている
....
やあ
おはよう
詩集を読んでいるんだね
リルケか
どうだい感想は?
そうか
つまらないのか
世界には
リルケを楽しめる人が
大勢いるのにね
そう君は
リル ....
寒さはもう感じない
生暖かさが
ウキウキ感を連れてくる
何をやっても上手くいくような
何とも言えないポジティブな流れ
新年度が始まり
落ち着かない日々が続いても
嫌な気持ちになら ....
・575
補助輪を 山ほど付けて共倒れ
奢りだの 親分子分 はした金
座布団か拍手でお迎えくださいませ
獄門の 上にもぬけのカタツムリ
陶酔で水捌けよくして泣きじゃくる
ウイスキーと ....
少し高めの なるべく太い枝に飛びついて
ぶら下りながら 木の幹を歩き上がり
背面飛びで足元から滑り込むように あの枝に座り込む
もうひとつ上に行けるかな 立ち上がり
手をかけ ....
あなたが嫌いだから
あなたとは距離を取りたい
あなたといると
私が私じゃなくなる
あなたと一緒にいたら
耳が聴こえなくなった
あなたは私を支配する
あなたのために微笑むことはもうない ....
塩水を買って帰る
安かったから、と妻に渡すと
またこんなもの買ってきて
そう言いながらも大事そうに抱えて
海に帰っていく
今日のおすすめはこれです
テレビの人が言った
(午前 ....
あなたの匂いをもう憶えていません
この部屋で暮らしてよかったと思ったことなどいちどもない
曇り空 ぬるい暖房 春の光はこんなもの
伸びた爪で嵐をとめて
伏せたまま口づけてじゃれあっていた朝 ....
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