都会に行けば田舎に帰りたいと泣き
田舎に帰れば都会が忘れられないという
両親と恋人を秤にかけるくらいの、
推し量れない淋しさと重さを見ていたら
安住の地は無くなった

量り売りが ....
  
いま どらびだの駅だ
むかし おなじ名まえのくにを紀行したが
もうずいぶん前だったので
ぼうぼうとした
かぜの中あたりで 周囲を見まわす
駅舎があるとは知らなかった
いや
とうの ....
夕凪の浜で拾ったビードロの小瓶で眠る誰かのいつか


流木と貝殻たちの沈黙の傍らの海を見るガガーリン


お昼寝を漁師にとわにうばわれたお魚たちのしょっぱいなみだ


地平線越えゆく ....
肉体の、
肉体の檻が邪魔だ
空間をよぎって その声は
いつも私を焦らせる

部屋を暗くして闇にうずくまる
部屋の心音と私の動悸が重なって
あらゆる、存在に理由を付けたがる私の思考が
膨 ....
あなたがトマトといえばピザやパスタが出てくるのに
わたしがトマトといえば三割引の見切り品を
手渡されるのはなぜだろう

あなたがケーキと呼ぶだけでバースデーケーキが出てきて
わたしが ....
冬のはじまりを
ことばにしたくなった
ときすでに、

むかし話のように
ふり続くゆきのような、
文字のられつ

呼ばれなくなった
なまえを口ずさむように
くり返し、くり ....
カローラ
ライダー
看護婦の井田さん
ここでモーニング娘の
二文字しりとりモードを
避けるため
私はポスティングを始めた
ポスティングが右の奥歯に
絡まって来る
戸の援護射撃に
絡 ....
小学生のころ
大きな紙いっぱいに
緻密な迷路を書いた
細いところで二ミリくらい
太いところで五~六ミリくらいの
血管のような道が幾つにもわかれ
そのひとつがまた幾つにもわかれ
それらがま ....
移り変わる季節
どの季節も美しい

隣にはあなたがいる
何も足りないものはない
幸せでいっぱい

散歩道
あなたと歩く道
人生の道

想像出来るから楽しい
あなたとなら現実に出 ....
 午前のアトリエに光は射し、人はいない。
 淡いキャンバスに薄くデッサンが描かれている。
 海だ。
 透明で純粋な世界がそこにあった。

 時間と空間の概念をその筆に携えて、
 その海 ....
いのちは
こころのかたすみで
ふるえながら狂っている
枯れた木が
記憶だけで
まだ水を吸い上げようと
こころみているように


まともなあんたは
ひびわれた ....
愛の包み紙を剥がして食べた
味なんかしない けれど
美味いとか甘いとかなんとか言っちゃって

以来 愛は無色透明 気配を殺し
居るような 居ないような

――気になるのは 破れた包み紙
 ....
飴を、舐める。
眠る。
私は眠る。
光に満ち溢れた戦争が起こる。
身体の不調。
調性。
波に濡れた身体。
私は私から零れていく。

ニューロン
夢を集めて
逆さまにする

遠 ....
悲鳴の螺旋が落ちていく
蒼穹を自由に飛ぶ舟は
藻屑と等しくなり
白の破片を散らかばして無人の島を飾る

目が合った他人の女の子と手を取り合って急降下した
握りしめた手は暖かくあり腕は海に浸 ....
不安だ
乱れてゆくこころ
もてあます
壊れていく
病におかされ
ミシミシ音をたて
崩れてゆく身体

この世への未練だろうか
いや、未知への恐怖

空を見上げると
月が浮かんでい ....
泥酔したいな。

一瞬たりとも正気でいたくない

虚ろでいたい

ぽやぽやしてさ。

何も考えたくないの。

なぁんて
やらないけどね

思うだけだよ
本気でだけど
感情が入り混じって危険になったら
ただ早足でバッティングセンターに行く
やる気のない店員のタバコふかしながらされた挨拶も
今は見えていない


コインを入れて
120Kmで30球 ....
ことばが寒さから抜け出し
たいようを追いかける夜に
睡眠剤をウイスキーで呑む

景色はしろく記憶だけ鮮明で
墨汁で色濃く書いた文字さえ
どこか儚い冬のきろくになる

突然の ....
シルバーカーと一緒にね
まだ51歳なのに色気ないけど
それがすっぴんのわたし

シルバーカーと一緒にね
会いに行くよ
冥土の土産に

もう、余生だよね
ナイフとフォーク使えなくて ....
干涸らびた杓子 抽き出しから掻き出し 井水満たし庭師
ギスギス 煤けた薄 雪ぎ
敷居越し 椅子軋まし小休止
傷付きすぎたキリギリス 梳く櫛にキス頻り
優しく言って聞かし 樹脂へ服役さし
不織 ....
いや、むしろ語れないほうがいい。
あの空をみる
黒水晶の
あの空をみろ。
雪は拭い去らない
覆い隠すだけ
日ごとに捲る
白紙のページ

忘却は灰ではなく
深みに沈むこと
どこか届かない
タイムカプセル

書き変えても
消去しても
記録を改ざんしても
 ....
自分の過去を
振り返ることもなく

自分の意思で
前に踏み出す訳でもなく

時の流れに
身を任せたまま
流されるまま

しばらくすると
ずっと、留まってしまっていることすら
気 ....
物置を痛打されて
私は憤った
畏友だけは痛打しないでくれと
ダースベイダーに頼めば
ダースベイダーはミッキーマウスの
ごみ箱をぐしゃぐしゃにして
序でにピノキオのごみ箱も
ぐしゃぐしゃに ....
お前の美しさに業を煮やす
少し下界の風に晒されると良い
パタンと閉じることの出来ぬ雑誌の
下世話なコーナーに佇む
昔ながらの 電話ボックスに告ぐ
悪夢と灰汁湯を 一緒くたにするな
図ら ....
艶めく林檎の滑らかな膨らみに
包丁の刃を当てて一息に押し切る
迸るエチレンの醇香
生まれ立ての双子は
仄かに黄味がかった白い果肉を
更に真白な俎板の上に
投げ出していた
あられもなく
 ....
きょうもたくさん、頭を下げました
ありがとうございます、あ、すいません、すいません

「雇用期間の定めあり、平成30年3月31日まで」
条件により更新あり
条件により・・・
ねえ、あなた、 ....
勤労感謝の日で休日。
「おれって、アラジンの魔法の精みたいじゃない?
起きたら、洗濯も終わってるし、洗い物も溜まってないし」
横で洗い物をしている私に
感謝の一言もなく、
冷たい視線を一瞥く ....
雨は止んでいた
底冷えの余韻もなく
左手にはぶらぶらと
きまり悪そうに一本の傘
軽やかに往く人々が
刹那の訝りを湛えた一瞥を
そっと私に投げかけて去る

そうか、彼らは知らぬのだ
ま ....
雪を被ってすっかり閉ざされた
 枝の間 
小鳥は空を 
  ひと跳ね 
 ふた跳ね
すっ と吸われるように消える
とりあえず
生あるものは辺りから姿を消した訳だ
空を埋め尽くしていたあ ....
空丸さんのおすすめリスト(4907)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おいてけぼり- 為平 澪自由詩5*17-12-3
_どらびだの駅- 「ま」の ...自由詩6*17-12-3
「誰かのいつか」_五首- もっぷ短歌617-12-3
家出娘- 為平 澪自由詩917-12-2
師走に鬼- 為平 澪自由詩217-12-2
はじまりをことばにしたくなった- かんな自由詩5*17-12-2
でもしりとりは止めてほしくない- 間村長自由詩417-12-2
迷路- ただのみ ...自由詩13*17-12-2
隣にはあなた- 夏川ゆう自由詩517-12-2
午前のアトリエ- ヒヤシン ...自由詩6*17-12-2
あらゆることが語り尽くされたあとに- ホロウ・ ...自由詩15*17-12-1
ある愛のソネット- ただのみ ...自由詩7*17-11-29
銀河- 由比良 ...自由詩817-11-29
御神体は人魚の手- 日々野い ...自由詩217-11-28
こころの陰- 星丘涙自由詩3*17-11-28
なぁんてね。- 愛燦自由詩617-11-27
また少し背が伸びた気がして- カマキリ自由詩717-11-27
薬を酒で飲む- かんな自由詩13*17-11-27
シルバーカーと一緒にね- 鵜飼千代 ...自由詩10*17-11-27
縮小宇宙- なけま、 ...自由詩117-11-27
馬鹿でも詩話かける- ツノル自由詩317-11-27
日々すこやか- ただのみ ...自由詩9*17-11-25
最新式トイレ- 花形新次自由詩117-11-25
ゴジラ(ダースベイダー)- 間村長自由詩217-11-25
つるりんちょ- 藤鈴呼自由詩3*17-11-24
朝食林檎ヨーグルト- のらさん ...自由詩617-11-24
11月の終わり、宮下公園で- うめバア自由詩517-11-23
今日は『勤労感謝の日』- 秋葉竹自由詩217-11-23
失われた雨空- のらさん ...自由詩217-11-23
- ただのみ ...自由詩8*17-11-23

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